| テスラは2024年を乗り切るに際し「このまま手をこまねくわけにはゆかない」 |
おそらく2024年はテスラにとってこの数年でもっとも厳しい年になりそうだ
さて、テスラが「人員削減を検討しているのでは」との報道。
この話題が出てきた理由は「テスラが毎年実施している、従業員の5段階による評価を行わず、今年はただ単に”どの従業員の役割が重要であるか”という調査を各部署のマネージャーに対して行った」と報じられたことから。
これによってテスラが「重要ではない人物を解雇しようと考えているのでは」という憶測が流れたわけですが、現時点ではテスラから公的になんらかのアナウンスがなされたわけではなく、あくまでも憶測にとどまっています。
その他にもテスラの人員削減を予想させる材料も
ただ、この憶測を裏付ける材料もいくつか存在し、そのうちのひとつは「イーロン・マスクCEOが、現在の状況を”不確実”だと認識していること」。
これは先日明確に発言がなされており、イーロン・マスクCEOは「この不確実な状況の中、全速力で先に進むのは賢明ではない」という旨のコメントを残しています。
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御存知の通りテスラは急成長を遂げており、そのため2020年以降に従業員の数が約二倍となり全世界では14万人を抱えていると言われ、「確実に成長が鈍化するであろう」2024年を乗り切るために「あらゆるコスト削減策を検討する必要に迫られている」とも。
実際のところ、テスラのヴァイバブ・タネジャ最高財務責任者(CFO)は先月末の講演にて「テスラは積極的にコスト削減に努めている」と述べており、「コスト削減のための強力なチームを持っている」ことについても言及済み。
加えてイーロン・マスクCEOも「モデル3とモデルYの発売と、多くの人がモデル2と呼ぶであろう低価格モデルの発売との間という”2つの大きな成長の波の間”にあると認め、同社が成長から一息つく段階にあることも認めています。
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テスラはもはや「効率のいい会社ではない」?
そしてちょっと驚かされるのが「テスラはもはや効率のいい会社」ではないということ。
例を挙げてみると、テスラ、フォード、GMが発表した財務報告書によれば、テスラの売上は970億ドルそして従業員数は14万人なので「一人あたりの売上は69万ドル」、一方で163,000人の従業員を抱えるGMだと一人あたりの売上は100万ドル、従業員173,000人のフォードでは937,000ドルという結果に。
さらに2024年はテスラの販売が大きく減速する可能性が高く(テスラのみではなくEV市場そのものがシュリンクすると見られる)、しかしGMやフォードはまだガソリン車とハイブリッドの販売比率が高いため、2024年の販売が大きく落ち込むことはないものと思われ、これらの数字はテスラにとってさらに不利なものへと転じるのかもしれません。
こういった状況を鑑みるにテスラが「従業員を削減する」可能性は非常に高く、しかし現在でもテスラのウエブサイトでは「数百もの」職種が募集されており、なんとも判断がつかない状況となっています。
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