>ロールスロイス(Rolls-Royce)

その価格数十億円、ロールス・ロイスのワンオフモデルはどうすれば注文でき、どうやって作られ、どう支払うのか?同社CEOが疑問に答える

ロールス・ロイス

| ロールス・ロイス・スウェプトテイルは軽く30億円を超えるコストを顧客が支払ったとされている |

そしてこのワンオフモデルは限られた顧客しかオーダーできない

さて、ロールス・ロイスはこれまでにも「スウェプテイル」「ボートテイル」といったコーチビルドモデルを販売していますが、今回「どうすれば」それらを注文できるのか、そしてその製作の過程はどうなっているのかについて語られています。

ロールス・ロイスのクルマは「カタログモデル」であっても最高の素材と最高のクラフツマンシップを使用して作られたものであることがわかりますが、コーチビルドモデルはさらに素材やフィニッシュを高いレベルへと引き上げており、そこに「自分が思い描いた理想」を反映させることも可能です。

ここで、その幸運にあずかるにはどうしたらいいかを見てみましょう。

価格15億円、ワンオフのロールスロイス”スウェプテイル”がなぜかBMWアブダビにて展示

| その価格15億円、世界で最も高価な新車 | ロールスロイスがワンオフで制作した、ロールスロイスSweptail(スゥエプテイル)がBMWアブダビ(ロールスロイスとミニも扱っている)に展示中。 これ ...

続きを見る

ロールス・ロイスのコーチビルドモデルは誰でもオーダーできるわけではない

まず、このロールス・ロイスのコーチビルドモデルは「誰でもオーダーできる」わけではないのだそう。

フェラーリが(限定モデルの販売に際し)慎重に顧客を選定するのと同様で、ロールス・ロイスも「誰にコーチビルドモデルを販売するか(ふさわしいか)」を厳密に見極めているといい、よっていかにお金を持っているコレクターがロールス・ロイスに対し「コーチビルドモデルを作って欲しい」と話を持って行ったとしても、まずロールス・ロイスはこれを受けないとしています。

ロールス・ロイス

これについてロールス・ロイスCEO、トルステン・ミュラー・エトベッシュ氏は「コーチビルドカーを一緒に作ろうというオファーを受けるのは、私たちの最高のクライアントだけです。ぜひやりたいというクライアントはとても多いんですが、それらは全て断っています」とコメント。

たとえばドレイクやフロイド・メイウェザー・ジュニアなど、自身のガレージにロールス・ロイスを並べているセレブは数知れず、しかし彼らがロールス・ロイスの望む人物ではなく、かつ彼らが行うカスタムがロールス・ロイスの意向に沿わない場合もあり、そういったケースでは「いかにこれまでに多くのロールス・ロイスを購入していたとしても、コーチビルドプロジェクトのオファーを行うことなない」ものと考えられます(よって彼らはアフターマーケットパーツにて自身のロールス・ロイスをカスタムするよりほかはない)。

まさかのクロムハーツとのコラボ!ラッパーのドレイクが内外装ワンオフ「クロムハーツ仕様」ロールスロイス・カリナンを披露
まさかのクロムハーツとのコラボ!ラッパーのドレイクが内外装ワンオフ「クロムハーツ仕様」ロールスロイス・カリナンを披露

| 様々なコラボを行ってきたクロムハーツだが、自動車とのコラボははじめて見た | さて、カナダ出身のラッパー、ドレイクが「クロムハーツとのコラボレーションによってカスタムされた」ロールスロイス・カリナ ...

続きを見る

ロールス・ロイスのコーチビルドモデルはどこからアイデアが出るのか?

そして次は、ロールス・ロイスのコーチビルドモデルのアイデアがどこから出てくるのか。

これはロールス・ロイスが(自社の技術をアピールするために)その仕様などの提案を行うわけではなく、「クルマがオーダーメイドなのであれば、そのクルマの背景にあるアイデアさえも、オーダーメイドでなければならない」。

トルステン・ミュラー・エトベッシュ氏は「私たちは、世界中のクライアントと密接に連絡を取り合っています。また、長年にわたり、私たちの最高のクライアントに報いたいと考えています。アイデアは私たちから生まれるものではありません。クライアントは、自分たちが考えていることや、どうあるべきかを説明し、それからデザイナーと一緒にスケッチを始めます。そこからが私たちの仕事です」と述べており、つまり全ての起点はクライアントにあり、クライアントが思い描いた夢を実現する手伝いをするのがロールス・ロイスということになりそうですね。

