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最新のタイヤに関する調査では「ガソリン車オーナーよりもEVオーナーの方がタイヤに対する不満が高い」。早すぎる摩耗について「事前に知らされていない」という声も

2024/04/01

最新のタイヤに関する調査では「ガソリン車オーナーよりもEVオーナーの方がタイヤに対する不満が高い」。早すぎる摩耗について「事前に知らされていない」という声も

| そのほか高額な保険や修理費についても十分な説明がなされないままにEVが販売されている可能性が高い |

ちなみに最も満足度が高いのはミシュランであり、21年連続で満足度ナンバーワン

さて、調査会社であるJ.D.パワーが公開した最新のリサーチによると、「ガソリン車オーナーと、EVオーナーとの間で、タイヤに関する満足度の差が大きくなりつつある」。

これは昨今よく報じられるようになった「EVのタイヤの減りが非常に早い」という問題に起因するもので、EVの購入前には誰からもうそういった説明を受けなかったとして、その不満が増大する傾向にあるのだそう。

J.D.パワーのベンチマーク担当シニアディレクター、アシュリー・エドガー氏は「EVとガソリン車におけるタイヤ満足度の差が拡大していることは、タイヤメーカーや自動車メーカーが、EV所有者に性能・性質の違いを教育する機会を浮き彫りにしている」。

つまりタイヤメーカーや自動車メーカーが「EVのタイヤの減りが早い」という啓蒙活動、そして販売時における周知を行っていないために「買ってから初めてその問題に直面することになった」消費者が怒りを感じているというわけですね。

「摩耗スピードはガソリン車の倍」。タイヤメーカー各社ともEV専用の「減りにくい」タイヤを開発しているが、ガソリン車用タイヤと比較してどう違うのか
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現在の技術では、この問題を解決するのは困難である

なお、EVのタイヤの減りが早いのは「車体重量が重いので」加速時や減速時、コーナリング時においてそれを支えるべくタイヤが強い摩擦力を発揮すること、そしてエレクトリックモーターならではの強力なトルクに起因する(やはりタイヤと路面との)摩擦の発生ですが、現在のタイヤ設計・製造に関する技術において、この問題を解決するのは「非常に困難」。

実際のところ「問題を解決できないために」こうした不満が広がっているわけですが、この問題の解消はタイヤメーカーのみならず自動車メーカーにとっても「優先すべき課題」だとも考えられます。

さらに「タイヤの摩耗」はユーザーへと負担をかけるだけではなく、タイヤから多くのダストを排出するために人体への影響も報じられ、呼吸器疾患、腎臓障害、神経障害を引き起こす可能性がある、と言われます。

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加えて「タイヤが削られる」ということは「アスファルトを削る」可能性がガソリン車よりも高く(この観点において、EVこそ増税すべきという意見もある)、よってこの観点からだと健康や環境に対する負荷がガソリン車よりも高いものと考えられ、今後EVセグメントが成長するにつけ、ここはなんとか改善すべき分野なのかもしれません。

ちなみにですが、EVのタイヤは軒並み直径が大きく、これは高トルクというエレクトリックモーターの特性を活かせること、乗り心地を向上させること、1回転あたりの距離が長いので航続距離を(小さいタイヤに比較すると)伸長させることができるなど様々な意図があるのだと思われますが、もしかすると(より小さな直径のタイヤに比較すると)減りが遅くなるというメリットを期待しているんじゃないかと思ったり。

純正装着タイヤに対する満足度は21年連続で「ミシュラン」

なお、今回のJDパワーの調査によって明らかになったのは「ミシュランの支持が圧倒的」ということで、それがどのレベルにあるかというと「21年連続で顧客満足度ナンバーワン」といえばわかるかもしれません(ちなみにぼくの評価ではミシュラン、ヨコハマ、ダンロップの順)。

JDパワーの調査によれば2位はグッドイヤー、3位はクムホ、4位ブリジストン、5位ヨコハマ、6位ファルケン、7位ピレリ、8位コンチネンタル、9位ファイヤストン、10位ハンコック、11位ネクセン、12位トーヨーとなっていますが、これらのランキングはタイヤの乗り心地、タイヤの摩耗、タイヤのトラクション、タイヤの外観の4つの分野において、2023-2024年モデルの車両を所有する31,414人のオーナーに対する調査結果が集計されたものである、と説明されています。

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参照:JD Power

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