メルセデス・ベンツ、アウディ、BMW「ジャーマンスリー」が揃ってリコール届け出。メルセデスだとマイバッハ含め「ルーフが飛んでゆく」可能性

｜　しかも今回のリコールには上位モデルが多く含まれ、高級車神話にも影響しかねない　｜

さらにリコールの内容は多種多様

さて、日本国内においてBMW、メルセデス・ベンツ、アウディといった「ジャーマンスリー」が相次ぎリコールを発表。

それぞれの内容をここで紹介したいと思いますが、まずBMWは5シリーズ（i5含む）、7シリーズ（i7含む）の合計941台にリコールを届け出ており、その内容は「ステアリングホイールの（電気的）接触不良。

BMWジャパンはドイツ本国からの情報に基づいて今回のリコールを実施するといい、対応の内容としては「点検を行い、必要に応じて補修を行う」。

この問題による不具合件数と事故はゼロ、そして問題の内容は以下の通りに報告されています。

ステアリングホイール内にあるケーブル締結部のボルト穴の掘削深度が不適切であったため、ボルトが締め付けられた状態でケーブルが正しく圧着できていないものがある。そのため、接触不良となり、ハンズオフ警告や緊急停止が正しく作動しないおそれがある。

国土交通省

メルセデス・ベンツは2件のリコールを届け出

そしてメルセデス・ベンツは2件のリコールを国土交通省へと届け出ており、1件目は「ルーフパネル」。

なんと走行中に剥がれる可能性が指摘されていますが、なんと日本国内で6件の報告があるそうです（これに起因する事故はゼロ）。

対象となるのはAクラス（CLA含む）、Cクラス、GLA、GLC、GLE、Sクラス（マイバッハ含む）という幅広いモデルに及んでいますが、製作期間は平成25年7月29日～令和2年1月6日に限定され、対象となるのは198台となっています。

対応としては「ルーフの装着し直し」、問題の内容としては以下の通り。

車体に接着で取り付けられているルーフパネルにおいて、使用過程にて修理を行った際の作業指示が不適切なため、適切な接着強度で修理されていないものがある。そのため、走行風などで剥離が進み、最悪の場合、走行中に剥がれ飛ぶことで他の交通の妨げになるおそれがある。

国土交通省

そしてもう一つはおなじみ「燃料ポンプ問題」で、対象となるのはCクラス、Eクラス、Sクラス、GLE）、GLS、Gクラス、AMG SL、AMG GT、AMG GT 4ドアクーペ、GLSマイバッハ、マイバッハSクラスの5,390台が対象となっています。

問題の内容は以下の通りで、これらについては燃料供給モジュールの交換が必要となり（実際に67件の問題が発生している）、問題の内容は以下の通り。

燃料ポンプのインペラ（樹脂製羽根車）において、製造が不適切なため燃料によって膨潤して変形するものがある。そのため、インペラがポンプハウジングと接触することで燃料ポンプが作動不良を起こし、最悪の場合、走行中にエンストするおそれがある。

国土交通省

アウディの不具合は「バッテリーセル」

そしてアウディが届け出たのはバッテリーの加熱による発火の可能性。

対象となるのは令和2年7月1日～令和2年11月25日の間に輸入されたe-tron349台で（けっこう売れていることに驚く）、現在は以下の不具合に対して「暫定措置」を施すより方法がないもよう。

なお、もしEVのバッテリーに致命的かつ物理的問題が生じると、その構造上「丸ごと交換を行う」より方法はなく、これは自動車メーカーにとって多大なコスト負担が生じるという事実を意味しており、さらには「輸送中の貨物船が火災によって沈没」したりするとその損害は文字通り天文学的な数字となってしまい、こういった側面も「なかなか自動車メーカーがEV中心のラインアップに切り替えることができない」事情のひとつなのかもしれません。

高電圧バッテリーにおいて、セルモジュールの製造公差の設定が不適切なため、公差の大きいセルモジュールがある。そのため、特定条件下で充放電特性に関して不規則性が生じることがあり、影響を受けるセルモジュールとバッテリーの充電量が上限の範囲にある場合、セルバランス制御の放電時にバッテリーが過熱し、最悪の場合、火災に至るおそれがある。

国土交通省

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