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テスラの受注残が劇的に減少し20万台を割り、同時に納車期間も大幅短縮。売れていないのか生産能力が向上したのか判断が分かれるところだが、おそらく「両方」だろう

2022/12/18

テスラ

| テスラの生産効力がアップしたのは間違いのない事実であり、あとは正式な納車台数の発表を待ちたいところだ |

さらにテスラはメキシコ、カナダに工場を建設するという報道も

さて、テスラの受注残が減り、納車待ち時間が大幅に減少しているとの報道。

これはテスラの受注残や生産台数を追っているツイッターアカウント、Troy Teslikeの投稿から明らかになったもので、ここ数ヶ月でどんどん受注残が減り、2022年11月30日時点の推定受注残はおよそ19万台だと報じており、10月末の28万5000台と比較すると、大幅に(約33%)減少しています。

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テスラの納車待ち期間は平均で44日にまで縮小

全体の受注残をテスラの平均的な生産能力で割ってみると現在の納車待ち期間は「44日」となっており、9月28日時点の78日、10月6日時点の70日に比較してもかなり短くなっていることがわかります。

そして市場別にこの変化を見てみると、最も大きく受注残が解消されたのは米国で、これは2ヶ月で10万台ほど台数が減って直近だと6万台に。

これについては、テスラがカリフォルニアのフリーモント工場そしてテキサスのギガファクトリーにおける生産能力を向上させたことによって「たくさんクルマを作れるようになった」ことを意味している可能性もありますが、一方では12月にインセンティブを追加して受注を加速させているので、受注そのものが減っていると考えることもできるかもしれません。

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中国市場については1ヶ月ほど前と変わらずに14日で推移しており、これはほぼ在庫がないということを意味していますが、こちらについては「受注の減少(中国では一部値下げを行っているので受注が減っているのは間違いない)」、そして上海ギガファクトリーの生産能力向上両方の可能性が考えられ、ただし納車台数がわからない今となってはなんとも判断が難しいところ。

テスラ・モデルY
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なお、アメリカでは年明けから導入される新しい連邦税額控除(バージョンにより最大7,500ドル)をアテにして買い控えが起きているとも言われており、この推測が正しければ2023年1月1日から米国でのテスラの売上が改善されるかもしれません。

いずれにせよ、年明けに行われるであろうテスラからの報告を待ちたいところですね。

テスラはメキシコにも工場を建設予定

そしてテスラはさらに全世界規模での生産能力を向上させるためにメキシコにもギガファクトリーを建設すると報道されていて、メキシコのメディアによれば2023年初頭にその計画を公表する可能性がある、とのこと。

工場に関する詳細は限られているものの、かなり以前から計画されていたと伝えられており、この工場は国境のヌエボ・レオン州に置かれる予定で、すでに起亜自動車とゼネラルモーターズが運営している拠点の近くに位置するのだそう。

テスラはモンテレイ近郊の土地を選択し、イーロン・マスクCEOと州政府は工場の「最終的な詳細」を微調整している段階だとされ、土地はすでに取得されているものの、土地売却の詳細は公文書では見つかっていないという報道もあり、現段階ではまだ(メキシコへのギガファクトリー建設は)確定だとは考えないほうがいいのかもしれません。

テスラ・モデルY

ただ、イーロン・マスクCEOは、ここ半年ほどメキシコでの工場設立に取り組んでおり、この10月にはヌエボ・レオン州のマリアナ・ロドリゲス大統領夫人と並んで写真を撮り、サミュエル・ガルシア知事や地元の経済開発関係者とも会談しています。

さらに4月にはガルシアがテキサス州オースティンのテスラ工場を訪れ、メキシコと米国を結ぶコロンビア国境の橋の検問所にテスラサプライヤーの専用レーンを設置する合意を固めたとも報じられ、こういった流れを見るとまずメキシコに工場を建設するのは「時間の問題」なのでしょうね。

ちなみにテスラはインドへと工場を建設する計画を持っていたものの、こちらはすでにインド政府との交渉が失敗に終わり計画が撤回されたという報道も見られ、しかしテスラが目標とする「2000万台」の生産を行うためにはあといくつかのギガファクトリーを建設する必要があり、さらなる続報に期待したいところですね。

テスラ
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参照:Troy Teslike, Milenio

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