| このエンブレムが、ロータリーエンジンをレンジエクステンダーとして積む車両に使用されることはおそらく間違いないだろう |
マツダは「オレンジ」にて力強さや躍動感を表現したい?
さて、マツダが新たなる商標として「ロータリーっぽいエンブレム」を出願した、とのこと。
これは「 つらつらとMAZDA 」にて紹介されているもので、このエンブレムのほか、「e-SKYACTIV R -Energy(出願番号2021-94754)」「e-SKYACTIV R-HEV(出願番号2021-94755)」「e-SKYACTIV R-EV(出願番号2021-94753)」なる商標(これらは文字列のみ)も出願されていると報じています。
なお、マツダはちょっと前に「R」をモチーフにしたロゴを商標申請していますが、ここから先、その商品構成やグレード構成を大きく変えてくるのかもしれません。
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もちろんロータリーエンジンはレンジエクステンダーにて?
そして上述の「R」はおそらくスポーツモデルに使用されるエンブレムだと思われ、しかし今回の出願は「エレクトリックモデル」に用いられるエンブレムだと考えられます。
というのも、外形こそ「ロータリーエンジン(のローター)」を模ったものではありますが、その中に見えるのは「e」の文字であり、かねてより報じられているように、ロータリーエンジンを発電機(レンジエクステンダー)として使用した一連の電気自動車(EV)に採用するものだと考えると腑に落ちます。
ロータリーエンジンは小型でコンパクト、ノイズや振動が少ないという点で車載発電機(これで発電した電力を使用し、モーターを駆動する。日産e-POWERのガソリンエンジンがロータリーエンジンに置き換わるイメージ)に向いており、トルクが小さいというデメリットも「このエンジンを走行のために直接使用しない」ので問題なさそう(ただし燃費、CO2排出の面では課題が残る)。
よってマツダは、「世界で最初に」ロータリーエンジンを実用化し、量産した自動車メーカーとして、その資産を有効活用してゆく意向を持つのでしょうね。
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マツダは「オレンジ」で差別化
ただしちょっと興味深いのが、ここに採用される「オレンジ」。
これがエレクトリックモデルに採用されるものだとして、「オレンジ」というのは自動車業界的に見てかなり異例です。
というのも、多くのモデルはエレクトリックモデルに対して「ブルー」「グリーン」をエンブレムはじめどこかに採用する傾向があるためで、たとえばポルシェはPHEVモデルに”アシッドグリーン”のエンブレムを採用。
ピュアエレクトリックモデル(タイカン)のエンブレムは通常の「クローム」のようですが、キャンペーン等に使用される文字にはブルーを使用することが多いようです。
日産「e-POWER」もブルー。
メルセデス・ベンツ「EQ」もやはりブルー。
そのほか、トヨタ、フォード、BMWもエレクトリックモデルに対してブルーを使用しており、しかしマツダはこれらと全く異なる「オレンジ」を使用しているわけですね。
この意図については現在明かされていないために事実を知ることはできませんが、「R-ENERGY」といった商標も出願されているところを見ると、マツダはこのロータリーエンジンを搭載したエレクトリックモデルについて、「クリーン」よりも「エネルギー」をアピールしたいのではないか、とも考えたりします。
ともするとEVやハイブリッドは「楽しくないクルマ」だと捉えられがちで、しかしマツダはそこに「楽しさ」「エレクトリックモデルならではの(豊かなトルクを活かした)躍動感」といった要素を持ち込み、それをもって他社との差別化を図り、マツダならではの世界観を演出する計画を持っているのかもしれません。※モーターのコイル(カッパー)とロータリーエンジンとの組み合わせを表現している可能性もある
参考までにですが、ハイブリッド化によって800馬力オーバーの出力を発生すると言われるメルセデスAMG GT 73eのプロトタイプに装着される「E」の文字はレッドであり、これはパフォーマンス重視型のハイブリッドということを示したものだと思われます。
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参照:つらつらとMAZDA