| やはり高級車を手掛ける以上、どうやってもレザー不使用を貫くのは難しいのかもしれない |
それはベントレーの問題ではなく、多くの顧客がレザーでないと許さないのだろう |
ベントレーが「皮革メーカーのベストプラクティスや厳しい製造基準を監査する業界団体であるレザー・ワーキング・グループに、自動車メーカーとして初めて参加した」と発表。
このグループは、皮革産業をより環境的に持続可能(サステイナブル)なものにすることを目的としていますが、2022年がはじまるまでに、レザーワーキンググループの監査プロセスを遵守しているサプライヤーやタンナーからのみ革を購入することを目指し、同グループのゴールドスタンダード賞受賞を目指している、と述べています。
ベントレーのレザーは長寿命
ベントレーの生産購買責任者であるマーク・クック氏は、「レザーの使用とコーチビルディングは、Bentleyの100年の歴史を象徴するものです」と述べ、「当社のカッターとトリマーはその分野の専門家であり、多くの伝統的なモデルがオリジナルの内装で現存しているという事実は、当社の中核素材としてのレザーの長寿命とその本質的な持続性を証明していると言えるでしょう。レザーワーキンググループ最初の自動車用メンバーとして、私たちは仲間のメンバーと協力して、自動車分野におけるレザーの未来を積極的に形成していきたいと考えています。」とコメント。
さらにベントレーは、同社の車両の80%がいまだに走行中であることを指摘し、これは同社の車両とレザーの寿命の長さを証明するものであると主張しています。※ただしベントレーがこれまでに製造した20万台のうち、75%以上が2003年以降に工場から出荷されている
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ベントレーは「ヴィーガン対応」から翻意?
参考までに、ベントレーは2017年に「今後レザーの使用をやめる方向へと動き、内装のヴィーガン対応を進めてゆく」とコメント。
当時は環境意識の高まりによって、環境に負荷をかけたくないと考える人々やヴィーガンが急激に増加し、その傾向はヨーロッパにおいて顕著であり、かつヴィーガンは高所得層に多い、とも。
つまりベントレーの顧客とヴィーガンはある程度一致しているということになり、そのためベントレーは「ヴィーガン対応」を進めていたわけですね。
こういった行動はレンジローバーも同じで、そのためレンジローバーも「非レザー」インテリアを用意していたのですが、この「非レザー」インテリアは非常に高価であることがネックです。
そして高価であることが理由だったのか、それともベントレーの顧客には想定したほどヴィーガンがいなかったのか、おそらくベントレーは「ヴィーガン対応インテリア路線」については失敗だったと判断し、それが今回の「いやいやレザーも実はエコでサステイナブルなんですよ」という主張に切り替わったのだと考えています(やはり自動車とレザーは切り離すことができないのかも)。
なお、ベントレーのレザーはすでにヨーロッパ内にて調達されており、食品産業の副産物であるレザーのみを購入(レザー採取のために動物を殺していない)。
参考までに、国連によれば、人間が排出する温室効果ガスの14.5%は家畜が原因であるとされており、レザーがサステイナブルであるというのはちょっと無理があるかもしれませんね。
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参照:Bentley