Image:Alfaromeo
| 最近のステランティス、とくにアルファロメオとランチアのデザインレベルはとてつもなく高い |
もはやクルマを超え、高級家具や芸術作品の域に達している
さて、アルファロメオが待望の新型車、「ミラノ」を公開。
このミラノは同社にとって非常に大きな意味を持っていて、というのもアルファロメオが現在の体制、つまり新しいCEO(ジャン・フィリップ・アンパラト)と新しいデザイナー(アレハンドロ・メソネロ=ロマノス)を迎えた後の体制にて開発されたはじめての量産車だから。※33ストラダーレを除く
よってこれまでのアルファロメオとは大きく異なるデザイン、そして考え方を持つクルマとなっており、ここでその詳細を見てみましょう。
新型アルファロメオ「ミラノ」はこんなクルマ
新型アルファ ロメオ・ミラノは”名高いイタリアのブランド”としてのアルファロメオらしい新鮮なデザイン、アルファ ロメオに期待される純粋さ、情熱、魂のすべてを持ち合わせていると考えてよく、(アルファロメオの親会社である)ステランティスの方向性を反映し、ダッジやマセラティ、ランチア同様に「ガソリンエンジン搭載モデルとピュアエレクトリック版」の両方を選択可能です。
デザイン言語が一新されることで従来のアルファロメオとは全く異なる外観を持ち、極端に短いオーバーハング、ワイドなフェンダーと高いベルトラインが力強い印象を与え、前後には「3+3」と表現される3つの発光エレメントを組み込んだランプが装着されています。※「3」がアルファロメオにとって非常に重要な数字であることにはすでに言及済み
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そして興味深いのは「フロントグリル」で、ガソリンエンジン搭載モデル(ハイブリッド)では「Alfaromeo」という文字を持つメッシュグリルが装着されるものの・・・
ピュアエレクトリックモデルではアルファロメオのエンブレム(大蛇に飲み込まれるサラセン人)を新しく解釈したディティールが採用されること(けっこうカッコいいと思う)。
なお、ガソリンモデルの「メッシュグリルにレトロなフォント」につき、ミラノの斬新なルックスにはそぐわないように感じるものの、これはおそらく1930年代あたりのアルファロメオを意識したものなんじゃないかと考えています。
なお、ホイールデザインについても「3」を強調したデザインが採用され(フォーンダイヤルの再解釈)・・・。
一方で「3」とともに重要な「4(四つ葉のクローバー=クアドリフォリオ)」を再現したホイールも。※ホイールで「4」「3」をモチーフにしたデザインは多くはなく、非常に新鮮である
リアには大きなアルファロメオレターが配置され・・・。
後部ドアハンドルはサッシュ内に隠されています(イタリアでは4ドア=世帯っぽいというイメージがあり、それを避けるため、とくに若者にアピールするサブコンパクトモデルでは、4ドアであっても後部ドアのハンドルを隠して2ドアっぽく見せる傾向がある)。
ちなみにCピラーにも「大蛇とサラセン人」が再現されているようですね。
さらには「TZ」を連想させるカムテールを持ちますが、アルファロメオの過去モデル、ブランドの歴史へのオマージュに加え、ランチア同様に「もはやクルマを超えて芸術品ともいうべき」デザインにまでその伝統が昇華されているように思います。
ミラノのボディサイズは長さ4.17メートル、幅1.78メートル、高さ1.5メートルなので、かなりコンパクトな部類だと言ってよく、このサイズの中にアルファロメオのアイデンティティが凝縮され、さらには力強さまでもが感じられるようですね。
パワートレインに関してだと、エレクトリックバージョン(ELETTRICA=エレットリカ)では156馬力と240馬力版(ヴェローチェ)が用意され(航続距離はWLTPサイクルで約402km)、ハイブリッドモデルではターボチャージャー付き1.2リッター3気筒エンジンと21kWを発生するエレクトリックモーター+6速デュアル クラッチトランスミッションという組み合わせ(システム合計136馬力)。
新型アルファロメオ・ミラノのインテリアはこうなっている
そしてアルファロメオ・ミラノのインテリアに目を移すと、まずそのコンセプトは「あらゆる細部へのイタリアのこだわり、最高級の素材の使用、ドライバーの手の届く範囲にすべてのコントロールが配置すること」。
伝統的な「カノッキアーレ」デザインを持つメーターは10.25インチTFTスクリーンにて構成され、これを補完するインフォテイメントスクリーンもまた10.25インチ。
そして画像ではちょっとわかりにくいものの、エアコン吹き出し口にはクアドリフォリオ (四つ葉のクローバー)がアレンジされるなど、インテリアにおいてもアルファロメオらしさが存分に発揮されているようですね。
そのほか(純正もしくはオプションにて)マッサージ機能付きシート、レベル2の自動運転、コネクテッド ナビゲーション、180度リアカメラ、ハンズフリー電動テールゲート、近接アクセス技術採用キーレス システムなど様々な機能や装備が提供されており、ステランティスならではのシナジー効果を活用した、非常に競争力の高いクルマに仕上がっていると思います。
なお、価格については現時点ではアナウンスされておらず、日本への導入についても言及がなされていない状態です(北米では販売されないことが決定している)。
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参照:Alfaromeo