| トヨタもついにハイブリッドの”コア技術”を中国へ移転 |
トヨタが「カローラ」「レビン」それぞれのプラグインハイブリッドを2019年に、2020年にはC-HRベースのEV「IZOA(イゾア)」を中国市場に投入する、と発表。
なお、トヨタはあわせてこれら車種を含めて合計10モデルのエレクトリック化された車(電動車)を投入する、とのこと。
さらにこれらエレクトリックカーに搭載される「バッテリー、インバーター、パワートレーン」等のコア技術は中国で生産するとしており、大きく流れが変わることになりそうですね。
トヨタのみではなく、各社こぞって「中国専用EV」を発表
今回の北京モーターショーにおいてはホンダが中国のパートナーである「広州汽車」との合弁によって初のEVとなる「理念コンセプト」を発表していますが、これはコンセプトと名がつくものの、実際に(しかも今年に)投入される見込み。
その他日産/インフィニティも中国専用車の投入とEVシフトを発表し、さらにフォルクスワーゲンも中国専用ブランド「SOL」を発表するなど、中国は他市場とは大きく異なる流れを迎えています。
つまり中国市場は「特別扱い」してでも獲得したいマーケットということになり、今回の北京モーターショーは一つのターニングポイントだと言えるかもしれませんね(正直、ここまで各社が中国シフトするとは思わなかった)。
加えてトヨタは中国向けに「レビン」をすでに投入しており(かつて日本で販売されていたレビンとは全く違う)、レビン・ハイブリッド含めてハイブリッド車を14万台販売した、と発表。
今回のレビン”プラグイン”ハイブリッドはラインナップ拡充の手段の一つとなり、さらに電動車の販売を伸ばすことになりそう。
なお、このレビンPHV、カローラPHVのモーターのみでの走行可能距離は「50キロ」だと伝えられています。
参考までに「レビン」は英語で”稲妻”、「トレノ」はスペイン語で”雷鳴”の意味。
中国ではレビンにつき「雷凌」と表記されていますね。※中国トヨタのレビン製品ページはこちら
なぜトヨタは急に態度を変えた?
ちなみにトヨタが電動車の「現地生産」にシフトしているのは中国の政策が関係していると思われ、というのもちょっと前までは「輸入車であっても、電動車であれば関税が低減され現地で安く販売できた」ものがその後、「電動車であっても輸入車には高額な関税が課される」ことに。
この理由としては(電動車を作れるようになった)中国自動車メーカーの保護のほか、中国での電動車促進を行う意図があると見られ、さらに後者においては「合弁を進めさせることで中国へ技術移転を図る」「国内の雇用確保」「バッテリー技術における世界での支配力強化」といった側面もありそう。
このため、輸入車扱いである「トヨタ・プリウス」はある日突然中国内での販売価格が異常に(関税で)高くなり、その結果販売が「ほぼゼロ」になってしまうという事態に。
中国でプリウス売れず。昨年12月の販売は「わずか1台」。しかも5月以来の登録
こういった「コロコロ変わる」規制への対応、そして中国企業と組むことで「中国政府の保護を受ける」ことを目的にトヨタは中国の合弁にてハイブリッド車のコア技術生産に踏み切ったのだと思われます。
なお、左がC-HR、右がC-HRベースのIZOA。
まさかC-HRがEVになるとはという感じですが、中国生産となり、日本には輸出しないかもしれませんね。
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