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ランボルギーニ・ミウラやカウンタック、そして様々な「時代に先んじた」クルマを世に送り出した伝説のデザイナー、マルチェロ・ガンディーニが亡くなる。享年85歳

ランボルギーニ・ミウラやカウンタック、そして様々な「時代に先んじた」クルマを世に送り出した伝説のデザイナー、マルチェロ・ガンディーニが亡くなる。享年85歳

| マルチェロ・ガンディーニほど多くのデザイナーに影響を与えた人物は他にいないだろう |

その影響力はときにライバルを動かすまでの威力を誇る

さて、イタリア国営メディアが報じたところによると、ランボルギーニ・カウンタックやミウラを手掛けた伝説的デザイナー、マルチェロ・ガンディーニ氏が85歳にて死去したとの報道。

これでまた自動車業界におけるレジェンドがまたこの世を去ったということになりますが、マルチェロ・ガンディーニ氏は(ぼくの中で)ピニンファリーナと並ぶ偉大なデザイナーでもあり、自動車史の1ページ(どころか数ページ)に足跡を残す人物だと認識しています。

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マルチェロ・ガンディーニはそのキャリアをベルトーネからスタートさせる

マルチェロ・ガンディーニ氏はデザイナーとしてのキャリアを(すでに倒産してしまった)デザインハウス「ベルトーネ」にてスタートさせており、ここで様々なクルマを手掛けることになるのですが、中でも「アルファロメオ・カングーロ」がランボルギーニのエンジニア、パオロ・スタンツァーニ氏の目に止まったことがひとつの転機となっていて、この優雅なボディラインを考えたマルチェロ・ガンディーニ氏に「ミウラのデザインを行って欲しい」という名指しでの依頼がなされます。

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かくして衝撃的なランボルギーニ・ミウラ、そしてカウンタック、さらにはディアブロはじめランボルギーニの多くのモデルのデザインを手掛けることになるのですが、アヴェンタドールやレヴエルトに用いられるリアフェンダーの特徴的な切り欠き(円形ではなく、後ろにかけて上がってゆく)はマルチェロ・ガンディーニ氏が考えたもので、もちろん”ランボルギーニの代名詞”でもあるシザースドアも同氏の考案によるものですね。

そのほかにもアルファロメオ・モントリオール、ランチア・ストラトスやブガッティEB110、フィアットX1/9といった市販車のデザイン、さらにはアルファロメオ・カラボ、ランチア・ストラトス・ゼロなどの印象的なコンセプトカーを送り出しており、多くのブランドがこれらのクルマを「大いなる遺産」として現代に至るまでその象徴として用いています。

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Image:Alfaromeo

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マルチェロ・ガンディーニの影響力は絶大だった

流麗なボディラインを特徴とするピニンファリーナとは対象的に、マルチェロ・ガンディーには直線的なデザインを好み、ときには「曲面がまったくない、平面だけで」構成されるデザインを行ことも多く、そのシンプルさは多くのデザイナーに影響を与えており、ジョルジエット・ジウジアーロは「マセラティ・ブーメラン」を発表したことも。

ただ、これについてはジョルジエット・ジウジアーロの意向なのか、それともマセラティがマルチェロ・ガンディーニに対抗しようと考えたのかは今となってはナゾのまま。

Italdesign

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さらにはピニンファリーナも同じ時期に(マルチェロ・ガンディーニを意識したと思われる)フェラーリ・モデューロを発表し、ストラトス・ゼロと車高の低さを競うことに。

こんなコンセプトカーもあった。宇宙船がモチーフ、大阪万博にも展示された「フェラーリPF 512S モデューロ」

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そして極めつけは、「ピニンファリーナと契約していた」フェラーリが例外的にマルチェロ・ガンディーニ(当時はベルトーネに在籍)を起用したことがあるという事実。

正確に言うならばフェラーリではなく、当時フェラーリのサブブランドとして位置づけられていた「ディーノ」ブランドから登場したディーノ208GT4がそのクルマで、当時のフェラーリらしくないウエッジシェイプ、そして直線的なデザインを持つことから、これは「フェラーリが(マルチェロ・ガンディーニのデザインによってその存在感を強めていた)ランボルギーニへの対抗」として考案されたクルマなんじゃないかとも考えています。

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Image:Ferrari

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そして「フェラーリ」ではなく「ディーノ」からの登場であったのは、そのエンジン(V8)やそれまでのフェラーリとのデザイン的相違、やはりなんといっても「ピニンファリーナとの契約上、フェラーリブランドのクルマをピニンファリーナ以外に任せることができなかった」という事情が関係しているのだと考えています(エンツォ・フェラーリはなんとかガンディーニのデザインしたクルマを発売しなければと考え、それを実行に移している)。

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参照:RaiNews

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