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マツダ社長「ロータリースポーツ実現はマツダ全員の夢だが、今は余力がない」。マツダの利益は43%減、営業利益率も4.2%から2.3%と業界最低レベルへ

2019/06/09

| マツダはこの”負のスパイラル”から抜け出せるのか |

オートモーティブニュース・ヨーロッパがマツダの丸本明社長へインタビューを行ったところによると、「(最後のロータリーエンジン搭載車である)マツダRX-8販売終了後も、ロータリーエンジンの開発を続けている」。

ただしこれはEV向けのレンジエクステンダー(発電機)としてであって、ロータリーエンジンを動力源としたクルマを開発しているわけではない、というのは既報の通り。

この「ロータリーエンジンを発電機として利用する」EVの発売は今年中に行われる見込みではあるものの、ちょっと気になるのは、先日トヨタが発表した「協力関係社」そして共同開発パートナーの中にマツダが含まれないこと(スバル、スズキ、ダイハツは含まれていた)。

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つまりトヨタは「マツダのロータリーエンジンをレンジエクステンダーとして使用しない」ということになりそうで、このあたり実際にどうなるのかはわからないのが実情です。

マツダ社長「ロータリースポーツはマツダの”夢”」

そして丸本明社長は非常に興味深いことにも言及していて、それは「マツダ内部では、だれもがロータリーエンジン搭載スポーツカーの登場を願っている。それは夢といっていい」というもの。

そしてこれは日本のマツダ本社だけではなく、世界中のマツダ法人が望んでいることでもありますが、これについても「マツダは研究を続けている」とも言われていますね。

ただ、この「研究」についてマツダ本社から公式に語られたことはなく、これはマツダファンの「願望」がウワサとなって独り歩きしたものなのかもしれません。

かわりにマツダが公式に語っているのは「ロータリーエンジン搭載のスポーツカーは”ない”」。
これについても今回、丸本明社長が「我々は他にやるべきことがたくさんあり、ロータリースポーツに割ける時間はない」と語っていて、残念なことにロータリースポーツ実現の可能性は薄そうではあります。

ただ、マツダは過去にも「RXヴィジョン」等のロータリーエンジン搭載、そしてスポーツカーをコンセプトカーとして発表しており、いくつかの特許も取得。
これを見るに、やはりその「夢」は確実にマツダの中に根付いていて、それらを丸本明社長は「否定しているわけではない」ということもわかりますね。

現在マツダの未来は明るくない

なお、マツダの財務内容については現在のところあまり芳しくなく、売上高こそ昨年比3%増だったものの営業利益はなんと43%マイナスになり、つまり「半分近く減った」。

営業利益率については4.2%から2.3%に下落し、これは業界としてもかなり低い水準。
同レベルの水準だとVWの「2.6%」というものがあり、しかしVWは販売台数が1083万台、マツダは159万台なので「桁違い」。
つまり「率」が同じだとしても、ベースとなる台数が違うので、残る利益も「ぜんぜん違う」ということになります(会社の規模も違うが、”営業利益”はすでに経費も引かれた数字)。

なお、この営業利益率について、数年前の数字にはなりますが、ポルシェが18%、アウディが10%、スバルも10%、トヨタが8%、ホンダが6.5%、日産は5.6%くらいと言われているので、やはりマツダは「相当に低い」ということがわかりますね。

マツダのプレミアム路線は「凶」と出た?

現在、マツダは値引きをやめることで新車販売における利益向上、中古車市場の価格安定を図っており、加えて新車についても「プレミアム路線」へと転向しています。

しかしながら現実問題としてこれが奏功しておらず、つまりマツダにそこまでのブランドバリューはなかったということになり、単に「消費者がついてこなかった」ということになるのかもしれません。

これは「フォルクスワーゲンが、高級路線に移行したくても移行できない」のと同じで、そう簡単に解決できる問題ではない、ということでもありますね。

ただ、だからといって何もしないとマツダに将来はなく、だからこそマツダは「たとえ今苦しくとも」未来のためにブランドイメージを改革しているのだと思われます。
そして、現在はそれに注力する必要があるために「ロータリースポーツどころではない」ということなのでしょうね(同じ理由でハイブリッドシステムの開発も難しい)。

VIA: Automotive News Europe

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