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BMWが「自社のEVに試乗してくれたら、1台につき1本の植林を行う」というキャンペーンを実施。これで「EV食わず嫌い」「環境活動家」の需要を喚起できるか

2023/05/03

BMW

| あまりに選択肢が多い現代において、まずは試乗してもらいコンタクトポイントを作らねば購入の検討対象になり得ない |

自動車メーカーも「より多くの人に試乗して自社製品を知ってもらいたい」と考えている

さて、BMWの北米法人が(自然環境保護団体である)シーニック・アメリカ(Scenic America)とのタイアップにて、BMWのEVはこ顧客が1回試乗するにあたり、1本の木を植える、と発表。

BMW オブ・ノースアメリカのマーカス・ケイシー氏によれば、「このプロジェクトは、BMWの価値観や信念とうまく合致しています。サステイナビリティは、BMWグループの価値観の中核をなすものであり、私たちが作るクルマの枠を超えて、私たちを取り巻く世界での生活や活動のあり方にまで及んでいるからです」とコメントしています。

なお、この木が植えられるのは、火災で被害を受けた森林だといい、BMWとしては「増え続ける(BMWの)ピュアエレクトリックカーのラインナップを紹介することができるうえ、植林という形で地球に恩返しができる」と捉えているもよう。

たしかにBMWはサステイナビリティに注力している

BMWは「iブランド」をスタートさせる際、単にEVを作るのではなく、その生産工程においても「クリーンでなくてはならない」として(クリーンエナジーで稼働する)工場を新たに建設していますが、そのほかにもリサイクル素材を使用すると発表したり、車体そのもののリサイクル率を向上させるとも発表済み。

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残念ながらi3、そしてi8はすでに生産を終了しているものの、現在BMWはiX1、iX3、iX、i4グランクーペ、そしてi7といった(意外と多い)電気自動車のラインアップを持っており(国や地域によって販売されるモデルは異なる)、そしてEVについては「食わず嫌い」な消費者も少なくはないものと見られ、よって今回の試乗キャンペーンについてはBMWの言うとおり、非常に良い機会となるのかもしれません。

ちなみにBMWは、トヨタと同じく「ガソリンエンジンはすぐになくならない」として内燃機関をしばらく存続させる見込みではあるものの、その一方でEVについても積極的に取り組んでいて、2023年第1四半期だと米国だけで6,588台のEVを販売し、これは総販売台数の8%にあたるのだそう。

そしてプラグイン・ハイブリッドを加えるとその数字は17%に増加することになり、ここはトヨタとは大きく異るところだと思います。

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やはりクルマは乗らないとわからない

試乗については色々な考え方があり、「買うと決めたクルマしか試乗してはならない」的に捉える人も多いのですが、ぼく自身、クルマは「乗ってみないとわからない」とも考えていて、実際に運転してみるとその素晴らしさに驚かされ、買うつもりはなくても買ってしまったという例もいくつか存在しています。

よって機会があればなるべく多くのクルマに乗るようにしていて、そしてクルマを買う機会が生じた際、試乗して記憶に残っていたクルマの中から候補を選ぶことになり、選択肢を広く持つための行動が「試乗」ということに(これはぼくだけではないと思う)。

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よって、試乗すらする気が起きないクルマはそもそも「買う機会すら無い」わけですが、そういったクルマの中であっても、試乗してみたらとたんに興味が出てくる」というクルマがあったかもしれず、だからこそ「消費者の選択肢のひとつに入れてもらうべく」自動車メーカーはあの手この手で試乗の機会をつくり、より多くの消費者の選択肢たり得ようとしているのかもしれません。

そして今回のBMWのキャンペーンの場合、クルマを購入しようとは考えていなかったり、自動車に対して否定的であった(一部の過激な)環境活動家の興味を喚起する可能性も考えられ、ここでまたひとつのチャンスが生まれるのではないか、とも考えています。※実際に購入に至らずとも、環境活動家の(自動車に対する)考え方が変われば、それもひとつの効果だと思う

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参照:CARBUZZ, Scenic America

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