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消費者が「また同じブランドを買う」確率の調査結果が公開。プレミアムカーだとポルシェ、プレミアムSUVだとBMW、大衆車だとトヨタ、大衆SUVもトヨタがトップという結果に

2022/10/11

トヨタ・クラウン

| レクサスは「また買う」比率が減ったが、逆にトヨタブランドでは数値が上昇 |

スバルもその数字が減少し、その優位性を失いつつある

さて、調査会社JDパワーがアメリカ市場におけるブランド・ロイヤルティ(そのブランドへの忠誠心)を集計した調査結果を発表。

この忠誠心の度合いは、クルマを買い換える際に「また同じブランドのクルマを買うかどうか」によって測られており、「プレミアムカー」、「プレミアムSUV」、「大衆車」、「大衆SUV」、「トラック」というの5つのセグメントにおける調査がなされています。

JDパワーによる「ブランドロイヤルティ」はこんな結果となっている

そこで今回の結果を見てみると、まずプレミアムカー部門では、ポルシェがロイヤルティ率57.4%でトップ、そして2位はジェネシスの54.6%。

プレミアムSUVだと1位はBMWの58.6%、2位はレクサスの56.4%。

大衆車部門だとトヨタが62.2%でトップ、2位はキアの54.1%。

大衆SUVでは、トヨタが63.6%でトップ、ついで2位はスバルの62.6%。

トラックだと、フォードが63.8%と最も高いロイヤリティを獲得し、2位はトヨタの58.7%。

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そこで気になるのが「どういった条件が揃えば」また同じブランドを買うのかということですが、これには様々な要素があるものと思われ、「魅力的な(買い替え対象の)商品があるから」「サービスがいいから」「下取りや売却価格が高いから」「乗っていてそれがいいクルマだったから」「維持にお金がかからないから」といったところかもしれません。

ただ、これらの要素の他にも「同じブランドの買い替えであれば、下取り価格(査定額)をアップする」等のサービスが得られるからという理由もありそうですね(その意味では、マツダ地獄は似たような、いや似ていないような)。

なお、これまでレクサスはプレミアムカー部門でトップをキープしてきたものの、1位、そして2位も獲得できず、プレミアムSUV部門ではBMWに首位を譲り渡しており、つまりは上述の要素において他社に見劣りするようになった、とも考えられます(ラインアップを見ていればなんとなくわかるような気がする)。

どのメーカーも他社からの顧客を取り込むのに躍起に

そしてこれら数字を見ると、「けっこう同じブランドへと買い換える人が多い」ということもわかり(自分の身の回りを見渡してみると、たしかに同じブランドのクルマばかりを購入している例は少なくない)、そのため各自動車メーカーとも新規客を呼び込むのに積極的といった印象を受け、具体的には「競合ブランドからの乗り換えであれば下取り額アップ」といったキャンペーンや、「新規客限定の試乗イベントや展示会の開催」などですね。

ちあみにですが、最近話題となったのは、フォードの発売した新型ピックアップトラック「マーヴェリック」。

これは購入者の60%がフォード車以外からの乗り換えだといい、そしてトラック部門の「ロイヤルティ」においてフォードはダントツの1位なので(この数値はこの調査開始以来最高の数字らしい)、マーヴェリックにてフォードに入ってきた客を逃さずにフォードへと買い換えさせることによって継続して利益を獲得できる可能性もあるわけですね。※その意味では、マーヴェリックの持つ意味は非常に大きい

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ただしここ数年内にはこの調査にも異変が起こると言われており、それは「EVへのシフト」。

つまり、まだEVを発売しているブランドは少なく、次のクルマをEVにしようと考えたとき、必ずしも今乗っているガソリン車と同じブランドのクルマを買うとは限らず、たとえばトヨタの(ガソリン)トラックに乗っている人は、トヨタに電動トラックがなければ他ブランドに流れてしまうわけですね。

そう考えると、この2−3年は「大荒れ」になる可能性もあり、将来的にEVシフトが生じるのであれば、やはり早い段階からEVを投入し、自社内にてその客を「ほかのEVへと」買い替えてもらうための戦略を練る必要がありそうです。

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参照:JD Power

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