| シューティングブレークは、もともと貴族が狩りをするときに使用する馬車だった |
ニューモデル、とくに新しいスーパーカーが発売されると必ず登場するのが「もしも」系レンダリング。
クーペであればオープン、オープンであればクーペといった具合に「もしも、こういったバリエーションがあったなら」というIF設定のレンダリングですが、「もしオフローダーだったら」「もし廉価版が登場したら」「もしハイパフォーマンスモデルが登場したら」といった具合に様々な作品が目を楽しませてくれます。
マクラーレンは実際にワゴンボディを作るべきだ
そして今回登場したのがマクラーレンGTのワゴン。
マクラーレンGTはサーキット走行ではなく「ツーリング」を主な用途に設定したグランドツアラーで、リアに「ゴルフバッグが載る」スペースを持つミドシップスポーツ。
ただ、画像を見ると「ゴルフバッグ一個」しか積載できないようで、ここは同じミドシップながらも「ゴルフバッグ二個」を積めると主張している新型コルベット(C8)とは大きく異るところです。
そこでRain Prisk氏がなんとかしようと思ったのかどうか定かではありませんが、今回公開されたのが「マクラーレンGTシューティングブレーク」。
そして単にリアのカーゴスペースを最大化するだけではなく、エンジンをフロントに移してしまったのがこのレンダリングのもう一つの特徴。
おそらくは「ミドシップ」のままだとカーゴスペースが狭くなると判断したのだと思われ、これもまさにレンダリングならでは、といったところ。
ただ、現実であっても、マクラーレンは他モデルとの差別化を考えて「ミドシップレイアウトのままシューティングブレークにしてもいいんじゃないか」と考えることもあり、「本家からの発売」も期待してしまいます。※マクラーレンはSUVを作らないと断言しているので、なおのことシューティングブレークが欲しい
「射撃ブレーキ」?
なお、下はそのRain Prisk氏のFacebookの投稿ですが、自動翻訳にて「 マクラーレンgtがフロントエンジンの射撃ブレーキだったら? 」と表示されています。
射撃ブレーキってなんのことだろうなと考えてみると、これはどうやら「シューティングブレーク(Shooting Brake)」をムリに訳したもののようで、「Shooting=射撃」「Break=ブレーキ」と翻訳されてしまったようですね。
これに限らず、自動翻訳や機械翻訳にはこういった例が多々あり、世の中がいかにAIだなんだと騒ごうとも、「完全な翻訳」はコンピューターにはムリかもしれないと感じさせる一例です。
シューティングブレークとはこんなクルマ
シューティングブレークとは、ワゴンの一種で、「スポーツカーをワゴンにしたもの」と捉えられることが多いようです。
アストンマーティン・ヴァンキッシュ・ザガート・シューティングブレークがその端的な例だと思われますが、フェラーリGTC4ルッソもこれに該当しそうですね。
クルマのボディ形状(クーペやカブリオレ等)は基本的に馬車の形状に由来していますが、このシューティングブレークも例にもれず、シューティングとは「狩り(貴族の行うハンティング)」、ブレークは「(上部分がない)フレームだけの馬車」という意味合いがあり、こういったワゴンの荷台に狩猟用の装備を積み込めるようにしたものが”シューティングブレーク”とも言われます。
なお、「ワゴンボディ」なのは(長い)猟銃を積むためなのかもしれません。
ちなみに英国では、狩猟を行う人を「スポーツマン」と呼ぶことがあり(狩猟はまさに貴族のスポーツ)、アストンマーティンはかつて、「V8」をベースにした「V8スポーツマン」なるシューティングブレークを少量生産していますが、これこそまさに「シューティングブレークのルーツ」をよく表した、貴族向けのクルマなのでしょうね。
VIA:Rain Prisk