| ボクはどうやらその20%に入っているらしい |
さて、色々と話題となった新型BMW 4シリーズ。
その話題の中心はなんといっても巨大な「バーチカルキドニー」ということになりますが、今回BMWのチーフデザイナー、ドマゴジ・デュケツ氏によると「新型4シリーズのキドニーグリルについて批判があることは十分承知している。だが、新型4シリーズは万人に向けたクルマではない。我々の試算では20%の人々がこのグリルを好むと結論づけており、20%の人々にアピールできればそれで良いのだ」。
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なぜに20%?
そこでちょっと疑問に思ったのが「なぜ20%なのか」ということ。
ぼくが疑問に思うのは「たった20%」ということで、なぜ50%や80%を目指さなかったのかということですね。
これについてはいくつか仮説があるものの、もっとも有力なのは「より多くの人を対象とすればするほど、その製品はファジーになる」からなのだと思われます。
BMWは大衆車ブランドではなくプレミアムブランドであり、つまり買う人はそもそも「限られている」という性格のクルマ。
そういったプレミアムカーにおいて万人受けを目指すということは同時に没個性を意味し、感性の鋭い人々が好むであろうプレミアムカーにとって没個性は「致命傷」なのかもしれません。
そういった意味で、BMWはごく少数の人々に絞ったアクの強いデザインを採用することにより、自社のほかラインアップ、そして競合であるメルセデス・ベンツ、そしてアウディとの競争に勝とうということなのだとも考えています。
なお、販売台数においてはメルセデス・ベンツCクラスクーペ、アウディA5クーペに負けるかもしれませんが、これだけ話題になり、そしてBMWの姿勢を示すことができたのであれば、それは「試合には負けたが、勝負に勝った」とも言えそうです。
ただし現代では「アクの強い車」が万人受けすることに
しかし今の自動車市場を見渡すと、売れているのはどうやら「アク(個性)の強いクルマ」。
日本の自動車販売上位だとヤリスやアルファードといった個性派が上位に並び、一方でナチュラルもしくは都会的なホンダ、今ひとつインパクトの弱い日産はトヨタよりもずっと下に位置しています。
アメリカ市場においては「フォードFシリーズ」のような押し出しの強いクルマが売れており、これはもう世界共通の傾向なのかもしれません。
そう考えると、その車名を聞いてパっとそのデザインを思い浮かべることができるほどの個性がなければ(多種多様なクルマであふれる)現代では成功することが難しく、そういった意味でも新型BMW 4シリーズは「意外と成功するんじゃないか」とも考えています。
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参照: Top Gear