Image:Bentley
| ベントレーのカスタム部門「マリナー」の対応範囲は年々拡大してゆくようだ |
ハイブランドとのコラボレーションによってベントレーのポジションもさらに高みへ
さて、ベントレーが「英国クラフトマンシップの最古の2社である、(ジュエリーブランドの)ブードルズとマリナーとのコラボレーションによる」1台限りのベントレー コンチネンタル GTCを作成した、と発表。
ブードルズ(BOODLES)は、1798年にリバプールで設立されたのち、並外れた品質を持つジュエラーとして知られるようになり、とくに「レインダンス」リングは英国のジュエリー デザインのアイコンとしてV&A博物館の常設展示に選ばれるほどにまで高い評価を得ています。
そしてもう一方のマリナーは1760年にロイヤル メール向けの客車製造を依頼されたノーザンプトンの客車製造会社にルーツを求めることができ、現在はベントレーに吸収され、ベントレーのビスポーク コミッショニング部門として大きな役割を果たしています(マリナーのほうがベントレーよりも遥かに歴史が古い)。
ベントレー コンチネンタル GTC「ブードルズ×マリナー」はこんなクルマ
そこでこの類まれなる一台を見てみると、まずボディカラーはポーポイズグレー、そしてそこにブライトワークが用いられることでエレガントな印象に(ソフトトップにはグレーが使用され、中間色でまとめられている)。
ホイールはタングステンカラーとポリッシュによる「マリナー22インチ」、ブレーキキャリパーはブラック、フロントスポイラー、シル、リアスポイラーのエッジにはブードルズの特徴であるパウダーピンクのハイライト。
グレーの「Boodles 1798」外装バッジはクロームの文字が入り、ドアを開けると、地面を照らすウェルカムランプにブードルズのロゴが映し出されるなど「いたるところがブードルズ仕様」へ。
インテリアにおいては「ブードルズの宝石箱の蓋を開ける喜び」を再現することを目指したといい、レザーのメインカラーは「リネン」、シートバック、フェイシアトップロール、ギアレバー、ステアリングホイールには淡いグレー。
ブードルズのパウダーピンクは、ステアリングホイールタブ、内側ドアポケット、コンソールサイドポケット下部のアクセントハイドカラーとして使用されています。
シートパイピングやシート表皮、フェイシア、コンソール、ウエストレールの輪郭をなぞるハンドクロスステッチにはパウダーピンクが採用され、ドアパネルとアッパーシートバックには「Be Boodles」モチーフのブラインドステッチがリピートされていますが、このステッチだけで278,566針と6時間の作業が必要となったのだそう。
そしてこのセンターコンソールに取り付けられた「Be Boodles Bentley」ペンダントは完全なワンオフ作品として手作りされており、18カラットのホワイト ゴールドにダイヤモンドをセットした「B」エンブレムという仕様です。
なお、ベントレーはその頭文字である「B」に対して強いこだわりを持っており、サイドベントなどにも「B」をモチーフとした意匠を採用したほか、長年(同じBが頭文字の)ブライトリングとパートナシップ関係にあったことも。
そう考えると、今回のコラボレーションも「Bつながり」だからなっじゃないかとも考えたりするのですが、ベントレーによれば「2023年5月にブードルズのクリエイティブチームがマリナーの工房を訪れたときにこの企画が始まった」とのことで、そこから控えめなカラーパレット、希少な素材、複雑な工芸品のディテールを特徴とする仕様が考案されたのだそう。
そのほかにもインテリアには特注のディテールがふんだんに盛り込まれ、ドアのウエスト レールには、ピアノリネンとオータムストーンの二重仕上げの化粧板が使用され、パウダーピンクで塗装されたピンストライプで二分されることになりますが、これは高度なレーザー切断技術により、2億年以上前に形成された天然石から、厚さわずか10分の1ミリメートルの単板パネルを整形している、とのこと。
そのほか各種ダイヤル、ベゼル、エアコン吹き出し口、コントロールスイッチはマリナー得意のローレット仕様で縁取られて、多面的に光を捉える(ファセット加工が施された)宝石のような仕上がりに。
エアベントの中央のルーバーはパウダーピンクで塗装され、パネル上のピンストライプと完璧に位置を合わせることができ、エアベントの「オルガンストップ」コントロールは24ctゴールドにてメッキがなされています。
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参照:Bentley