■そのほか自動車関連/ネタなど

中国自動車最大手、上海汽車が「2026年に全固体電池を搭載したEVを発売」と発表。実現できればトヨタを出し抜き業界最速、10月からは半固体電池の生産開始も

中国自動車最大手、上海汽車が「2026年に全固体電池を搭載したEVを発売」と発表。実現できればトヨタを出し抜き業界最速、10月からは半固体電池の生産開始も

Image:IM Motors

| 現時点で全固体電池については見方が分かれ、最前線にいるバッテリーメーカーであればあるほど懐疑的な意見を述べている |

トヨタは全固体電池に関する特許件数最多、しかしそれでも「量産は難しい」とも

中国国有自動車最大手、上海汽車(SAIC)が「全固体電池(ソリッドステートバッテリー)を開発中である」と発表。

ただし重要なのは開発中ということではなく(これ自体は珍しくない)、この技術が早ければ2026年にも同社のEVで利用可能となり、他の自動車メーカーがリリースしている現在の(全固体電池採用に関する)スケジュールに先んじる可能性が高いことです。

トヨタ
トヨタや日産、BMWが実用化を進めるソリッドステートバッテリー(全固体電池)とは何なのか?そのメリットや短所、実現可能性は?

| ソリッドステートバッテリーは実用化できない、もしくは実用化しても普及しない可能性が大きく、代替技術のほうが有用だと考えられる | 加えてこれまでの流れとは異なり、今後ガソリンエンジンが生き残る可能 ...

続きを見る

上海汽車は現行モデルに全固体電池を搭載する意向を示す

現地メディアの報道によると、上海汽車は中国にて開催された新エネルギー技術カンファレンスにおいてその計画を発表したとされ、これによると全固体電池は同社ブランドのすべてのEVおよびハイブリッド車に搭載される、とのこと。

上海汽車の持つ自動車ブランドには、IM (中国語で志知)、Maxus、Rising Auto、Roewe、Baojun、Wuling、Hongyan、Sunwin、そしてサイバースターやハイパーカー”EX181”を発表したばかりのMGも含まれます。

MGが未来的な「EXE181」コンセプトを発表し世界最高速記録に挑戦する意向を表明。クワッドモーター搭載のピュアエレクトリックカー、空気抵抗係数は0.181
MGが未来的な「EXE181」コンセプトを発表し世界最高速記録に挑戦する意向を表明。クワッドモーター搭載のピュアエレクトリックカー、空気抵抗係数は0.181

| MGは1959年にも同名のクルマを発表し、最高速記録に挑戦したことも | ただし今回のEXE181によるチャレンジが実現するのかどうかはわからない さて、オートチャイナ(中国モーターショー)が開催 ...

続きを見る

なお、全固体電池を搭載した最初の上海汽車製EVは今年6月から中国で販売される(テスラ・モデル3の対抗である)「IM L6」だとされ、このL6に追加されるであろう最上位モデルにこの全固体電池が搭載されることとなるもよう。

IM-Motors (3)
IM Motors

参考までに、すでに発表されている(現在の)最上位グレード、マックスライトイヤーだと「半固体電池」を搭載しており、こちらは一回の満充電あたりの航続距離1,000kmを誇るとアナウンスされています。※この半固体電池は上海汽車とその子会社である青島能源との共同開発によるものである

中国にて「半固体電池」搭載EV、IM L6が発表に。航続距離1,000km、0-100km/h加速2.74秒という脅威のスペックを誇り価格は邦貨換算700万円
中国にて「半固体電池」搭載EV、IM L6が発表に。航続距離1,000km、0-100km/h加速2.74秒という脅威のスペックを誇り価格は邦貨換算700万円

Image:IM Motors | 正直なところ、やっぱり中国車に価格で対抗することは難しい | おまけにスペック面での対抗も難しく、もはや打つ手がないのが現状なのかも さて、中国の新興EVメーカー、 ...

