>テスラ(TESLA)

まるで「テスラの墓場」?閉鎖された米ショッピングモールに大量のテスラ(新車)が駐車される様子が報じられる。生産がついに需要を上回り始めた予兆か【動画】

まるで「テスラの墓場」?閉鎖された米ショッピングモールに大量のテスラ(新車)が駐車される様子が報じられる。生産がついに需要を上回り始めた予兆か【動画】

| テスラの「余剰生産」は時間の経過とともに多くなり、人員削減や労働時間短縮がその厳しさを裏付ける |

ただし正確な状況については(テスラの部外者では)誰も把握することはできていない

さて、セントルイス郊外の閉鎖されたショッピングモールに数百台のテスラ車が駐車されており、地域住民らは「一体そこで何をしているのか」と疑問を抱いているという報道。

さらには住人のみではなくXユーザーも敷地内に大量のEVが放置されていることに注目していて、一部では「テスラは需要問題に悩まされているのではないか」というウワサまでもが出ており、今回地元の報道局が調査を行い、その状況を明らかにしています。

ショッピングモールには400台ものテスラが駐車

最初の報告によれば、旧チェスターフィールド モールの敷地には400台以上のテスラ車が駐車されており、この駐車車両の中には58台のサイバートラックが含まれている、とのこと。

そしてここから地元報道局がテスラに対して取材を行ったところ、ここから5マイルほど離れたところにテスラのサービスセンターがあり、これら数百台のテスラは「サービスセンターから納車される新車のオーバーフロー」。

どういうことかというと、納車のために整備を行う必要があるものの、テスラのサービスセンターにはその数百台を駐車するスペースがなく、よって該当サービスセンターを運営するスタンバーグ・グループの上級副社長、ティム・ロウ氏によれば「我々のサービスセンターには、テスラが持ち込むすべてのクルマを駐車するのに十分な容量がありません。よって、このショッピングモールの一角にスペースを借りているんですね」。

1

ちなみにこのサービスセンターには135台分の収容能力しかなく、よってティム・ロウ氏の回答にも納得ではありますが、それだけでは疑念が解決せず、というのも「ここ最近(数週間)になって急激にクルマの数が急増している」から。

そこでさらに報道局が取材と調査を行ったところ、今回はサービスセンターの経営者ではなく従業員が「増え続ける在庫に対応でするため(ショッピングモールの駐車スペースを借りている)」と回答しており、ここから推測できるのは「テスラが需要以上のクルマを(大量に)生産し、その保管場所に困っている」ということ。

このアメリカでのニュースのほか、ドイツからの最近のニュースによると、ドイツの地方空港が数千台の(テスラの)新車の保管施設に変わったというものがあり、これが本当であれば、テスラはかなり深刻な需要問題に、かつ世界中で直面していることを示している可能性があるのかもしれません。

テスラの生産能力は需要を上回りつつある

テスラは昨年夏に北米での在庫システムを刷新し、重複した「ダミー」VIN をウェブサイトから削除できるようにしたため、テスラが現在どれだけの車両を在庫しているかを外部の組織あるいは人物が推測することは困難となっており、しかし推測値だと現在の北米の在庫は2024年第1四半期と比較してわずかに増加している (約3.8%) と推定されています。

そしてこういった「需要低迷による生産過剰説」を裏付けるのが「(サイバートラックとモデルYが生産されている)テキサス州オースティンの生産施設で工場労働者を含む従業員の10%以上を削減したこと」「サイバートラックの組み立てに従事する従業員に対し、シフトを短縮し生産時間の約10%を削減すると伝えたこと」。

テスラ
テスラが中国、北米、欧州、その他の地域でも相次ぎ大幅値下げ。テスラは今どういった状況に置かれ、この状況を打開するには何をすべきなのか

| 現在の状況はテスラはじめ多くのEVにとってあまりに厳しい | ただしテスラにはまだまだ「やっていないこと、できること、やるべきこと」が残されている さて、ここ数日でテスラの「値下げ」が報じられてい ...

続きを見る

テスラは22024年第1四半期、総生産台数の約10.7%に相当する4万6561台を過剰に生産したことが明らかになっており、 しかし2023年通年だとわずか約2%の超過生産に留まっているため、2024年には「いよいよ生産が需要を大きく上回ってきた」可能性が考えられます。

テスラ
テスラの状況は思ったよりも悪い?4.6万台の余剰在庫を処分するため大幅値引きを開始、アナリストは目標株価を115ドルに引き下げ「これからは資金を失い続ける」

| 実際の状況はテスラにしか把握できないものと思われるが | 報じられる内容はいずれも暗い未来を予感させるものばかりである さて、先日は「納入台数が8.5%減少した」と発表したテスラ。ただし実際には納 ...

続きを見る

実際のところ、イーロン・マスクCEOは「2024年の成長率が著しく低下する可能性がある」と投資家に警告しており、来たるべき大惨事に備えるための予告を行っていますが、その後の人員削減に関する追加の報道、スーパーチャージャーの展開を遅らせるというニュースと相まって、状況は「予想よりも遥かに深刻」である可能性もあり、このチェスターフィールド・モールに保管されている「在庫車」はさらに増え続けることになるのかもしれません。

合わせて読みたい、テスラ関連投稿

テスラ
テスラが「EV製造コストを大きく下げることが可能となるはずだった」新世代ギガキャストから撤退したとの報道。テスラは支出を切り詰めるという「安全な賭け」に

| 短期的に見ると「がっかり」材料ではあるが、この状況で過剰な投資を抑えるのは中長期的に見ると賢明な判断であると考える | こういったスピード感のある経営も「テスラならでは」 さて、テスラは少し前に「 ...

続きを見る

テスラ
テスラからさらに上級管理職が去ったとの報道。人材の解雇・流出が止まらぬテスラ、その理由を向かう先を考える

| イーロン・マスクCEOはおそらく「自分の思い描く未来」を実現するため、それに賛同しない人間を容赦なく切り捨てているのだろう | そしてそれを理解できない人間、役割を終えた人間も同様である さて、こ ...

続きを見る

テスラが世界で初めて「EVのみで累計600万台の生産」を達成。ただしその生産ペースはスローダウン、ここからは「茨の道」となるのかも
テスラが世界で初めて「EV累計600万台の生産」を達成。ただしその生産ペースはスローダウン、ここからは「茨の道」となるのかも。すでに株価は今年に入り1/3下落

| 世界中の新興EVメーカーがテスラを狙い撃ち、そしてEV市場は供給過多のうえ需要低迷 | さらにテスラの「反対勢力」の拡大、実力行使が多々報じられる さて、テスラが「累計生産が600万台に達した」と ...

続きを見る

参照:InsideEVs

この記事が気に入ったら
いいね ! しよう

->テスラ(TESLA)
-, , , ,