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ホンダと日産とが「EV分野で提携」を模索しているとの報道。両者は現在「取り残された感」があるだけに、生き残りをかけ手を取り合うしかないだろう

ホンダと日産とが「EV分野で提携」を模索しているとの報道。両者は現在「取り残された感」があるだけに、生き残りをかけ手を取り合うしかないだろう

| ホンダはソニーと提携を行う一方、GMとのEV共同開発関係を解消、独自の道を進もうとしているが |

日産はルノーとのアライアンスをベースにEV投入を積極化する戦略を採用するものの、サプライチェーンに課題が残る

さて、「日産関係者が、電気自動車の共同調達や開発を含むホンダとの提携を検討している」と語ったとの報道。

報道によると、日産とホンダは今後、バッテリーの共同調達や車両開発について協議する可能性があるそうですが、現在日産では検討の初期段階にあり、ホンダからはなんらコメントを得られたいない状態だといいます。

過去には日産とホンダが実際に提携する可能性があった

参考までに、2019年に英フィナンシャル・タイムズが報じたところによると、当時急速に再編が進む自動車業界において、「今後の自動車産業では、開発コストがかさむ自動運転や電動化が主流となることが予測され、このままでは両者の存続が危ぶまれる」として日本の政府関係者が日産とホンダ双方に「提携もしくは合併について話し合うよう」提案するも、両者が即座にこれを拒否したという話も。※とくにホンダは他社との協業を嫌う”純血主義”で知られている

「日産とホンダとの合併話」は本当にあった!日本政府が両者の行く末を懸念し「合併しては」と持ちかける

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実際のところ、この時期はPSA(プジョー・シトロエン)とFCA(フィアット・クライスラー)とが合併してステランティスが誕生したり、トヨタとスバル、スズキ、マツダが手を組んでそれぞれの得意分野にて開発を担当し、それらを共有することで開発コストを引き下げるというコミットメントもなされています(これらによってホンダと日産のポジションと開発力が相対的に下がっている)。

トヨタ
トヨタが「開発したEV関連技術をスバル、マツダ、スズキなどと共有する」とコメント。さらにEV向けのコストダウン技術をガソリン車にも転用して原価低減を図るもよう

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自動運転や電動化技術の開発については「とにかくお金がかかる」ことで知られ、中には自社での開発を諦め、他社から完成した技術を「買う」ことを決めた自動車メーカーもあるほどですが、そういった中で、どこにも属さず独立を貫く日産(ルノーとのアライアンス関係にはある)とホンダの行く末を心配したのが2019年の政府関係者のアドバイスだということになりますね。

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共通の敵は「中国」新興EVメーカー

今回の提携の目的は「中国勢の台頭で競争が激化する中、EVのコストを引き下げる」ことにあるといい、現在もっともコストパフォーマンスに優れたEVを製造すると目されるBYDは「自社でバッテリーを調達(製造)」することによってこれを成し遂げています。

そして電気自動車の原価においてもっとも大きな比率を占めるのがこのバッテリーで、よってこの調達価格を引き下げることが自動車メーカーにとって急務だということになるのですが、これを目的としてつい先日もルノーCEO、ルカ・デ・メオ氏が「欧州の自動車メーカーが共同にてサプライチェーンを構築せねば中国に対抗できない」という呼び掛けを行ったのは記憶に新しいところですね。

ルノーCEO「中国に対抗するには、欧州の自動車メーカーが手を取り合うしかない」。欧州ではそこまで中国に追い詰められているのか

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なお、中国は国策として電気自動車の製造を推奨しており、その結果として中国では電気自動車が販売の約20%を占めていて、しかしそのぶん中国内での競争が厳しく、多くのEVメーカーが「より競争が緩い」海外へと活路を求めることになり、実際に2023年には同国は日本を上回り、販売台数で世界最大の自動車輸出国となったのも記憶に新しいところ。

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BYD
中国車の輸出台数が日本を上回り「世界最大の自動車輸出国」となったことが明らかに。国内市場も成長し最も多くの台数を販売したのはBYD

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一方、日本の自動車メーカーはEVへの移行が遅れていて、これまで日本が得意としてきた東南アジアなどの主要市場においても中国製EVの侵攻にさらされ、東南アジアの一部市場では(行政がEV購入を促進していることもあり、日本のガソリン車が中国製EVに侵食される形で)シェアを失っているという状況も聞かれますが、トヨタのように高級車市場で強みを発揮できず、普及価格帯のクルマがメインである日産とホンダにとっては”由々しき事態”なのかもしれません。

今回の話の信憑性、そして行方についてはわかりかねるものの、現実的には「もう自社の意地を貫いて純血を守っている場合ではない」のも事実であると思われ、生き残りをかけて両者が提携するしかないだろう、とも考えています。

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参照:Nikkei Asia

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