| フォードGTのガルフカラーがついに登場 |
フォードがついに「ガルフ・カラー」のフォードGTを発表。
これはルマンで優勝を飾った1968年から数えて50周年記念という位置付け(実際には1966-1969年まで4連覇)で、先に発表されたオプション「ヘリテージ・エディション」の新カラーとなります。
ブレーキキャリパーまでこだわりのオレンジ
今回発表されたフォードGTガルフ・ヘリテージ・エディションではAピラーがエクスポーズド・カーボン(カーボンむき出し)、そしてブレーキキャリパーはオレンジ、ミラーキャップはシルバー、ホイールはハイグロス仕上げの鍛造20インチアルミ(ホイールナットすらハイグロスブラックフィニッシュ)。
インテリアはエボニー(ブラック)アルカンターラが採用され、パネルやトリムはグロスブラック仕上げ。
シートやステアリングホイールのステッチには「ブルー」「オレンジ」が用いられており、これは非常にオシャレですね。
この「ガルフカラー」は2019年モデルからのオプションとして採用されるそうですが、2019年モデルだと「6」という数字の入ったホワイトサークル(ナンバー)を選択でき、2020年モデルではこれが「6」になる、とのこと。
なお、(初代)フォードGTはモータースポーツのために作られたクルマで、もっと突き詰めれば「ル・マンで勝つためだけに作られたクルマ」。
当時フォードはフェラーリを買収しようと考え、実際にはほぼ「合意」に至っていたものの、土壇場でエンツォ・フェラーリがこれをキャンセル。
怒ったフォードが「ル・マンでフェラーリを負かすことができるクルマ」を作るべく資金や人材、コネクションを総動員して作ったのが初代フォードGT。
実際、これによって1960-1965年まで続いたフェラーリの勝利をストップさせ、その後4連覇を成し遂げているので、フォードGTが「フォードにおけるモータースポーツイメージ」を牽引したのは間違いない、と言えます。
このあたりはハリウッドにて映画化されると報じられており、どうそのあたりの「いきさつ」が描かれるのか楽しみですね。
そういったこともあってか、最新のフォードGTについてもモータースポーツイメージを車両に投影させるのはごく自然な流れでもあり、過去にはフォードの役員しか選べない「フォードGT LM GTE」カラーも公開されています。
そしてこちらはチューナーによるもので、「実際には存在しなかった」マルティニカラーのフォードGTも。
生産や訴訟など、様々な問題が話題となるフォードGTですが、世界最高峰の性能やデザインを持つ一台であることは間違いなく、自動車史上にとっても重要な一台であることは間違いない、と考えています。
ガルフカラーとは?
「ガルフカラー」は1901年創業の石油会社「GULF」がフォードのルマン参戦にあたりスポンサーとして資金を提供し、その見返りとしてGT40にカンパニーカラーである「ブルーとオレンジ」を採用させたのがはじまり。
なお、フォードGT40に採用されたガルフカラーは、実際のカンパニーカラーのブルーよりも薄い色ですが、これについての経緯は不明。
↓こちらがガルフのカンパニーカラー採用ロゴ
参戦したチームのデザイナーがフォードGTに採用されるカラーを決定したのだと思われますが(その配色が今に至るまで伝説として残っているので、当時のデザイナーはいい仕事をしたと言える)、フォードGT40に採用されたブルーは「ゼニスブルー」、オレンジは「タンジェリン」という名称があり、決まった塗料の配合があるようですね。
これまでにもフォードのほか、マクラーレン、ポルシェ、アストンマーティン、アウディなどに協賛し、それぞれのメーカーの車を「ガルフカラー」に彩っており、なかにはこの「淡いブルー」が「ネイビー」へ、つまり逆に”濃く”なっているものも見られるのは興味深いですね。(ガルフジャパンのホームページにて、ガルフカラー採用のレーシングカーがいくつか紹介)。
※ガルフカラー、とひとくちに言っても、チームごとにブルーの配合は異なるのかもしれない