| ロータスはすでにタイプ135の発売を2026年から2027年に延期している |
このままだと「高価で重く、航続距離が短い」実用性の低いスポーツカーになってしまうのかも
さて、ロータスは(非常に)軽量なスポーツカーを作ることで知られていますが、そのロータスも完全電動化へと歩を進めており、現在のところポルシェやアウディのように「ガソリンエンジンをより長く存続」という発表は見られず、よってこのままハイブリッドやプラグインハイブリッドというクッションを置かず、一気にピュアエレクトリックへの道を進むことになるものと思われます。
そしてロータスは「エレトレ」「エメヤ」に加えタイプ134と呼ばれるコンパクトSUV、さらにタイプ135と称されるスポーツカーを”ピュアエレクトリック”にて投入しいったんのラインアップの完結を見ることになると言われているわけですね。
ロータスは「タイプ135」の発表を1年延期
ただしロータスは少し前に「タイプ135」の発売を1年延期して2027年に行うとコメントしており、これは(ロータスからは明確な理由が述べられていないものの)バッテリー技術が予想していたほど進歩していないからだと見られています。
実際のところ、ロータスグループのデザイン責任者ベン・ペイン氏によると、「現在のEV用バッテリーではクルマが重くなりすぎるため、ロータスのスポーツカーには適さない」。
加えて同氏は「現在の技術では、その製品を説得力のある形で再現することは実際には不可能である」とも述べ、より大型で背の高い車両(つまりSUV)を電気自動車にする方がはるかに簡単だと指摘しています(スポーツカーは、サイズと重量の制約があるため、その実現がはるかに難しい)。
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ロータスは(エヴァイヤを除くと)エレトレ、エメヤ、タイプ134、タイプ135といった順にてEVのリリースを行うこととなりますが、これは「大きい順」つまりより開発が容易な順番だとも考えてよく、そしてここから先の「小型SUV」「スポーツカー」の実現については「(2027年にタイプ135を発売することは可能だと捉えているが)非常に困難な仕事である」とも。
このタイプ135についてはロータスが開発した新しいEV専用プラットフォームを採用し、これはエミーラのプラットフォームよりも37%軽量だとされ、フロアとシート後方に66.4kWhから99.6kWhの容量のバッテリーパックを搭載可能。
ちなみにこのプラットフォームの構想が公開されたのは2021年ですが、今回の話を鑑みるに「現在のバッテリーは、当時(数年先にそうなるであろうと)予想していたレベルにない」のだと考えてよく、やはりEVを軽量に収めることは非常に難しいのかもしれません。※参考までに、エメヤの重量はおおよそ2,500kgもあり、ポルシェ・タイカンよりも250kgほど重い
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現時点で電動スポーツカーは「バッテリーサイズを小さくするより他はない」?
なお、直近でデビューが予定されるピュアエレクトリックスポーツカーとしては「ニョボルト(Nyobolt)」「ケーターハム・プロジェクトV」があり、これらのバッテリー容量は前者が35kWh、後者が55kWhと「かなり小型」です。
一回の満充電あたり航続距離としては前者が250km、後者が400kmとさほど長くはなく、現時点でエレクトリックスポーツに「満足のゆく運動性能をもたせようとなると」航続距離を犠牲にしてバッテリーサイズを小さく収めるより他はないのかもしれません。
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そしてこれらに前後してポルシェは718ケイマン / ボクスターの次世代モデルとしての「ピュアエレクトリックカー」を発売することとなりますが、ポルシェが「重量、パフォーマンス、実用性」につきどういった折り合いをつけるのかは興味のあるところですね。
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参照:Autocar