| マカンはポルシェのスポーツカーラインナップとまったく異なるライン上にある乗り物である |
さて、早くも納車から1ヶ月経過したポルシェ・マカンS。
ぼくはこれまでマカンS含めてポルシェを5台乗り継いでいるものの、「(ポルシェの)SUVは初」(986ボクスターS→997カレラ→981ボクスター→718ケイマン→マカンSという流れ)。
よって新鮮に感じる部分がかなり多く、ここで現時点での印象を述べてみたいと思います。
やっぱり大きい
事前に理解しており、織り込み済みの事象ではありますが、「やっぱりデカイ」というのは改めて感じるところ。
マカンの全長は4,695ミリ、全幅1,925ミリ、全高1,625ミリ、ホイールベース2,805ミリ、最小回転半径は5.6メートルで、ぼくが日常的に出入りする範囲ではなんらかの制限を受けることはないものの、これまで「一発」で入っていたところを2~3回切り返さなくてはならないこともあります(まだ慣れていない、ということもある)。
ちなみに718ケイマンは全長4,385ミリ、全幅1800ミリ、全高1,295ミリ、ホイールベース2,475ミリ、最小回転半径は5.2メートル。
感覚的には、「幅が大きい」というよりはホイールベースの長さに起因する挙動の差に慣れない、といったところです(幅の広いクルマについては、これまでレンジローバー・イヴォークや各ランボルギーニにて経験済み)。
ただし現状ではサイズに困っているわけではなく、あくまでも「今までこのサイズのクルマに乗ってこなかった」ため、感覚を調整するのに手間取っている、ということになるのかもしれません。
燃費が思いのほかイイ
マカンSのエンジンは3リッターV6ツインターボ、そして重量は約2トン。
ポルシェの公称値だと燃費はリッター9.1キロなので、実際は「7~8キロくらいか」と考えていたものの、この1ヶ月で1,600キロ、そして718ケイマンと同じ道を走ったところでは「リッター10.3キロ(オンボードコンピューターの表示で)」。
なお、ぼくはみんカラに記録を残すようにしているのですが、それによると「リッター10.19キロ」なのでオンボードコンピューターと大差ない数字であり、この排気量と重量、そして4WDということを考慮すると、望外に燃費がいいという印象です。
参考までに、これまでに乗っていたクルマの一部につき、燃費は下記の通り(みんカラの記録上)。
・ポルシェ718ケイマン・・・11.93km/リッター ・ランボルギーニ・ウラカン・・・6.19km/リッター ・ポルシェ981ボクスター・・・11.16km/リッター ・ランボルギーニ・ガヤルド・・・6.14km/リッター ・アウディTT(8S)・・・12.55km/リッター ・レンジローバー・イヴォーク・・・9.34km/h |
マカンは高額車というよりは高級車
ぼくは常々、ポルシェに対して「高級車」という表現を用いられることについて違和感を感じており、というのもポルシェの価格は「高級車を作ろうと思って」あの価格になったわけではなく、「ポルシェの求める運動性能を追求したら高くなってしまった」結果だと考えていて、よってポルシェは高額車ではあるが高級車ではないというのがぼくの持論であったわけですね。
ただ、それはスポーツモデルに限っての話であって、マカンに乗った印象としては、「妥協なく作られたポルシェ製のクルマ」というよりは「より多くの人に受け入れられるように作られた高級車」。
しかしながらそこにはポルシェらしさがしっかり反映されていて、安定感やピッチ、ヨーといった車両の制御、ハンドリングはやっぱりポルシェ(レクサスのSUVのようにフワフワしたり、揺れ戻しが来ず、揺れが一発で収まる)。
ただ、その上を行くのがレンジローバーだとも考えていて、このあたりは話すと長くなるため(かつ、単純に比較できるものもでないため)、機会を改めようと思います。
この件についてまとめておくと、マカンはポルシェのスポーツモデルとは全く異なるライン上の乗り物で、作られた目的そのものが異なり、しかしSUVとしての完成度はポルシェにしか達成できない領域にあって、これまでのポルシェとは異なる評価軸を用いる必要がある、ということ(このクルマにポルシェのスポーツカー同等のドライバビリティを求めることはできないが、また違う素晴らしさもある)。
乗り心地や装備も高級車
そして上述のように、マカンはおそらく「高級」を標榜して作られているので、ポルシェのスポーツカーレンジではオプションとなっているものも多数「標準化」されています。
このあたりはアウディのパーツや機構を使用したりと「フォルクスワーゲングループに属していることの恩恵を強く感じる」ところで、(共有を嫌う人もいますが)ぼくは「ありがたい」と感じる部分でもあり、そういった快適装備についてメリットを享受している立場でもあります。
ちなみにシートは大きく分厚く、足回りは快適で、防音や制振も行き届いており、まず乗り心地には同乗者からも不満がでないレベル。
参考までに、サスペンションを「スポーツ+(スポーツのもう一つ上)」に入れると、718ケイマンのノーマルサスペンションと似たようなフィーリングになる、と感じています。
加えて、パラレルジオメトリに起因し、(ポルシェのスポーツモデルで発生する)ステアリングをギリギリまで切ったとき、そしてタイヤが冷えているときに出る「ボリボリボリ」という音と振動が出ないのは精神的に安心する部分でもありますね。
カイエンと間違えられる
なお、マカンに乗っているとかなりの確率でカイエンと間違われることがあり、「あ、カイエン買ったんだね」と言われたりすることが多々あります。
これについては「カイエンとマカンとの区別がつかない」というよりも、「ポルシェのSUV=カイエン」という図式が一般に定着していて、マカンの認知度が異常に低いためなんじゃないかという印象(マカンを知らない人も多い)ですが、カイエンと間違えられてしまったときに「マカンだと訂正するのに」ちょっと気を使ったりします。
そのほか思うこと、トラブルなど
そのほか、「ブレーキホールド」についてはちょっとクセがあり、アイドリングストップ中にブレーキホールドを作動させ、そこからアクセルを踏んで坂道発進しようとすると、エンジンが指導してクラッチが繋がるよりも前にブレーキホールドが解除してしまい、「一瞬下がる」模様。※これが下り坂だと「下がる」
アイドリングストップが作動しておらずエンジンがかかったままだとこういった現象は起こらないようですが、状況によっては「要注意」。
たとえば下り坂にて縦列駐車しようと考えたとき、なんどか切り返しをするとしますよね。
前後にクルマがいて、かつスペースがギリギリで、前のクルマにかなり近づいた状態でリバースに入れ、そこでアイドリングストップが作動した場合。
そこからアクセルペダルを踏んでバックしようとしたとき、一瞬「下がる」ので前のクルマに当たりそうになってしまい(こちらはブレーキホールドを信頼しているので下がるとは思ってない)、しかしそこで驚いてアクセルをぐっと踏むと、今度は後ろのクルマに当たりそうになることも。
よって、こういった状況ではアイドリングストップを「OFF」にしておいたほうが良さそうですね。
「トラブル」については一度だけ経験しており、駐車した直後に「故障 要修理 走行可能」という表示が出ており、しかし1日放ってくと表示が消えたため、おそらくはセンサーの異常だったのだろうと考えています(ポルシェにはよくある)。
現時点では今まで乗ってきたポルシェとの相違に戸惑うばかりですが、乗って楽しいクルマに変わりはなく、「買ってよかった」と思える一台です。
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