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全世界セダン市場の51%は中国!次いで北米は22%、欧州はわずか6%。セダン販売の53%は4社が占めるという特殊な状況に思うこと

2020/04/07

| 多くのメーカーがセダンから撤退したが、そのぶん「残りものには福があった |

今や自動車業界あげて「SUV」へとシフトしていて、これには「消費者が好む」という理由のほかに、「自動車メーカーにとって儲かるから」という事情がある、とも言われます。

どういうことかというと、たとえばセダンと同じプラットフォームを採用しているとしても、タイヤを大きくして車高を上げ、オフロードっぽい加飾を施せば「より高い価格で売ることが可能」となり、つまりSUVは利益率の高いクルマだということですね。

加えてSUVはまだまだ消費者にとって新鮮味があり(様々なデザインが出てくる)、消費者が喜んでお金を払うジャンルだとも。

欧州も意外とSUV好きだった

よってフォードは「セダンとコンパクトカー市場から撤退し、SUVとトラックに注力する」と発表しているほどですが、つまりこれは「より売れる」というよりは「より儲かる(利益率が高い)」セグメントに注力する、という意味を持つわけですね。

そこで今回、Jato Dynamicsがいくつかの統計を発表しておりまずこちらは欧州市場におけるセグメントごとの販売状況。

これを見ると昨年同期比にてSUVは37%から40%へと増加していることがわかり、一方でコンパクトカーとサブコンパクトは前年比同様、シティカーは7.1%から6.8%へと現象。

欧州というと環境意識が高く、SUVを嫌う風潮があると言われていますが、今回の数字はいささか驚きの内容でもありますね。

そのほか、ミッドサイズカーも増加しスポーツカーも増えていることが客観的に示されていて、これもちょっと意外なところ。

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セダンをもっとも好むのは中国だった

そしてこちらはセダンの販売状況ですが、2019年の自動車販売において、セダンの過半数(51%)を占めたのはなんと中国。

ついで北米の22%、ラテンアメリカの6%、ヨーロッパの6%と続き、メルセデス・ベンツやBMW、アウディを擁する欧州がなんと「わずか6%」というのはまさに驚き以外のなにものでもありません。

そしてセダンを供給したメーカーでもっとも多いのはフォルクスワーゲンの18%、ついでトヨタの13%、そしてヒュンダイ・キアの11%、ルノー・日産の10%。

これら4つのグループで50%以上を占めるというのもまた驚きであり、フォルクスワーゲンは中国市場でのシェアが高いことに起因しているものと思われます。

そしてトヨタ、ヒュンダイ・キア、ルノー・日産の高セダン比率は中国そして北米に注力しているためだと思われ(フォルクスワーゲンも北米重視であることに変わりはないが、北米対策にはSUVを用意している)、フォードやGM、FCAがSUVやトラックに注力する「隙」を突いたということになりそうです。

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様々な業界において、販売状況が芳しくなくなると「撤退相次ぐ」状況となりますが、そういった状況で「最後まで踏ん張った」メーカーにはその市場を独占できるというご褒美があるわけですが(次々遊園地が潰れたが、最後まで残った遊園地に客が集まるのと良く似ている)、一時は「不調」と思われたセダン市場にも”それなりの魅力”があるのかもしれません。※しかもこれからセダン市場に参入してくるメーカーはほぼないと思われる

それにしても、世界的にセダンの22%を占める北米を「捨てる」という判断を下したフォードの判断はいまだに驚きでしかなく、つまるところ、SUVは「そうまでしても取り組みたい」セグメントということになりそうです。

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