| 日本ではKINTOが頑張っているが |
BMWは2018年に北米の一部地域にてサブスクリプションサービスを開始していますが、1月末をもってそのサービスを終了させる、と発表。
これは「アクセス・バイBMW」と呼ばれるサービスで、M5、X5M、X6M、M4コンバーチブルといったMモデル、そして330iやX2、X3といった人気モデルを揃えていたことが特徴であったものの、BMWの狙う成功には程遠かったようです。
やはりサブスクリプションサービスは難しい?
BMWは一部パイロット地域にてサブスクサービスを実施した結果をもって、他地域にも「拡大」する計画を練っていたようですが、結局のところ予定通りに進むことはなく、BMWとしては「一定の結論が得られた」というコメントとともに撤退することに。
ちなみに同様のサブスクリプションサービスについてはアウディとメルセデス・ベンツが参入するもすでに撤退済み。
つまるところ、いずれの自動車メーカーも成功しなかったということになりますね。
-
メルセデス・ベンツが米にて展開中のサブスクサービスから撤退!一方でジャガー・ランドローバーは新規参入を表明。KINTO含め今後のサブスクの将来を考える
| サブスクリプションサービスがブランドと顧客との新しい関係づくりに貢献していることは間違いないようだ | さて、現在自動車各メーカーがこぞって力を入れているのがサブスクリスションサービス。トヨタが展 ...
続きを見る
なぜサブスクリプションは難しいのか
なお、サブスクリプションサービスについては世界的に見て成功した例は少なく、日本においては「あのトヨタですら」KINTOを成功させることができない状態。
その理由についてはいくつかあると思いますが、KINTOの場合は「駐車場代は自分持ち」「期間の縛りあり」「サブスク用のクルマを新車で注文せねばならない」ということで、計算すれば「自分でクルマを買ったほうがずっとお得」、しかも便利。
こういった状況であればどう考えても「自分でクルマを買うか、レンタカーを借りるか」のほうが消費者にとって有利です(よって、KINTOは情報弱者向けのサービスだと考えている)。
じゃあ毎月の金額を下げればいいんじゃないのという話になるものの、それをやると自動車メーカーにとっては「赤字が増えるだけ」なのでこれも無理。
-
愛車サブスクリプション「KINTO」は本当にお得なのか!損得を計算してみたら意外な結果に
| どう考えてもトヨタが儲かるだけのビジネスのような気がしてきた | 最近何かと話題の「愛車サブスクリプションサービス」。トヨタがプッシュしている「KINTO」が代表的なものですが、これってどうなの? ...
続きを見る
なお、KINTOとは異なる方式にて、「メーカーがクルマを在庫し、期間の縛りなくいつでも借りることができ、かつ定額で色々なクルマに乗れるように」というのが北米にてメルセデス・ベンツ、アウディ、BMWが行っていたサービスですが、この場合は「相当な台数を保有していないと」加入者が借りたいクルマを借りることができずに退会が増え、しかしどれくらいいるかわからない利用者のために大量の在庫を保有しておくのはメーカーにとってかなりな負担。
そう考えると「もともと成り立たない」と考えたほうが自然なのがサブスクリプションサービスでもあり、今後も(政府が公共モビリティとして捉え、なんらかの補助や優遇を行わない限り)これが根付くことはないだろう、と考えています。
あわせて読みたい、サブスクサービス関連投稿
-
トヨタ入魂の自動車サブスク「KINTO」の申込みは1日わずか5.7件。なぜ見込み違いとなったのか、トヨタの”2つの誤算”について考える
| あれだけTVやネットで大々的に宣伝し、ネットのほか全国4,800の拠点でも申し込みできるのになぜ | トヨタ自動車が、満を持して開始した自動車サブスクリプション(定額制)サービスについて「思ったよ ...
続きを見る
-
メルセデスAMGが「月40万円でどの車種も乗り放題」サブスク開始。一瞬高いと思ったものの、冷静に考えると割安かも
| 車種固定でもなく、月単位で契約できるのであれば高くはない | 日本での自動車サブスクリプションサービスといえば「KINTO」が有名ですが、北米においてメルセデスAMGがサブスクリプションサービス「 ...
続きを見る
参照: Automotive News