ロールスロイス

さらにトルステン・ミュラー・エトベッシュ氏は「私たちがクライアントを厳選する理由は、クルマを作るということがどういうことなのか、一定の理解が必要だからです。ファンタジーは素晴らしいが、技術的な限界もある。申し訳ないが、これは不可能だ と言うこともあるのです。だから、技術的にも一定の理解があるお客様を選んでいるのです」。

さらに、こういったコーチビルドモデルを作るに際し、顧客はロールス・ロイスと密接に連絡を取る必要があり、さらには試作品のチェックに立ち会う必要があるため「多くの時間を費やす覚悟が必要」だとも。

つまりは(プライベートジェットを所有していて)頻繁にロールス・ロイス本社(グッドウッド)まで足を運ぶことができる顧客でないとこういったコーチビルドモデルを作ることは難しいということになり、ただし「一緒にデザインを作ることになる」ため、クレイモデルの製作に立ち会い、ときには「粘土を削る」ことすら許されるのだそう。

Rolls-Royce-Boat-Tail-Mother-Of-Pearl-3

ロールス・ロイスのコーチビルドモデルはどれくらい製作期間がかかるのか?

そしてこれらコーチビルドモデルについて、製作期間は「およそ4年くらい」。

もちろんどこまでの「夢」を実現するかにもよりますが、「プロジェクトの繊細さに大きく左右されます」と言います。「最初のデザインスケッチから最終製品まで4年はかかる」といい、しかしロールス・ロイスは複数のプロジェクトをうまく組み合わせて同時進行させることができるようなったため「2年ごとに完成車を送り出せるようになった」。

なお、こういったコーチビルド車のコストについては、シャネルのオートクチュールのように「メゾンとクライアントとの間の秘密」ということになり、よってその価格は「非公開」。

ただしウワサだと「最低で1億3000万円くらい、ボートテイルだと35億円くらい」だとされ、とんでもなく高額であることは間違いなさそうですね。

Rolls-Royce-Boat-Tail-Mother-Of-Pearl-1

最後にその「支払い」についてですが、クライアントがいつそのコーチビルドモデルの価格を支払うのかについて、それは「プロジェクトの進行の都度」。

つまりは注文時にデポジットを支払い、スケッチ作成が終わった後に別の料金を支払い、塗装に同意したらさらに金額を支払い、その他の仕上げ、素材、機能、特別なリクエストが承認されるとさらに段階的に支払うということになるのだと思われ、そしてその内容によって(その都度の)価格は大きく変動することになるのかもしれません(つまり、プロジェクトが始動した段階では、総額がいくらになるのかわからない)。

合わせて読みたい、ロールス・ロイス関連投稿

ロールスロイスが今後世界各地に「本社と同じ顧客体験ができ、その場でオーダーメイドモデルやワンオフモデルを注文できる」プライベートオフィスを開設。第一号はもちろんドバイ
ロールスロイスが今後世界各地に「本社と同じ顧客体験ができ、その場でオーダーメイドモデルやワンオフモデルを注文できる」プライベートオフィスを開設。第一号はもちろんドバイ

| ロールスロイスの顧客は「自分の要望を実現するためであれば」お金を気にすることは無さそうだ | すでにロールスロイスの顧客のオーダーメイド率はすでに100%近いというが、今後はその内容をさらに高度化 ...

続きを見る

ロールスロイス「ワンオフモデルの製作を拡大し、真のラグジュアリーハウスへと移行する」
ロールスロイス「ワンオフモデルの製作を拡大し、真のラグジュアリーハウスへと移行する」。実際にカスタム部門の再編成を発表

| 今年の第1四半期に製造されたロールスロイスはすべてオーダーメイド | これからのロールスロイスの方向性としてはこれが「正しい」のかも さて、ロールスロイスが今後ワンオフモデル事業を拡大すると発表。 ...

続きを見る

新車価格5.5億円のワンオフ・ロールスロイス!半額以下の2.3億円で販売されるも何年経てども売れずに残る・・・

| 注文したのはイギリス人の富豪。納車後半年で売りに出される | https://www.flickr.com/photos/110074903@N02/49772055172/in/album-72 ...

続きを見る

参照:CARBUZZ

この記事が気に入ったら
いいね ! しよう

->ロールスロイス(Rolls-Royce)
-, ,