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フォードの1月の販売に大きな異変。EVが11%減少しハイブリッドが43%伸び、ガソリン車が2.6%伸びる。やはり世界中どの自動車メーカーでもEV離れが鮮明に

フォードの1月の販売に大きな異変。EVが11%減少しハイブリッドが43%伸び、ガソリン車が2.6%伸びる。やはり世界中どの自動車メーカーでもEV離れが鮮明に
Ford

| およそ全世界にて「EVからハイブリッド」へのシフトが加速している |

それは中国においても変わらず、やはり彼の地でもハイブリッドが伸びている

さて、フォードが1月の販売実績を公開し、その内容が実に興味深いものとなっています。

その「興味深い点」とはEVの販売が減りハイブリッドの販売が大きく増加していることで、これは昨年末から鮮明になっている「EV離れ、ハイブリッド歓迎」ムードを証明する一つの事実なのかもしれません。

トヨタ
2024年の自動車販売予測では「ハイブリッド一人勝ち」。一方でEVの成長は鈍化し、多くの自動車メーカーがEVからHVへと開発対象をシフトさせる可能性も

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2024年1月、フォードの販売ではこういった変化が起きた

そこでフォードの1月における販売の「変化」を見てみると、まず全体の販売台数は152,617台を記録し、これは前年同月比で+4.3%。

しかしそのうちEVは昨年の5,247台から4,674台へと10.9%も減少していて、代わりにハイブリッドが7,816台から11,157台へと42.7%も増加しています。

フォードが「こっそり」そのエンブレムを変更。外周が二重線から一重へ、フォードの文字が大きく太く、そして文字はクロームからホワイトへ

ただ、注意を要するのは「EVとハイブリッド」、つまり電動化車両がフォードの販売台数の10%程度しか占めていないということで、90%を占める内燃機関(ガソリン/ディーゼルエンジン)搭載車の増加率は2.6%(133,293台から136,786台へ)。※ガソリン車の増加率は小さいが、母数が大きいので増加した台数は少なくない

これらの数字からはいくつかの傾向を見て取ることができ、ひとつは「未だに内燃機関搭載車を好むユーザーが多い」ということで、これらのユーザーをうまく電動化へと誘導できていないという可能性があること。

そしてもうひとつは「EVユーザーがハイブリッドへと乗り換えている可能性がある」、そして「EVに対する興味が全般に薄れている」ということ。

EVに対してユーザーの興味が薄れているという事実は目新しいものではありませんが、これは多くの自動車メーカーに共通する傾向でもあり、よって「自動車業界全体として、EVを選ぶ人が減っている」のかもしれません。

テスラ

なお、EVが選ばれなくなった理由としては複数の要因が考えられ、ひとつはその「価格」。

EVはガソリン車よりも高価な場合がほとんどで、しかし航続距離や充電エクスペリエンスはけして購入者そして購入予備軍を満足させるものではないのだとも考えられ、よってEVを選ばないというケースが増えているのかもしれません。

ただ、EVを経験しており「維持費の安さ」にメリットを見出している人、あるいは環境意識が高い人はガソリン車に戻ったり内燃機関搭載車を選ぼうとしない可能性も考えられ、そういった人々がハイブリッドに流れている可能性もありそうですね。

フォードでは今、こういった変化が起きている

そして今回の結果は「フォードが予期した通り」だとも考えられ、というのもフォードはすでにEVの需要低下を予測して(昨年12月に)F-150ライトニングの生産目標を半減させていて、F-150ライトニング生産ラインの労働者を再配置してガソリンエンジンを搭載するレンジャーとブロンコの生産に集中させているため(実際にはF-150 ライトニングの売上は0.3%減にとどまったものの、マスタング マッハ E の売上は50.7%も減少した)。

ちなみにガソリン車の販売でも「すべて好調」ではなく、たとえばFシリーズが11.5%減、増産を目論んだブロンコが27%減、レンジャーはなんと89.4%減。

一方で伸びたのはマーベリック(6,272台から12,443台へと98.4%増)、トランジット(40.1%増)、エッジとエスケープはそれぞれ49%と38.2%増加しており、エクスプローラーも20.6%という成績を収めています。

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