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イーロン・マスクCEO「中国から迫ってくる新興EVメーカーの波に備えるべく障壁を設けねば、欧米の自動車メーカーはこの波に飲まれほとんどが消滅する」

テスラ

| 実際のところ、家電や電子機器はじめ、多くの分野では中国企業に「飲まれ」多くの既存メーカーが淘汰されている |

おそらくテスラはこの戦争の「最前線」に立たされている

さて、2023年には正式に「モデルYが(あらゆるパワートレーンを含め)世界で最も売れたクルマ」となったテスラ。

これまでにも数々の偉業を達成し昨年にはBYDよりも多い180万台のEVを販売していますが、イーロン・マスクCEOは2024年の見通しについては「明るくない」と述べ、成長計画に対して大きな遅れが出るだろう、と述べています。

これまで「強気発言」が目立ったイーロン・マスクも弱気に転じる

なお、イーロン・マスクCEOは慎重かつ悲観的な一面があるものの、一方では強気な発言も目立っており、しかしここ最近だと中国勢に押されているためか”弱気な”面がやや目立つことも少なくないもよう。

テスラ
テスラの業績が予想を下回り営業利益が半分に。株価は12%下落、しかし現時点ではここからの回復は難しく暗黒時代に突入か

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直近の発言であれば、先週水曜日の決算会見にて「極東(中国)から来る電気自動車の新たな波に備える貿易障壁を設けない限り、中国の自動車メーカーは世界的な既存自動車メーカーを打ち破るだろう」と述べるなど、中国のEVブランドがもたらす脅威について言葉を詰まらせることはなかったといいます。

BYDが自動車史上はじめて「600万台のEVを販売したメーカー」に。まさかこの最初のマイルストーンを達成したのが中国の自動車メーカーになろうとは
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同氏は2011年あたりではBYD含む中国の自動車メーカーを笑い飛ばすことがあったものの、数年前からは「次世代のEVリーダーは中国から誕生する」「中国のEVメーカーは非常に優れている」「アメリカ人は会社から家に帰ることばかりを考えているが、中国の自動車メーカーのエンジニアは家に帰りたがらず研究に没頭している」といった発言を行っており、折に触れてその脅威について語っているわけですね。

テスラ
テスラは12年前、BYDがライバルになるかと聞かれ、その場で「笑い飛ばしていた」。そして今、BYDがテスラを抜くという歴史的瞬間が記録される可能性も

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これはやはり、中国に工場を建設し、現地のサプライヤーから材料やパーツを仕入れ、現地の人を雇い、現地でEVを販売しているテスラだからこそ、そしてそれらを合弁相手無しで「自社で」行っているからこそ肌で感じることなのだと思われます。

テスラの生産速度は世界最速?ギガ上海ではフォードの「49秒」を上回る「1台あたり40秒」で生産がなされている。充実した食堂はじめ、その工場内を見てみよう
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このままでは中国の勢いを止めることはできない

イーロン・マスクCEOのこの発言は、BYDが2023年の最終四半期にテスラを抜いてEV販売台数世界トップの座に就いた直後に発せられたもので、テスラは年間を通じて積極的に価格を引き下げ、利益を犠牲にして販売量を追い求めてきたものの、「その苦労虚しく」BYDに抜かれたことが大きなショックであったのかもしれません。

ただ、テスラは「まだマシ」なほうだとも言われていて、というのも中国の新興EVメーカーの進出に押されて利益を出せない既存自動車メーカーも多く存在し、そのために方針転換を迫られるケースも報じられています。

メルセデス・ベンツ
中国EVメーカーの急激な成長に欧州自動車メーカーも戦略変更を迫られる。VWは「さらにEV強化」、メルセデスは「ガソリン車生産を再考」

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そして実際に中国は2023年に日本を追い抜き世界最大の自動車輸出国となっており、ここ最近の成長を見るにこの勢いが衰えるとは思えず、そして家電や衣類、そのほか様々な製品同様、自動車もまた「メイド・イン・チャイナ」がデフォルトとなってしまう可能性も否定できず、今後数年で自動車業界の大きなトレンドが変わってしまうこともう予想され、イーロン・マスクCEOの言う通り、なんらかの障壁を設けないと既存自動車メーカーが淘汰の波に飲まれてしまうことも「現実として」理解できる状況にまで迫っているというのが今の状況なのだと思われます。

BYD
中国車の輸出台数が日本を上回り「世界最大の自動車輸出国」となったことが明らかに。国内市場も成長し最も多くの台数を販売したのはBYD

| もはやこの勢いはどうやっても止めることができない | 日米欧の自動車メーカーは中国内のシェアを失うばかりか中国以外での市場を奪われることになりかねない さて、中国が2023年に526万台の自動車を ...

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ただ、テスラとしても手をこまねいているわけではなく、中国市場ではまもなくアップデート版のモデルYが投入されると言われ、さらには2025年に「レッドウッド」と呼ばれる新型EVの製造を開始するとも報じられており、今後の巻き返しに期待したいところですね。

テスラ
テスラの5番目のニューモデル、「25,000ドルの」格安EVプロジェクト名はレッドウッド?2025年6月から生産に移されるとのウワサ

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