| トランク容量は570GTの370Lに対し570Lへ |
マクラーレンがついにその最新モデルにして究極のグランドツーリングカー、「GT」を発表。
これは予告されていたとおり上質なインテリアと大きな収納スペース、そして「本物のスーパーカー」と呼べるパフォーマンスとを兼ね備えた「マクラーレン第四の」モデルです。※馬力を表す数字がついておらず、単に「GT」とだけ発表されている
系譜としては「スピードテール」から連なると考えてよく、フロント、そして細長いテールランプなど、デザイン的にも共通する部分を持っていますね。
マクラーレン「GT」はSUV待望論に対するひとつの回答
マクラーレンとしてはこのニューモデル「GT」にて新しい顧客を呼び込みたく、よってこれまでのスーパーカーにはない快適性そして収納性を持たせていますが、これはほかのスーパーカーメーカーが「SUV」を発売していることに対する、マクラーレンなりの回答なのかもしれません。
採用されるシャシーはマクラーレン得意のカーボンモノコックですが、このGT用にアレンジされた「カーボンモノセルⅡ-T。
車体重量は1530キロとやや重くなっているものの、これは快適性追求のために遮音材追加や、防音・制振のための処理を施したためだと思われます。※マクラーレン720Sは1322キロ
そしてなんといってもGT最大の特徴は「ラゲッジスペース」。
合計で420リッターものスペースを持ち、画像のとおり「ゴルフバッグを積むことが可能」。
ちなみにリアのガラスフードは「ソフトクローズ(おそらくフードを閉じると自動で引き込まれる)」機能が標準装備となり、オプションでは電動による開閉機能も追加可能。
なお、マクラーレンはこのラゲッジスペースを確保するために「可能な限りエンジンとエキゾーストシステムを低く搭載した」とし、このモデルのために多くを新設計したであろうことも想像できます。
フロントのラゲッジスペースはこんな感じでかなり大きく(前方向まで拡大されている)、容量は150リットル。
前後のラゲッジスペースを足すと470リットルになりますが、これは570GTの370リットルよりもかなり大きなサイズです。
マクラーレンGTのエンジンは4リッターV8ツインターボ、出力は620HP。
トランスミッションは7速デュアルクラッチを採用し、0−100キロ加速は3.2秒。
このエンジン(M840TE)の特徴はピークパワーの95%を3,000回転から7,250回転という広い回転域で生じさせるということで、GTカーだけに「扱いやすさ」を考慮したのでしょうね。
サスペンションについては720Sのオプティマル・コントロール・セオリー・シャシーを採用し、センサーからの入力をもとに「次」を予想して「2ミリセカンド」というごく僅かな時間でダンパーの減衰力を変化させるもの。
なお、ステアリングモードは「コンフォート」「スポーツ」「トラック」の3種から選択可能。
マクラーレンGTのインテリアはこうなっている
マクラーレンGTの内装は快適性を優先させたもので、シートは標準にて電動調整機構やヒーター付き(かなり分厚く、相当な量のクッションが詰まっているように見える)。
マクラーレンいわく「長距離走行に特化しており、肩と背中のサポートはそのために完璧な配分となっている」。
インフォテイメントシステムは「マクラーレンでもっとも洗練されている」とされ、加えてアンビエントライトを標準装備し、オプションでは電動ガラス製スライドルーフを選択可能(ノーマルだとルーフはカーボン製)。
オーディオシステムはBowers&Wilkins製プレミアムサウンドシステムが採用され、12スピーカー+サブウーファーを装備。
なおマクラーレンは車内に伝わる振動を低減するためにエンジンマウントも変更し、これは600LTに比較すると「半分の」硬さにとどまる、とのこと。※可変エンジンマウントの有無は不明
エンジンパワー、そしてオプティマル・コントロール・セオリー・シャシー採用というところから見て、性能的には「スーパーシリーズ(720S)」とスポーツシリーズ(570S/570GT/540C)」との中間といった感じですが、内外装のディティールを見るに、720Sにはない上質さがプラスされた「新しいマクラーレン」だと言えそうです。
マクラーレンGTの納車は年末から開始され、北米での価格は21万ドルから。
VIA:McLaren