>テスラ(TESLA) ■駄文(日々考えること)

これからどうなるテスラ?ボクは今後EV市場において「中国車の衰退」「充電サービス業者の撤退」によってテスラに再注目が集まると考えている

テスラ

| おそらくここからの数年はジェットコースターのように状況が目まぐるしく入れ替わるだろう |

そして短期的にテスラが苦境に陥ることは間違いない

さて、現在EVを取り巻く市場は予想外の「停滞」に見舞われていますが、その最大の理由は「価格」「実用性」の2つであると思われます。

今までであれば、「環境のため」ということで、お金持ちそしてアーリーアダプターがこぞって(価格の高さや実用性の低さを飲み込んで)EVを購入していたものの、需要が一巡した後は一般の人がそれらを許容できずに普及が進んでいない状況であると考えられます。

テスラ
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これからテスラの株価はどうなるのか

現在まだまだEVは高価な乗り物で、たとえばフィアット500のEV版である「500E」の価格は553万円と”非常に”高価な(ちょうどガソリンモデルの倍)という価格設定を持っていて、この価格の小型車、そしてガソリン車に比較して航続距離が短く、(人と場合によっては)「給油」よりも手間のかかる充電を行う必要があるクルマを購入することは、インフレによる物価高に苦しむ一般の人々にとって「贅沢品よりも高価」な製品であると考えることができると思います。※フィアット500Eがどうこうというのではなく、これは一つの例であり、EV全体的に同様の傾向があるということを言いたい

そこでここからはテスラに焦点を当て、テスラの今後について考えてみたいと思いますが、それは単にぼくがテスラの株式をけっこうな量をもって保有しているからで、ぼく自身が「非常に気になるところ」でもあるためです。

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1.中国製EVは今後勢いを失う

そこでまず1つめにぼくが考えているのは「中国車は今後勢いを失うであろう」ということ。

これにはいくつかの理由がりますが、大きなものとして安全上の懸念がクローズアップされることになるであろうと考えていて、主には中国製のバッテリー、そしてそのマネジメントシステムに起因した火災が(中国製EVの納車台数が増えるとともに)多数報じられるようになり、これが理由で中国車の世界進出に歯止めがかかると考えています。

価格が安いために一気に普及したものの、安全性や性能に不満が生じて人気がなくなった中国製品の例がいくつかあり、少し事情は異なるものの、台湾では地元自動車メーカー「ユーロン」のクルマが安価だということで一気に販売を伸ばしたことがあり、しかし安全や品質面での懸念が目立つようになって1−2年で販売が失速し、結果的に(もともと人気があり、しかしユーロンに取って代わられた)日本車が復権したという例も。

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こういった状況により、テスラが「再注目」を集める可能性があると考えていて、それは「中国製スマホが一気に普及しアップル(iPhone)がその存在感を失ったものの、中国市場においてiphoneがシェア首位に返り咲いた」という状況の復唱になるんじゃないかと考えています。

加えて、中国製EVのほとんどは(中国製スマートフォンの多くがアップル製品のコピーであるように)テスラと同じ考え方にて作られており、つまりこれらは「オリジナルを超える価値観を提案することができず」、時間の経過とともに、先行者であるテスラに消費者が回帰する可能性があると見ているわけですね。

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そしてこれに加え、トランプ大統領が当選すれば中国製EVに対して関税を課すであろうと考えており、これにEUが追随する可能性も大きそう(バイデン政権では中国との摩擦を避けるため、関税ではなく、アメリカ製EVを優遇することで同様の効果をもたらしているが、トランプ政権ではそういったまどろっこしいことをしないだろう)。

これによっても中国製EVの販売が失速することが想像でき、しかしテスラの場合は中国以外にもベルリン、アメリカに工場を持っているため、仮にアメリカと欧州が「中国車に対する関税」を導入したとしても問題はないわけですね。

テスラ
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2.EVはアーリーマジョリティから先に進まないだろう

EVの普及について「壁」があることについては述べましたが、この壁は簡単に取り除けるものではなく、よって短期的どころか中期的に見てもEVの普及が進むとは考えられず、おそらくは豊田章男会長の言う通り、「30%くらいまでしか普及しないだろう」という印象。

トヨタ
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そして30%となると市場規模は大きくなく(反面競合は多く勝算が低い)、よってここから撤退する自動車メーカーも出てくるかと思います。

EV市場はかつてブルーオーシャンであったものの、テスラが開いた扉から多くのフォロワーがなだれ込み、これによって即座にレッドオーシャンとなっていますが、徐々に淘汰が進み、かつ自主的に撤退するメーカーが出てくることで市場が正常化する可能性があるかもしれません。

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EV
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なお、ここでもう一つ考えられるのが「充電事業者の撤退」。

現在欧米には多くの(EV向け)充電サービス提供会社が存在しますが、EVが思ったほど普及しないとなると、これらがその事業から引き上げる可能性が出てくるものと考えられ、そこで想定されるのが「(テスラの)スーパーチャージャーの市場制圧」。

すでに北米ではステランティス以外の自動車会社がテスラのスーパーチャージャー規格を採用しているという状況ですが、これがさらに進んで「いずれの自動車メーカーもテスラの充電ネットワークに依存する」ようになるんじゃないかと推測しています。

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おおよそぼくは上記の通りの考え方を持っていて(ほかにも色々あるが、ここですべてを説明できない)、「短期的にテスラは苦しむだろうが、中長期的には市場の覇権を握る」と考えています。

よってテスラ株については下がった場面があれば積極的に拾って行き、中長期的な値上がりに期待する、というのが基本姿勢です。

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