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トヨタとBMWはさらに提携を強める?BMWはトヨタから品質とコスト管理を、トヨタはBMWから高性能車やEVに関する技術を吸収でき、双方のメリットは非常に大きい。ランクルのBMW版も?

トヨタ・ランドクルーザー

| さらにトヨタとBMWとの提携は「両者の根幹に影響し」かつ「長期にわたってメリットが生じる」 |

この提携は自動車業界最大の利益を生み出す可能性があるとも見られている

さて、自動車業界にはいくつか興味深いコラボレーションが見られ、たとえば市販車というくくりでは「ポルシェとフォルクスワーゲン」「いすゞとロータス」「三菱とAMG」「マクラーレンとメルセデス・ベンツ」「トヨタとスバル」といった例が存在し、そして近年だと「トヨタとBMW」という国境を超えたパートナーシップが存在します。

この協力関係からは「BMW Z4」そして「GRスープラ」が誕生しており、ここで両者は(将来に渡る)一定のメリットを見出したとも伝えられていて、実際に水素分野に限るものの両者はさらに結びつきを強めているわけですね。

トヨタとBMWとの提携は自動車市場「非常に重要」なケースである

なお、このトヨタとBMWとのコラボレーションは非常に重要な意味を持つと見られており、「今後成功すれば自動車史を形作る可能性がある」とも。

参考までに、トヨタとBMWとは方針がよく似ており、ともに電動化を進めつつも「内燃機関の開発を継続する」というマルチパワートレーン戦略を採用しており、さらにはその一環として「水素」に強い興味を抱いています(水素に関しては、トヨタとBMWは実用化までこぎつけた数少ない自動車メーカーでもある)。

BMW
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よってトヨタとBMWとの協業は上にあげた他の例のように「ワンショット」「一時的」なものではなく継続的なものになると見られていて、今後両者はさらに関係性を深めてゆくと見られているわけですね。

ただ、これはすなわち「BMW Z4とGR スープラのような共同開発モデルが登場する」ということを意味するわけではなく、もっと「根本に関連する」成果が得られるであろうというのがもっぱらの見方です。

ちなみにトヨタは日産やホンダとは異なって他社との提携に意欲的で、かつてはテスラ、そしてその後はスバル、スズキ、マツダとも協力関係を構築し、「空飛ぶ」クルマを開発する会社(ジョビー・アソシエーション)、そして北米や欧州では「競合」関係にある韓国ヒョンデとも密接な関係を構築しています。

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ヒョンデ
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トヨタ、BMWはどういった成果を得られるのか?

そこでBMWがトヨタと提携することによって得られる利益について考えてみると、これは非常に多岐にわたります。

第一に、BMWは品質的に気まぐれな一面を持っていますが、トヨタは一貫した品質と耐久性で知られており、BMWとしてはトヨタの品質管理を学ぶことが可能。

さらにBMWは、トヨタが使用する一般的にコストが低く、信頼性が高く長持ちする部品を活用できる点でもメリットを得られ、完成したクルマ以前・以降に、「製品づくり」「アフターサービス」において大きな進歩を得ることができ、しかし完成した製品はそれぞれ個別のブランドから異なる価格帯の製品として販売されるので、トヨタとBMWとの利益が相反することはまずなさそう。

一方、トヨタとしては(ハイブリッドでは先行しつつも)出遅れているとされるEV分野に関する技術をBMWから吸収することができ、もしかすると「ノイエクラッセ」プラットフォームの使用によって「自社でEVを開発するよりもずっと早く、しかも競争力があるEVを発売できるのかもしれません。

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BMWが次世代の内燃機関車にも新型EV「ノイエクラッセ」と同じ内外装を採用するとコメント。「お客様は同じ外観で、しかし異なるパワートレーンをお選びいただけます」
BMWが次世代の内燃機関車にも新型EV「ノイエクラッセ」と同じ内外装を採用するとコメント。「お客様は同じ外観で、しかし異なるパワートレーンをお選びいただけます」

Image:BMW | つまりBMWは現在の「5シリーズ」「i5」等と同じ手法を次世代モデルでも採用することに | この方法はメルセデス・ベンツ、アルファロメオなどほかメーカーも採用する傾向にある さ ...

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そしてもう一つトヨタにとってもメリットがあるのはBMWの高性能部門「M社」のノウハウに触れることができるということで、これはモータースポーツでの存在感を強めようとするトヨタにとっては「ないよりも得難い成果」という可能性も。

こうやって見ると、トヨタとBMWの関係は”間違いなく”双方にとって非常に有益で、トヨタはスポーティさやラグジュアリーの面で教訓を得ることができ、BMWは信頼性の向上や部品・修理コストの削減を達成することができ、お互いのメリットを吸収し合うことで「素晴らしい製品を」作ることができる可能性を秘めていて、しかし両ブランドのポジションが異なるために利益が相反することもないのでは、と思われます。

参考までに、BMWはメルセデス・ベンツGクラスに対抗できるハードコアなオフローダーを必要としており、ランドクルーザーをベースにしたSUVを発売したいという意向を持っているとも伝えられ、ただしトヨタとしては生産能力に限りがあるため、生産を請け負うことはせず、かつノウハウを移転することもないのかもしれません。

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