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ルノーが初代トゥインゴをEVで蘇らせる。ルノーCEO「日本の軽自動車にヒントを得ました。不要なパーツを排除することで300万円以下での発売を目指します」

ルノーが初代トゥインゴをEVで蘇らせる。ルノーCEO「日本の軽自動車にヒントを得ました。不要なパーツを排除することで300万円以下での発売を目指します」

| おそらくこのトゥインゴは「中国車対策」として急遽考案された計画外のモデルだと考えている |

いずれにせよ、こういった楽しいクルマが増えるのは大歓迎である

さて、ルノーが投資家向けに開催したキャピタル・マーケット・デイにて「初代トゥインゴの復活」について正式にコメント。

これはルノーCEOのルカ・デ・メオ氏が直接述べたもので、その価格は驚きの2万ドル(約300万円)に設定され、これはテスラやフォルクスワーゲンが計画している25,000ドルのEVよりもずっと安価なプライシングです。

加えてルカ・デ・メオCEOは価格面で中国のライバル車と競争できるほか、生涯CO2総排出量が(2023年に欧州で販売される)平均的な内燃機関車よりも75%低いことについても触れ、”トゥインゴEV”の効率性も極めて高いということにも言及しています。

Renault-Twingo (3)

新型トゥインゴは製造コストが「非常に低い」

なお、現在欧州では中国製の安価なEVが輸入されることで大きくその勢力図に変動が発生しており、とくに普及価格帯のクルマを製造しているフォルクスワーゲン、ルノーやシトロエンがこれによる打撃を受けている、と報じられています。

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よってステランティスは「中国車との戦争に備える必要がある」と語った後、様々な手段を検討した上で「中国の自動車メーカーと手を組み」、フォルクスワーゲンもまた同様の決断を行っています。

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そんな中、ルノーは(ガソリンエンジンの開発を行う合弁会社を吉利汽車と設立したものの)中国の自動車メーカーの協業よりも自社による生産効率化の追求を選んだと見え、この新型トゥインゴについては(一般的な)コンパクトSUVよりも50%安価に製造できるといい、この 生産コストの大幅な削減は不要なトリムや部品を取り除くことで達成されるとのこと。

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参考までにですが、ルノーと日産は新しいコンパクトEV向けのプラットフォームを開発しており、これは復活するルノー5、そして次期日産マーチに採用されて「ボトム」を担うはずであったのだと思われますが、予想外に安い中国車の流入によってそれら「ボトム」でも高い部類となってしまい、よって急遽この「トゥインゴ計画」が持ち上がったのかもしれません。

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新型トゥインゴは日本の軽自動車にインスピレーションを得る

ルカ・デ・メオCEOによれば、新型トゥインゴは「日本の軽自動車、つまり所定の規制に従って設計された手頃な価格でコンパクトなクラスの自動車からインスピレーションを得た」とコメント(アライアンス関係にある日産のサクラにヒントを得たのかも)。

ここから察するに、新型トゥインゴは「限られた速度内で、限られた航続距離を有する」シティカーあるいはマイクロカーに近い性格を有することになるものと思われ、コンパクトカーの一歩手前の位置に留まるのかもしれません。

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なお、なぜルノーが「初代トゥインゴ」のデザインを現代に蘇らせるのかについては言及されていませんが、ルノーは「5」「4」といったリバイバル路線を採用しており、そこで「当時コンパクトカーに革命を起こした」トゥインゴを復活させ、当時と同じような革命をもたらしたいと考えたのだと思われます。

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実際に発表されたコンセプトカーはまさにトゥインゴそのもので、ヘッドライトの他、ボンネット上のエアインテークまで再現されることに(ただし新型トゥインゴでは、ここに充電残量が表示されるようだ)。

さらには「Twingo」のロゴ、前後ランプ、ドアハンドルなど当時のトゥインゴの持つ特徴を大事にしつつ、しかし現代的にアップデートした意匠も見逃せず、初代同様に楽しいクルマ、そして街の風景を変えてくれるクルマになるのは間違いなさそう。

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なお、この新型トゥインゴを設計・製造するのは11月1日に設立されたばかりの新会社「アンペア」だと思われ、というのもこの会社は欧州を拠点としてルノー、そしてそのアライアンス関係にある会社のEVの設計と開発、製造を行う予定だから。

実際に今回のキャピタル・マーケット・デイでは、アンペアは2031年までの(ルノーだけで)7台のEVを生産することになるとも発表されており、次世代EVと目されるメガーヌE-TECHもここに含まれると説明されています。

ルノー「キャピタル・マーケット・デイ」にて新型トゥインゴの発表を行う様子はこちら

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