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ベントレーが限定12台の「バカラル」、そして1929年の「ブロワー復刻モデル」顧客向け第一号を完成させたと発表。ブロワーはとんでもない価値を誇りそうだ

2021/08/22

ベントレー・バカラルとブロワー

| ブロワーは「3つの部分を除いて」当時のブロワーと寸分たがわぬ仕様を再現 |

どうやらベントレーはまだまだこういったスペシャルモデルを増やしてゆくようだ

さて、ベントレーはここ最近、1台2億円以上といわれるバカラル(12台限定)、そしてブロワー(こちらの価格は不明、やはり12台限定)の生産に追われていたようですが、ついにそれぞれの第一号車が完成し納車の運びとなった模様。

まずはバカラルについて、こちらはベントレーのパーソナリゼーション部門「マリナー」による初の専売モデルであり、なんとベントレーにとっては100年ぶりとなる2シーター。

ベースはコンチネンタルGTではあるものの、その殆どが作り変えられており、「1台2億円オーバー」という価格設定を納得させるだけの仕上がりを持っています(実際のところ12台は即座に完売したので、顧客はその価値を十二分に理解しているということになる)。

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「マリナー」はもともとベントレーとは別会社だったが

なお、「マリナー」とはベントレーのカスタム車両生産部門であり、ベントレー側の企画、もしくは顧客の要望に応じた特別仕様車の製作を主な業務としますが、もとはというと1559年に創業した馬具メーカー。

Bentley-Bacalar-and-Blower (4)

その後、交通手段の主役が馬からクルマに変わってゆくにあたりコーチビルダーへとその性質を変化させてゆき、1923年の英国国際モーターショー出展用車両として、ベントレー初となる2シーターモデルの製作を担当したのがベントレーとのなれそめ(その後ベントレー傘下に収まる)。

そして今回「バカラル」を発表することとなったわけですが、ベントレーとの最初の接点が「2シーター」であり、そしてバカラルも2シーターというのは「偶然」ではなさそうです。

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バカラルのボディパネルはカーボンファイバー製、しかしこのオーナーはアトム・シルバーと呼ばれるシャンパン色のサテン・シルバーでの仕上げを希望し、ホイールはポリッシュ仕上げのフェイスとダークグレーのサテンスポーク、そしてモスグリーンのアクセント。

さらにモスグリーンのアクセントはグリルのセンターバー、ヘッドライトの内側、アッパークロームサラウンド、リアのグロスブラックの "パワーハンプ "周辺にも施されています。

「ブロワー」は自動車史上例のない試み

そしてもう一台の「ブロワー」ですが、こちらは1929年のクルマを再現したという「これまでの自動車史上、例を見ない」試みです。

これまでにも自動車メーカーが直接自社のクルマを復刻した例としてはジャガー「XKSS」「C-Type」「D-Type」、アストンマーティン「DB5」等がありますが、これらはいずれも1950年代以降のクルマであり、「1920年代のクルマを復刻」というのはまさに前代未聞。

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この1929年製ブロワーは当時ヘンリー・"ティム"・バーキン卿がベントレーに製作を以来したスーパーチャージド4.5リッター搭載車ですが、これを再現するためにマリナーは実車のブロワーを分解し、パーツをすべて3Dスキャンするといった工程を経ています。

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ベントレーが「1929年製」クラシックカーを3Dスキャンし新車として復刻!データベース化が終了し12台のみを限定生産へ

| まさに自動車史に残るといってもいい一大プロジェクト | https://www.flickr.com/photos/110074903@N02/49790522328/in/dateposted- ...

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その結果、「2021年式」ベントレー・ブロワーは当時のブロワーとミリ単位で同じサイズと構造を持ち、外装色も当時と同じ「バーキンググリーン」。

ただしこのブロワー復刻第一号、通称「ブロワー・カーワン」は当時のブロワーと異なる部分が3箇所あるといい、それは燃料タンクにフォームバッフルが装備されていること(安全上の理由?)、最新の電動燃料ポンプ、信頼性を高めるための協力なダイナモ。

そのほかは内外装や機関ふくめて当時のブロワーと寸分違わず、搭載されるエンジンはアルミニウムピストン、オーバーヘッドカムシャフト、(シリンダーあたり)4バルブ、ツインスパークプラグを備え、フロントには車名の由来となった伝説のスーパーチャージャーが搭載されることに。

なお、出力は236ps(240PS/176kW)だとアナウンスされています。

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マリナーのディレクターであるポール・ウィリアムズ氏によると、「最初の2台が完成したのを見て、チーム全体が大きな誇りを感じた」と語り、「これらのプロジェクトの設計と開発には何年もの時間が費やされてきましたが、これらが完成したことで、信じられないほどのやりがいを感じることができた」とも。

まだまだそれぞれ11台の納車が控えていますが、同氏は「お客様に新車をお届けし、両シリーズの残りの注文が実現するのを楽しみにしている。これらはマリナーならではの個性的なポートフォリオの最初のモデルとなり、これからそのラインナップはもっと増ることだろう。私たちはまだ始まったばかりだ」と語っているので、こういったスペシャルがさらに増えるのでしょうね。

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