続きを見る

全固体電池は「電気自動車の未来」だと言われるが

全固体電池はEVの未来だと見られており、EVをより実用性の高い乗り物にする事が可能だと見られていて、安全性が高く、エネルギー密度が高く、より速く充電できるという触れ込みではあるものの、その一方では世界最大の電池メーカーであるコンテンポラリー・アンペレックス・テクノロジー・カンパニー・リミテッド(CATL)は全固体電池は”現時点では”安全ではないと主張するなど、その将来性に対する捉え方は様々です(安全性の観点から、全固体電池を採用しないと宣言する自動車メーカーも存在する)。

IM-Motors (2)
IM Motors

EV用バッテリーシェアNo.1のCATLが「ソリッドステート(全固体)技術はEV業界が考える特効薬ではない」と衝撃発言。実現の難しさ、その危険性について言及
EV用バッテリーシェアNo.1のCATLが「ソリッドステート(全固体)技術はEV業界が考える特効薬ではない」と衝撃発言。実現の難しさ、その危険性について言及

| 早ければ2020年に実現するとしていたメーカーも存在したが、現時点では実用化の目処は立っていない | もしかすると、このまま永遠に実現できない「幻の技術」となる可能性も Image:CATL さて ...

続きを見る

参考までに、現時点で「もっとも早く全固体電池を実用化できる」と目されていたのはトヨタ自動車で、実際のところトヨタは全固体電池の特許数では業界最多。

さらには2030年には市販車に搭載できるとも述べており(しかし生産数は非常に限定されるとも)、BMWも同様に、ノイエ・クラッセの将来的なモデルにこの技術を導入すると見られますが、上海汽車の今回の発表のとおりに物事が進むならば、トヨタよりもずいぶん早く、かつ大量に生産ができるということになりそうですね。

トヨタ
トヨタのソリッドステートバッテリーは実用化できたとしても「わずかな台数しか生産できない」?そのためゲームチェンジャーとはならない可能性も

| ただし他の自動車メーカーのソリッドステートバッテリー搭載車も同じような状況だと思われる | そもそもソリッドステートバッテリーの実用化すら「怪しい」 さて、先日トヨタはバッテリーに関する戦略を発表 ...

続きを見る

あわせて読みたい、全固体電池(ソリッドステートバッテリー)関連投稿

日産
日産が将来のEV生産に向け「ギガキャスト」導入を発表、加えて2028年に稼働する全固体電池(ソリッドステートバッテリー)パイロット生産設備を公開

Nissan | 日産は長期計画、そして中期計画を組み合わせ、EVの生産コスト引き下げ、そして市場浸透を図る | とくにソリッドステートバッテリーの実用化が「可能になるかどうか」には注目が集まる さて ...

続きを見る

BMW
ソリッドステートバッテリーのトップランナーであったBMWでもその実用化に苦慮。「2030年まで量産はできないだろう」とし、ノイエクラッセは全固体電池抜きで発売

| ソリッドステートバッテリーはノイエクラッセにおける目玉のひとつであったが | 現在の各社の対応を見ていると、2030年でも「実用化は怪しい」ように思われる さて、EV関連技術に関してもっともホット ...

続きを見る

バッテリー製造最大手、CATLが「電動旅客機も実現できる」新型蓄電池の実用化を発表!ソリッドステートバッテリーの実用化前にそれ以上の性能を実現できそうだ
バッテリー製造最大手、CATLが「電動旅客機も実現できる」新型蓄電池の実用化を発表!ソリッドステートバッテリーの実用化前にそれ以上の性能を実現できそうだ

| 今年後半から生産が開始されるといわれるものの、実際に車両に採用されるまではそれを信じることが難しい | バッテリーメーカーが言うのであれば間違いはなさそうだが さて、バッテリー製造最大手のCATL ...

続きを見る

この記事が気に入ったら
いいね ! しよう

-■そのほか自動車関連/ネタなど
-, , , ,