| 現代ほど「方向性を決めにくい」時代はなく、「後出しジャンケン」が非常に有効である |
こういったときにこそ、日本企業の「慎重さ」が効果を発揮するのかも
さて、トヨタが「北米でEVを生産する計画を2025年から2026年に延期(延期する期間が決まっていないという報道もある)」「2030年までに北米で電動版レクサスSUVを製造する計画を中止した」との報道。
その理由は「EVに対する弱い需要」だとされ、まずトヨタがケンタッキー州の工場で最初に製造しようとしているEVは”3列シートのSUV”で、トヨタはサプライヤーに対し、現在bZ5xとして知られている新モデルのデザインを調整していると伝えたことが報じられています。
具体的な事実はまだわからない
Nikkei Asiaによると、トヨタの北米におけるEV生産計画は遅延しており、トヨタは当初の2025年から2026年中頃へと生産開始予定を変更するとされ、その理由は上述の通り「北米でのEV販売の成長が鈍化しているため」で、これによりトヨタはさらに慎重なアプローチを取ることに。
当初、トヨタはケンタッキー州の工場に13億ドルを投資済みで、ここで3列シートの電動SUV(bZ5x)を製造する予定であったものの、現在この計画が遅れており、そして同工場にて「レクサスの電動SUV」を北米で2020年までに製造する計画も中止されたもよう。※同時にスバルとトヨタとの共同開発によるEV計画も中止されたと報じられている
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代わりに「レクサスの電動SUV」は日本から輸入される可能性が高いとも見られますが、もし「輸入EVに高額な関税」が課せられたり、現在の「米国産EVに対する税制優遇措置」が継続されるとレクサスにとっては少し厳しい状況となるのかもしれません。
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なお、上述の通り、トヨタはサプライヤーに対して「EV(bZ5x)生産遅延の理由」を”3列シートのSUVに対するデザイン調整の必要性”だと伝えていますが、実際の理由についてはいまだわからず(これが本当なのかもしれないし、あるいは単にEV全体の動向を注視したいだけなのかもしれない)、しかし最近「2026年の全世界でのEV販売目標を、150万台から100万台に引き下げる」と発表したことからも、EVの需要が低迷している(あるいは中国製EVの世界進出)ことを強く認識していることは間違いないものと思われます。
この「bZ5x」は2021年12月に発表された大型SUVコンセプトからデザイン上のインスピレーションを得る予定であり、販売のメインとなる北米ではキアEV9やヒョンデ・アイオニック9と競合することになるものと考えられ、トヨタとしてはそれらライバル、そして今後登場するであろう各社のEV、そしてそれらに対する消費者の反応を見ながら「随時計画を修正してゆきたい」という意向なのかもしれませんね。
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