■自動車各社業績/ランキング/記録等■

2025年上半期ではBMWがメルセデス・ベンツとアウディに圧勝、「ジャーマンスリー」バトルでは”攻め”のBMWに勝利の女神が微笑む

BMW

| 長年続く「ドイツ御三家」対決、2025年上半期の勝者はBMW |

やはり「攻撃は最大の防御」でもある

2025年上半期の米国市場における各社の販売状況が公開され、メルセデス・ベンツ、アウディ、BMWといった「ジャーマンスリー」の間ではBMWが再びリードを奪ったことが明らかに。

販売台数でメルセデス・ベンツとアウディを大きく引き離し、ブランド間競争で頭一つ抜けた存在となっていますが、ここでその詳細、および各ブランドの好調・不調モデルを見てみましょう。

BMWは安定した成長、セダン系が好調

BMW、メルセデス・ベンツ、アウディ──この”ジャーマンスリー”と呼ばれる3ブランドの競争は何十年も続いているものの、2025年上半期の米国市場ではBMWが圧倒的な強さを誇っています。

BMWはこの期間に178,499台を販売し、2位のメルセデス・ベンツは142,000台、アウディは81,951台にとどまっていて、いずれもBMWに大きく水をあけられる結果となっていますが、メルセデス・ベンツとアウディは前年同期比で販売台数が減少しており、さらなる課題を抱えていることも明らかになり、今後しばらくはBMWの優勢が続くのかもしれません。

L1500737

なぜかBMWでは「SUVがマイナス成長」

BMWの販売増加率は前年比1.6%と控えめながらもプラス成長。

特に注目すべきは、セダンやクーペなど「非SUV」の売れ行きが好調で、11.2%増となり85,000台を超えたこと。

逆にSUVの販売は5.9%減の約92,000台と低迷していて、これは現在の世界的なSUVブーム、さらにはSUV大好きな米国市場の特性を考慮すると「意外な事実」です。※ただ、新型車投入のタイミングなど、一時的な動きだも考えられているようだ

L1500714

EV(電気自動車)の販売は全体で0.7%減と横ばいで、しかし、主力EVであるi4は10.7%増、iXは3.9%増と堅調に推移しており、その一方、i5は30.3%減、i7は11%減と苦戦しているため、「モデルによって明暗が分かれる」結果となっています(EVは全般的に個性的なモデルのほうが売れているようだ)。

なお、BMWでは「ジャンボキドニー装着モデル」の販売が好調だと度々報じられていて、この「攻め」の姿勢が市場からも評価されているのかもしれませんね。※しかもモータースポーツにおいても比較的優れた実績を残しており、勢いがあるのは間違いない

BMW
【驚愕】BMWの“巨大キドニーグリル”は正解だった?実は4シリーズや7シリーズが絶好調

| SNSでの酷評をよそに、“ジャンボキドニー”は成功していた? | グリルが大きい=売れてる?数字が語るBMWの現実 BMWの“キドニーグリル拡大路線”には、長年多くの批判が寄せられており、SNSで ...

続きを見る

メルセデス・ベンツは小幅減も、持ち直しの兆し

メルセデス・ベンツは前年同期比6%減と落ち込みを見せたものの、第2四半期では第1四半期比で11%増となっており、回復傾向が見られ、しかし今のところ明確なモデル別データは公表されておらず、しかし主力SUVがけん引役となった可能性も指摘されています。

なお、メルセデス・ベンツはアメリカ国内での生産拡大計画を進行させている途中でもあり、米国生産を行っていないアウディに対して優勢を強化するなど、今後の巻き返しに期待が集まっています(米国生産を行わなければ、今後はトランプ関税によって輸入車に課税がなされ、米国内での車両価格を引き上げなくてはならず、競争力を失ってしまう)。

L1500598

メルセデス・ベンツ新型CLA、予想を超える需要で早くも生産ライン増強へ。「売れない」はずのEVそしてセダンが売れるナゾ
メルセデス・ベンツ新型CLA、予想を超える需要で早くも生産ライン増強へ。「売れない」はずのEVそしてセダンが売れるナゾ

Image:Mercedes-Benz | 新型CLA、注文殺到で生産ラインに第3シフト導入 | これまでのメルセデス・ベンツとは「全く逆」の動きに メルセデス・ベンツが「受注が好調につき」新型CLA ...

続きを見る

アウディは12%減、モデル全体が販売不振に

そしてもっとも深刻なのがアウディ。

前年同期の約93,000台に対し、2025年上半期は81,951台(約12%減)にとどまっていて、しかも販売減少はほぼ全モデル(A7、Q7、Q8以外)に及び、回復の兆しが見えないというのが現状です。

さらに、第2四半期の販売は第1四半期を下回る結果となり、ここはメルセデス・ベンツとは異なり勢いも失いつつあるところ。

ただし、A5やA6、Q3など新型モデルの導入が始まっていることから、そしてデザインや機能の刷新が開始され大きく商品力を向上させていることからも「今後の反転攻勢」に期待したいところです。

L1490582

アウディの新型Q3、「これまでのレバーがなくなった」ウインカーやワイパー含む操作系の大胆変更に賛否両論。「天才的」と評価する声も
アウディの新型Q3、「これまでのレバーがなくなった」ウインカーやワイパー含む操作系の大胆変更に賛否両論。「天才的」と評価する声も

Image:Audi | アウディとフォルクスワーゲンは「操作系」を大幅変更 | アウディは「操作する楽しみ」を残すと発表していたが つい先日、2026年モデルとして登場したアウディ新型Q3は、その外 ...

続きを見る

合わせて読みたい、関連投稿

BMW
【BMWの真意】ガソリンエンジンは終わらない──「内燃機関は我々の基盤である」。EV一辺倒に背を向けた“現実的”戦略とは

| 他社がEV目標を後退させる中、BMWは「最初から約束していない」 | 内燃エンジンは「未来のビジネスを支える基盤」 テスラが電気自動車(EV)の販売目標を修正し、「完全EVブランド」への移行を計画 ...

続きを見る

BMW次期3シリーズの情報がリーク。まずはEV版「i3」が2026年登場、M3電動モデル「iM3」は最大700馬力、Mモデル初の4モーター仕様
BMW次期3シリーズの情報がリーク。まずはEV版「i3」が2026年登場、M3電動モデル「iM3」は最大700馬力、Mモデル初の4モーター仕様

Image:BMW | 次世代BMW 3シリーズは2026年に先陣を切って登場、EV版「i3」と「iM3」は完全新設計 | フル電動版「Mモデル」は予想よりも早く登場しそうだ さて、BMWが2026年 ...

続きを見る

BMW、ニュル24時間で5年ぶりの総合優勝。実戦に投入された天然繊維素材使用の軽量技術にも注目が集まる
BMW、ニュル24時間で5年ぶりの総合優勝。実戦に投入された天然繊維素材使用の軽量技術にも注目が集まる

Image:BMW | BMW、ニュルブルクリンク24時間で5年ぶりの栄冠 | BMWは今年のル・マンでも「一発の速さ」を見せており、モータースポーツでの存在感を強めそう ドイツ・ニュルブルクリンクで ...

続きを見る

この記事が気に入ったら
いいね ! しよう

-■自動車各社業績/ランキング/記録等■
-, , ,