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| テスラの首位は理解できるが、ポルシェの下落はちょっと理由がわからない |
テスラは独自の市場と客層を形成している
さて、プレミアムカーメーカーの「ブランド支持率増減ランキング」が公開。
このブランド支持率とは、主に「そのブランドのクルマをまた買うかどうか」という調査項目によって算出されるそうですが(ほかにも様々な指標があるようだ)、この1年でもっとも伸びたのはジェネシス、次いでマセラティ、そしてテスラという結果に。
なお、ジェネシスが伸びた理由は不明ではあるものの、タイガー・ウッズの(昨年2月の)事故によってむしろジェネシスの安全性が証明されたことや、積極的にニューモデルを発売していることに起因しているのかもしれません。
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マセラティについても数値が大きく伸びた理由はわかりませんが、新型SUV「グレカーレ」やスーパーカー「MC20」の投入、電動グレード「フォルゴーレ」の投入によるブランドの知名度やイメージが向上したためなのかもしれません。
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2022年、ブランド支持率を増減ランキングはこうなっている
そこで2021年から2022年にかけてのブランド支持率増減ランキングを見てみたいと思いますが、前年比で伸ばしたのはジェネシス、マセラティ、テスラのみで、そのほかは軒並み減少しています。
- ジェネシス・・・+8.5%
- マセラティ・・・+4.5%
- テスラ・・・+4
- BMW・・・-2.3%
- アキュラ・・・-2.7%
- レクサス・・・-4.8%
- ジャガー・・・-5.1%
- インフィニティ・・・-5.2%
- ボルボ・・・-5.3%
- キャデラック・・・-6.4%
- アルファロメオ・・・-6.6%
- メルセデス・ベンツ・・・-7%
- アウディ・・・-7.3%
- リンカーン・・・-7.9%
- ポルシェ・・・-8.5%
- ランドローバー・・・-9.2%
なお、ブランド支持率で最も高かったのはテスラの73.1%ですが、これは業界平均の45.4%を大きく引き離しており、ここでもうひとつ要注目なのは「テスラが他のブランドから顧客を奪っているわけではない」ということ。
これはそのブランドごとに算出する顧客獲得 / 流出比(C / D比というらしい)によって表すことができるそうですが、テスラはこの数値が低く、つまり他のブランドから顧客を奪っているのではなく新規にて顧客を獲得し、市場を形成しているという推論が成り立つのだそう。
そしてこれは「テスラの指名買い」が多いこと、そういった顧客はテスラから流出しにくいこと、さらにテスラのクルマを複数購入する可能性が高いこと、またテスラに買い換える可能性が高いこと(実際に現在のテスラを支持する人々の62.2%がテスラからの買い替え)を意味し、テスラの盤石ぶりをしめすひとつの証左なのかもしれません。※実際に、集計元も「テスラは非常に優秀なマーケッターであり、クルマという枠を超えて、イーロン・マスクCEO自身とブランドのイメージを作り上げ、一部の人々の心を掴んでいる」と分析
さらに言うならば、こういったテスラの傾向は他の自動車メーカーにとって「直視すべき」事実であり、その他多くの自動車メーカーが客の取り合いをしている中、テスラはゆうゆうと優良顧客を増やしているということ、テスラの顧客を奪うことが年々難しくなってきていることを意味するわけですね。
なぜポルシェはここへきて大きな下落を?
そしてこのランキングにおいてちょっと不思議なのは、ポルシェがその支持率を大きく下げていること。
ランドローバーに次ぐ下から二番目であり、なんと前年比で8.5%も下げていますが、この理由はちょっとナゾ。
もしかすると、現在ポルシェはピュアエレクトリックブランドへと移行中のため消費者にとっては「買い替えのタイミングが掴めず」、かつ次期モデルもどんなクルマになるのかがわからないために数値が下がってしまった可能性もありそうです。
ちなみにですが、キドニーグリルが大きくなりすぎて批判を集めるBMWは「比較的支持率を落としていない(マイナス組の中では最も軽微)ブランド」であり、世間での評判とは裏腹にけっこう支持されている、ということになりますね(実際に販売も好調だ)。
なお、ぼくは最近までBMWに対して不信感を持っていたものの、ここ最近ではそういった感情も払拭されており、「二度とBMWは買うまい」と誓った禁を犯し、どこかでBMWをまた買うんじゃないかとも考えています。
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参照:Automotive News