トヨタのソリッドステートバッテリーは実用化できたとしても「わずかな台数しか生産できない」？そのためゲームチェンジャーとはならない可能性も

｜　ただし他の自動車メーカーのソリッドステートバッテリー搭載車も同じような状況だと思われる　｜

そもそもソリッドステートバッテリーの実用化すら「怪しい」

さて、先日トヨタはバッテリーに関する戦略を発表し、その中での核は「ソリッドステートバッテリー（全固体電池）。

これを積むEVでは満充電あたりの航続距離が1,000キロを超えるとされていますが、このソリッドステートバッテリーの実用化は早くて2027年（それでも当初のトヨタの計画からすると5年遅れている）だと報じられています。

ソリッドステートバッテリー搭載車は生産開始数年間「年間数千台」の生産に限定

そして今回報じられたのが「ソリッドステートバッテリーを搭載するEVを発売したとしても、最初の数年間は数千台のみに生産が限定される」ということ。

さらにはトヨタ自身も「トヨタイムズ」の英語版、Toyota Timesにて同様のコメントを出しており、ソリッドステートバッテリーの生産量は当初年間「数百トン」に限られ（生産キャパシティ、そして安全性の検証のためだと思われる）、しかし2030年頃からは「数千トン」に増える見通しなのだそう。

このソリッドステートバッテリーは「レクサス車」に搭載か

トヨタは2020年代後半には「数百万台規模」のEV生産を計画していると報じられていますが、その中で「数千台」というのは非常に小さい数字であり、これではそのインパクトが「かなり小さい」と言わざるを得ないかもしれません。

ただ、台数的なインパクトは大きくはなくとも、そのプレゼンスを最大化する方法があり、それは「注目度の高いモデルに搭載すること」。

たとえばLFA後継とも言われるレクサス・エレクトリファイド・スポーツ・コンセプトの市販モデルに搭載すれば、そのクルマそのものの注目度に加えて「他社のハイパーEVよりも大幅に軽いスポーツカー」を作ることができ、様々な観点から注目を集めることができるものと思われます（そしてこういったクルマは大量に受注が集まるものでもなく、生産台数が少なくても問題はない）。

ただ、今の時点では実際にソリッドステートバッテリーを実用化できるかどうかはまだまだわからず、よって今後の報道を見つつ状況を判断するしかなさそうですね。

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