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アウディTT売却後に思うこと。「目的地にもっとも速く、安全にたどり着ける」本当にいいクルマだった

| アウディTTは本当にいいクルマだった |

ポルシェ718ケイマン購入のために売却してしまったアウディTT(8S)。
できれば手元に残しておきたかったほどですが、すでに駐車できる場所がなく、やむをえず手放すことに。

そして718ケイマンがやってきて少し経ち、そこで思うのが「やはりアウディTTはいいクルマだった」ということ。
もちろん718ケイマンも優れたクルマですが、両者の「いいクルマ」の方向性は異なっており、単純には比較できない、とも考えています。

ぼくは今でも「日常的に運転するのであれば、アウディTTは最強かつ最適と言ってもいい」と考えていて、ここで追悼の意も兼ね、アウディTTがどれだけいいクルマであったかを見てみましょう。

ぼくは生粋のアウディ党ではない

なお、ぼくはアウディというブランドに対してはそれほど思い入れはなく(社史や人物について、共感を抱けるような例がない)、しかしこれまでにTTを二台(8J、8S)所有。

クルマとしての出来は先代である8Jのほうが優れていたと認識していますが、心に残るのは8Sのほう。
というか8J TTはほぼ記憶に残っていないほどであるのに対し、8S TTはおそらく将来に渡ってもまず忘れることはないだろう、とも考えています。

なんでだろうな、と不思議に思うのですが、ぼくがTTについて高く評価していたところを記してみます。

4WD(クワトロ)の走破性

まず、もっとも優れていると感じたのは4WDシステム。
「クワトロ」と名はつけども、TTに採用されるのは横置きエンジン用の「ハルデックス」で、センターデフを持たないタイプではあるものの、その路面に「吸い付く」安定性はまさに驚異的。

どんな条件であっても、必ず目的地にたどり着けるという安心感があり、「一番安全に、そして一番早く目的位置まで行けるクルマ」はやっぱりアウディだろうな、と感じた次第。

インテリアの先進性

アウディはインテリアにも強いこだわりを持ち、とくに「バーチャルコクピット」は秀逸。
視線をそらさずに地図を確認できるのは想像以上に便利であり、他の車に乗ったとき、カーナビ画面を見るのに視線を移動させることが「危ない」と感じられるほど。

そしてその操作はステアリングホイール上でほぼ全て完結し、前だけ見てスタアリングホイールを握っていれば万事OKという操作性が良かった、と思います。

とにかくエアコンがよく効いた

エアコンが効くのはどのクルマでも当たり前だと思っていましたが、TTのエアコンは格別。
このエアコンは「デラックスエアコンディショナー」と呼ばれるもので、エアコン吹出口と表示部分、操作部が一体化。
操作性が良いことはもちろんですが、エアコン吹出口内部の「羽根」が微妙にツイストしていて、そのため風が車内にまんべんなく行き渡り、そのため冷房を強くしても体に直接冷風があたること無く、車内を均一に冷やすことが可能となっています。

こんなにすごいエアコンがあるのか、とエアコンを使用する度に驚かされたほどですが、とにかくTTのエアコンはスグレモノ。

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独特のスタイリング

TTは初代からデザインに傾注していて、それは三代目の8Sでも同じ。
ややアウディファミリーの一員としての共通アイデンティティが強く「TTらしさ」が失われているものの、その独特のスタイリングはまさに「クラスレス」で、何かと比較されることもなく、誰からも単純に「いいクルマですね」と言われたことが記憶に残ります。

とくにルーフからCピラーに至るラインは秀逸。

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細部にまで及ぶデザイン

TTがデザインオリエンテッドなのは上述のとおりですが、とにかく細かいところまでそれは及び、初代から続く「スポーツバイク風」給油口もそのひとつ。
8S TTでは初代同様に「アルミ製」となっていて質感が高く、給油の度に深い満足感を覚えたものです。

そのほか、インテリアのアルミパネルやトリム、シフトノブに施されたディンプル、前後ランプ内部の構造など。

いずれも細かいところではありますが、こういったことの積み重ねがクルマに愛着を持たせるのでしょうね。

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優れたライティング

アウディは昔からライティングにはこだわるメーカーですが、使用していて便利だったのが「マトリクスLEDヘッドライト(オプション)」。
実際に使用するまではなにが便利なのかわからなかったものの、いざ使ってみると高速道路の標識を識別して照らしてくれたり、歩道にいる歩行者を照らし出したり、と至極便利。

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コンパクトなボディサイズ、経済性

TTは幅こそ1840ミリありますが、全長は短く、かなりコンパクト。
そのために取り回しが楽で、どこへ行くにもまず気を使うことがないクルマです。

軽量なため燃費に優れ、所有期間は平均するとリッター12キロくらい。

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快適な乗り心地

これはアウディなのでまず間違いのないところ。
乗り心地は非常に快適で、誰を乗せても乗り心地で苦情が出ることはまず無いと思われます。
ただ、ややゴツゴツするところもあるので、オプションのマグネライド(アダプティブダンパー)が装着されていれば、というのは最後まで悔いていた部分でもありますね。

かつ、ステアリング、アクセルについてはナーバスな部分がなく、疲れているときなど「適当な操作」になってしまいがちなケースでもちゃんと走ってくれるという懐の深さがあった、と思います。

逆にポルシェのスポーツモデルはすべての操作に対して正確無比な反応を示しますが、体調が優れないときには「ちょっと神経質すぎる」と感じることがあるのも事実。

ぼくは以前に「ポルシェ718ケイマンはスーパースポーツバイク、アウディTTはビッグスクーター」と評したことがありますが、それはどちらが優れてどちらが劣るということではなく、それぞれの良さがある、ということです。

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ドライブモード

現代ではこれが備わるクルマが多くなっていますが、スイッチひとつでクルマの性格が変わるのはいいものだ、と思います。
毎日車に乗っていると、気分がいい時や落ち込んでいるとき、体調がいい時やそうでない時があるものの、そういった自分の状態にあわせてクルマの反応を変えることが出来る、というのは日常的に運転するクルマとしては非常に便利。

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これがあったならもっとTTはいいクルマだった

逆に、ここがこうだったらというところも合わせて記載。
どれも致命的なものではなく、しかしフェイスリフトモデルでは改善された部分もあって、TTも日々進歩しているんだなあ、と思います。

トランスミッション

アウディTTのトランスミッションは6速ツインクラッチ。
トランスミッションの動作やダイレクト感は申し分なく、しかし加速や燃費の面において「7速だったらなあ」と思うこともしばしば。
これが燃費に与える影響は大きいようで、TTSはTTに比べ高出力であるにもかかわらず、7速トランスミッションを積むために燃費に勝るようですね。

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ブレーキ

ブレーキについてはややなーバスなところがあり、低速だとちょっと「カックン」気味。
よって、パッドが磨り減ったら純正以外のブレーキパッドを試してみようと考えていたほどですが、結局はその機会もないまま売却することに。

高速域では容量不足を感じることもあり、このあたり「TTSを買えばよかった」とぼくに後悔させた部分でもあります。

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