| たしかにアメリカでは「なにはさておきV8」という傾向が一部で強いことも報じられる |
よってアメリカでは小排気量の軽量スポーツも支持されないというが
さて、米国における最新の調査では、マッチョマンあるいはタフガイは「男性的なイメージが損なわれるため」EVを選ばない傾向にあることが明らかに。
一般に「EVが選ばれない理由」として語られる主なものは「満充電あたりに航続距離」「価格の高さ」ではありますが、今回ここに「(一部の人が持つ)軟弱なイメージ」が加わったわけですね。
なお、アメリカは「典型的な男性らしさ」を重視するケースが少なくはなく、とくに南西部に行くと(数年前のぼくの経験上)バッグを持っていたり、スリムジーンズを履いているだけで「オメーは女か」と言われたことを思い出します(そういったとき、ぼくは”こう見えて、ブラックベルト(黒帯)を持っている”と言うようにしている。本当は持ってないけど)。
研究者「これでまた新たな問題が増えた」
今回の研究はテキサス大学オースティン校(UT)の研究者であるマイケル・ペアレント博士が実施した調査によって得られたもので、調査対象は400名の米国人男性であり、その多くが「最も伝統的な "男性的 "意見を持っている」と解説されています(とくにテキサスではそういった男性観が強そうである)。
そして調査の結果、「マッチョ」な男性は、EVを購入すると男性的なイメージが損なわれると考えていること、逆にガソリン車は男らしさを感じさせると考えていることが明らかになっており、こういった人々はテスラのスーパーチャージャーをトラックで塞いで大喜びするような人々、そして電気自動車に対してあおり運転を繰り返す人たちなのかもしれません。
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こういったマッチョ文化が気候変動との戦いに悪影響を及ぼすかどうかはわからないものの、マイケル・ペアレント博士は 「これが気候変動の主な要因にはならないだろうが、気候に関する問題の山に、予防可能なものがひとつ増えることになったことはまちがいありません」とコメントしています。
なお、「EVは男らしくないので買わない」と答えた人は40%にものぼり、この意識を改革することができれば、あるいはCO2排出量を引き下げることが可能となるのかもしれません(ハマーEVや、フォードF-150ライトニングがもっとたくさん走るようになれば、その考え方も変わるのかもしれない)。
「EVは男らしくなく、肉体的な強さを持っていない」
さらにマイケル・ペアレント博士は「消費者の購買意欲は、ある程度、その購買が個人のアイデンティティをどのように反映するかを考慮しながら決定されます。EVは、加速の速さや技術革新としての魅力という点で、男性にとって魅力的かもしれない。しかし、一部の男性においては、男らしさの偶発性を支持することが、EVへの嗜好を低下させることにつながったのです」。
加えて、心理学者のルイーズ・ゴダード=クローリー博士は「大音量のエンジンや強力な性能は、しばしば男性らしさと結びつきます。進化論的な観点から見ると、人類の進化の過程で、肉体的な強さや優位性といった男性性に関連する特徴は、生存や繁殖に有利でした」とコメントしており、ある意味で今回の結果は男性の本能に基づいたものなのかもしれません。
ただ、現代においては、そういったマッチョあるいはタフガイといったイメージよりも、EVを選択することで「スマートで環境意識が高く、知的な男性」をアピールすることも可能なのではないかと考えられ、これもまた「生存や繁殖に有利」なのではないかと思ったり。
しかしながら現代は多様化の時代でもあり、ぼく自身は違法ではなく他の人に迷惑がかからなければ誰がどういった選択をしても問題はないと考えていて、しかし世の中では「電気自動車はより静かで、よりパワフルではないと認識されるため、こうした人類の進化の理想から逸脱していると見なされ、伝統的なジェンダー規範を強く意識する人々の抵抗につながる可能性がある」ということも今回の調査によって浮き彫りに。
参考までにですが、ぼくがこれまでに乗ってきたクルマの中で、もっとも「煽られることが多かった」のは(電気自動車の)BMW i3。
そう考えると、日本においても、この潜在的なマッチョ文化、そして(その人が)弱いと思う人やモノに対して優位にあるという姿勢を示そうとする支配欲といったものが根強く存在する可能性もありそうですね。
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参照:Daily Mail