
| ボクの資産もフェラーリ296GTS一台分ぐらい吹き飛んだ |
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ただし現在の状況はテスラのみではなく、すべての自動車メーカーにとって「逆風」となっている
さて、今年はじめての取引となった3日のニューヨーク証券市場にてテスラ株が暴落して1日で500億ドル近くが消失し、この額はなんと「フォード1社ぶん」に相当するのだそう。
この要因としては「需要低迷」「納入台数が予想を下回った」ことだとされていますが、これにあわせて証券会社4社がテスラの目標株価ならびに業績予想を引き下げたと報じられており、ここからしばらくはテスラにとって厳しい曲面が続きそうです。
なお、3日の(テスラ株の)値下がり率はS&P総合500種の銘柄中では最も大きく、さらにツイッターの買収以降からだと約3700億円もの時価総額を喪失することに。
今後のテスラはどうなる?
なお、短期的に見るとテスラにとって明るい材料はなく、まず問題となっているのは「需要が下がっているのではないか」ということ。
これについてはテスラの在庫が過去に例を見ないほどのペースで減少しているという報道からわかるとおりではありますが、向上した生産ペースに受注が比例していない可能性が高く、となると大きな投資を続けてきた工場設備が今後業績上の負担となる可能性も出てきます。

ただ、この需要低迷についてはテスラに限ったことではなく、他の自動車メーカーとて同じことなのですが、テスラの場合はこれまでに「株価が割高すぎる」と評されてきたぶん、その割高さを調整するという意味合いにおいて、ほか自動車メーカーより大きく下がっているという理解が成り立ちます。
加えてテスラはここ最近、メイン市場である中国や米国にて割引や各種キャンペーンを展開しており、これもまた「売れていない」という予測をいっそう現実味のあるものに。
なお、2022年第4四半期の納入台数はアナリスト予測の431,117台に届かず405,278台にとどまり、通年でもテスラの掲げていた「50%増」には達せず「40%増」にとどまったことも今回の株価暴落の要因として指摘されています。
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さらにはツイッターの買収、そしてツイッター社の運営に時間を割かれテスラの経営に注力できないのではという指摘も多く、これもまたテスラにとっては懸念材料の一つであり、そしてツイッター社の運営を任せることができる後任探しが難航していると報じられていることからも、この問題は当面解決しそうにありません。
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ここからはいくつかの明るい材料も出てくるが
反面、ここからいくつかの明るい材料も出てきており、まずひとつは2023年にサイバートラックの生産と納入が始まることで、これはセミの納車開始とともに大きく利益の改善に貢献しそう(ただ、どの次期に生産がなされるのかによっても貢献度は変わってくる)。

そして4680バッテリーの導入によって価格性能比が上昇してライバルに対する競争力の向上が期待できること、そして生産工程の効率化によって利益率の向上が見込めること。
さらにはモデル3の物理的アップデート、2万5000ドルの「モデル2(仮称)」の発表などの話題が控えており、これらによる納入台数増加を期待したいところですね。
一方、テスラのみではなく自動車業界全体を取り巻く環境はあまりよろしくはなく、アメリカでは「不況に突入する可能性」が指摘され、欧州では地政学的リスクによって需要と生産が大きく落ち込むだろうという味方もあり、これらについては今のところ改善の見通しがなく、場合によってはテスラも「生産調整」を行わねばならなくなるかもしれません。
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参照:Reuters