米コンシューマーレポートが評価する「もっとも信頼性の高いEV」はテスラ・モデル3と日産リーフ！やはり先行者にはそれだけのアドバンテージがあるようだ

｜　既存自動車メーカーはこれら二社が長い時間をかけ解決してきた問題へとこれから直面　｜

ただし、既存自動車メーカーが「追いつく」のは時間の問題でもあるだろう

さて、米国の消費市場で大きな影響力を持つのが「コンシューマー・レポート」。

これは第三者機関による試買レポートとなりますが、ここで「オススメ」となった製品は販売を伸ばし、「買ってはいけない」となった製品は全く売れなくなることも。

ちなみに現在スズキの4輪車はアメリカ市場から撤退しているのですが、この撤退のきっかけがこのコンシューマーレポートによって（ジムニーが）酷評されたことだったとも言われます。

最も信頼できるEVはキアEV6、次はテスラ・モデル3、そして日産リーフ

今回、コンシューマーレポートが発表した「もっとも信頼性の高いEV」という調査結果を見てみると、栄えある1位はなんとキアEV6。

これは大人気のヒョンデ・アイオニック5の兄弟車であり、しかし最上位の「GT」グレードでは0-100km/h加速3秒台（前半）を誇り、ランボルギーニ・アヴェンタドールとも互角に戦えることも立証されている電気自動車です。

ただ、コンシューマーレポートとしては、このキアEV6については「発売間もない」ことからまだ問題の報告例が少ないことを挙げており、発売されて数年が経過する他のライバルに比較して公平な評価ができないこと、長期的に見ると今後どうなるかはわからないという見解も述べています（キアは長年、品質評価ではほぼ最下位に近かった。今はずいぶん向上したけれど）。

そしてキアEV6の次に信頼性評価が高かったのがテスラ・モデル3（事実上の1位と言っていい）。

テスラのクルマはなんだかんだと品質についての指摘を受けることが多いものの、実際にはかなり顧客満足度が高く、過去には「また買うかどうか」という調査において、「また同じクルマを買う」と答えた比率がもっとも高かったブランドとしても知られます（直近の調査では、テスラが調査結果の公表を許可していないので、調査結果には含まれていない）。

日産リーフはもはや「アイコン」の域に

そして3位は日産リーフとなっていますが、リーフは元祖EVのひとつであり、しかも現在も「生き残っている」数少ないEVのひとつ。

大きくヒットを飛ばすことはないものの、コンスタントに販売を重ねており、トヨタ・プリウスがハイブリッドにおけるアイコンとなったように、リーフもまたEVにおけるアイコンだと言っていいかもしれません。

コンシューマーレポートによれば、「少なくとも、我々の広範な調査データに基づくならば、テスラ・モデル3と日産リーフには、バッテリー、電気モーター、充電に関する問題はほとんどない」。

この理由として、コンシューマー・レポートは、テスラと日産とが比較的長期にわたってEVを製造しており、EV特有の問題をほぼ網羅し解決していることを指摘していますが、逆に「100年前から自動車を作っている既存の大手自動車メーカー」がEVならではの問題をまだ克服できていないとも述べ、実際にフォード・マスタング・マッハEはコンシューマーレポートの「オススメ」リストから外れることに。

つまり既存自動車メーカーは「ガソリン車において、いかに品質の高いクルマを作っていたとしても、EVにもそれが当てはまるとは限らない」という事実が明らかになっており、この大きな転換期において、テスラや日産が経験し、十分な時間をかけて解決してきた多くの問題に今後ぶつかってゆくであろうことが想像できます。

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参照：Consumer Reports