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中古相場に異変!新古車ではなく「3年落ち」であっても新車を超える価格の中古が数多く登場。価値を維持するのは圧倒的にポルシェ、そしてジープ

2022/11/17

ポルシェ718ケイマン

| ちょっと前まで「スポーツカーというと、中古で価格が下がりやすい」というのが常識であったが |

そしてSUVの強さは相変わらず圧倒的

さて、ここ最近は中古車の価格が上昇傾向にありますが、そこにはいろいろな理由があるかと思います。

まずはコロナ禍に突入して工場などの生産がストップし完成車の供給が減ってしまったこと。

さらにはサプライヤーの生産活動も縮小したり、在宅勤務の増加で電子デバイスの販売が急増し、そちらにチップが回されたために自動車用のチップが不足してしまったことなども要因として考えられ(これによってやはり完成車が作れなくなる)、そして公共交通機関の利用を避けて自家用車で移動する人が増えたことも関係していそうですね。

ただ、これらだけでは説明がつかない「中古相場の上昇」も見られるようで、いったいどういった事案があるのかを見てみましょう。

新車より中古車のほうが高いモデルが出てきている

まずは”中古車のほうが新車よりも高価である”という「奇妙な」現象。

日本であればランドクルーザーやシビック・タイプRなど多くの車種で発生していますが、今回は北米にて「3年落ち、5年落ちという2つの条件において、300万台のデータから、中古車と新車との価格逆転が起きているクルマ」というデータが公開されています。

つまりは新古車や転売目的で購入されたものではなく、「初回の登録から3年以上経過しているのに、なお新車よりも高いクルマ」ということになりますが、その車種とは下の5つなのだそう。※数字は新車価格をどれくらい越えているかというパーセンテージ

3年落ちであっても新車よりも高い中古車5選

  1. ポルシェ911・・・+5.7%
  2. トヨタRAV4 ハイブリッド・・・+2.5%
  3. ジープ・ラングラー・アンリミテッド・・・+2.0%
  4. ポルシェ718ケイマン・・・+1.8%
  5. ジープ・ラングラー・・・+0.3%

これを見るとポルシェのスポーツカーとジープが非常に強力な残存価値を持つことがわかり、かつ現在「平均的な3年落ちの中古車の残存率」は83.1%だと報じられているので、つまり市場平均だと16.9%下がっていて、しかし上にあげた5モデルは逆に0.3%〜5.7%価格が上がっているわけですね(2021年の統計だと、3年落ちの中古車だと平均して23.8%下がっていたようだ)。

そしてポルシェ911やポルシェ718ケイマンなどスポーツカーの価格が上がっているということは、単なる生産台数不足や「移動手段としてクルマが用いられるようになった」という一般的な「中古相場が上がる理由」では説明がつかず、ここでもやはり「この1〜2年でスポーツカーの人気が高くなっている」ことを裏付ける証左なのかもしれません。

ポルシェ

とにかく中古相場の高値傾向はまだまだ続きそう

今回調査を行ったiseecarsのエグゼクティブ・アナリスト、カール・ブラウ氏によれば、「3年落ちの中古車が新車希望小売価格よりも高い価格で取引されているのは、これまで見たことがない」。

そして「新車よりも高くなくとも」新車からほとんど価値を失っていない中古車も多く、下のリストは3年落ちの中古車のうち値落ちが少ないクルマのランキングです。※数字は新車からどれくらい下がったのかという値

これを見ると、「値上がりしている」ランキングで見られた趣味性の高いクルマとは異なり、「実用面で買われている」であろうクルマも多く見られますね。

値落ちの少ない3年落ち中古車のランキング

  1. メルセデス・ベンツGクラス・・・0.6%
  2. ホンダ・シビック・・・1.4%
  3. スバル・クロストレック・・・1.9%
  4. トヨタC-HR・・・2.5%
  5. ポルシェ718ボクスター・・・2.5%
  6. トヨタRAV4・・・2.6%
  7. トヨタ・カローラ(ハッチバック)・・・3.4%
  8. キア・リオ・・・3.5%
  9. シボレー・カマロ・・・3.5%
  10. テスラ・モデル3・・・16.9%

こういった例を見ても現在はかなり特殊な状況だということになりますが、これは5年落ちの中古車についても同じような事情が当てはまるようで、さすがに「新車よりも高い5年落ちの中古車」は存在しないものの、値落ち率が小さいクルマのランキングはこちら。※数字は新車からどれくらい下がったのかという値。なお5年落ち中古車の平均値下がり率(新車からの損失率)は33.3%

こちらのランキングではまた趣味性の高いオフローダーやスポーツカーが多くランクインしていて、これらは価値を失いにくい、ということがわかります。

値下がりの小さい5年落ちの中古車ランキング

  1. ジープ・ラングラー・・・7.3%
  2. ジープ・ラングラー・アンリミテッド・・・8.7%
  3. ポルシェ911・・・14.6%
  4. トヨタ・タコマ・・・14.9%
  5. ホンダ・シビック・・・16.3%
  6. スバルBRZ・・・18.2%
  7. フォード・マスタング・・・19.4%
  8. トヨタ・カローラ・・・19.8%
  9. 日産ヴァーサ・・・19.9%
  10. シボレー・カマロ・・・20.2%

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参照:iseecars.com

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