| そして限定台数の12台はすべて買い手がついている |
先日よりティーザーキャンペンが行われていた、12台のみが生産される「超限定」ベントレー、バカラル(BACALAR)。
これはベントレーのパーソナリゼーション部門であるマリナーが送り出すクルマであり、通常のベントレーとは異なる「特別な」モデルです。
なお、「マリナー」とはベントレーのカスタム車両生産部門であり、ベントレーの企画、もしくは顧客の要望に応じた特別仕様車の製作を主な業務としますが、もとはというと1559年に創業した馬具メーカー。
その後、交通手段の主役が馬からクルマに変わってゆくに当たりコーチビルダーへとその性質を変化させてゆき、1923年の英国国際モーターショー出展用車両として、ベントレー初となる2シーターモデルの製作を担当したのがベントレーとのなれそめ(その後ベントレー傘下に収まる)。
そして今回のバカラルも2シーターであり、「マリナー初の」市販車は、1923年に作られた2シーターモデルへと回帰したものだと言えそうですね。※バカラルとは、美しい海で知られるメキシコのリゾート地
ベントレー・バカラルはこんなクルマ
バカラルのデザインは、すでにベントレーが発表した「EXP 100GTコンセプト(下の画像)」にインスパイアされたもので、特にヘッドライトには高い共通性が見られます。
加えてフロントバンパー、ボンネットも両者ともに共通する意匠を持つようですね。
ベントレーが「2035年モデル」を意識したEXP100GT発表。これが富裕層に向けた「我々が本当に作りたかったクルマ」だ
このバカラルのベースはコンチネンタルGTとなりますが、全幅は20ミリ拡大されており、22インチサイズのホイールと相まって非常に力強い印象も。
フロントからサイド、リアにかけてはいくつかの「筋」が入り、これが筋肉質な印象を与えることになっていると感じますが、サイドステップ下部をぐっと絞るなど、これまでのベントレーには見られないデザインが採用されているのもバカラルの特徴のひとつ。
リアビューはより一層特徴的で、やはりこれまでのベントレーには見られない意匠を持ち、かつ「重厚さ」よりも「軽快さ」を感じさせるように思います。
リアセクションは「スピードスター」っぽいデザインを持っています。
このバカラルの見どころはエクステリアだけではなくコクピットにもあり、インテリアと連動した構成を持つようですね。
ヘッドライト内部はおなじみの「ナーリング加工」。
ただしこれまでの構造とは異なり、クリスタル風ではなく金属を加工したような仕上げを採用しています。
テールランプ内部もやはりナーリング風。
リアのベントレーエンブレムは立体的、かつゴールド仕上げ。
画像を見るに、ポジションランプ、ストップランプ、ウインカーをこのひとつで担当することになりそう。
フロントのベントレーエンブレムもまた立体的で重厚な印象を受けるもの。
フロントグリル内はウェーブ形状を持っているようですね。
ホイールは繊細かつ大胆なデザインを持ち、細くツイストしたスポークによってサイズ以上に直径を大きく見せているようです。
スポーク内側にはボディカラー同色のインレイのようなパーツも装着済み。
ベントレー・バカラルのインテリアはこうなっている
そしてこちらはバカラルの内装。
レザー、ウール、ウッドが組み合わせられますが、このウッドは樹齢5000年の木から採取したものだそう(伐採したのではなく倒木から)。
メーターはデジタルとなり、センターコンソールのローテーションディスプレイ、シフトレバー周辺のスイッチ類も通常のベントレーはとは異なるもので、エレガントさよりも先進性やスポーティーさを求めたのかも知れませんね。
なお、シフトレバーのトップにはエンブレム同様にゴールドがあしらわれています。
シートに採用されるステッチは「148,199針」によって仕上げられており、大小のダイヤモンドパターンを組み合わせたもの。
センターコンソールの角度もまたコンチネンタルGTとは異なり、囲まれ感の強さを演出しているようですね。
ステアリングホイールはレザーとアルカンタラのコンビ、そしてボディカラー同色のセンターマークが入り、ステアリングホイール下部には「BACALAR」のロゴが入っています。
なお、バカラルに採用されるエンジンはおなじみ6リッターW12ツインターボ。
しかし出力は659馬力にまで高められ、これはコンチネンタルGTの24馬力プラスという数字です。
トランスミッションは8速デュアルクラッチ、駆動方式は4WD、そして車体制御には48ボルトシステムによるダイナミックライドシステムを採用し、優れた乗り心地と卓越したハンドリングとを両立している、とアナウンスされています。
バカラルの価格は1台2億2000万円からとされますが、恐ろしいことに限定台数の12台にはすべて買い手がついている、とのこと。
VIA:Bentley