| BMWはトヨタ同様、EVオンリーの未来に異議を唱える自動車メーカーのひとつであるが |
それでも次世代EV「ノイエクラッセ」の開発などエレクトリック化にも進んで対応する姿勢を見せている
さて、現在の自動車メーカーでは電動化に対する考え方が大きく分かれており、代表的なところだとメルセデス・ベンツやフォルクスワーゲンは「電動化一筋」、そしてトヨタとBMWだと「ガソリンエンジンも今後しばらくは生き残ると考え、ガソリン車にも注力」。
さらに電動化に集中するメーカーやグループであってもその方向性に相違があり、メルセデス・ベンツは「高級EVに特化」、しかしステランティスは中国製の安価な(普及価格帯の)EVと戦う姿勢を見せています。
-
メルセデス・ベンツは「これから超高級EVが売れる」と確信。マイバッハやEQシリーズ投入後、同社の平均販売価格は40%上昇、この1年で利益は28%増
| メルセデス・ベンツはこういった事情もあって「競争の激しい小型車を切り捨て、超アッパーマーケット」へと注力 | やはり持つべきものは「ブランド力」 さて、メルセデス・ベンツはかねてより「小型車ライン ...
続きを見る
ガソリンエンジン存続派でも対応が分かれる
そしてガソリンエンジンが生き残ると主張するトヨタとBMWとの間でも方針が大きく異なっていて、たとえばトヨタは「電動化においてはハイブリッドに集中すべきであり、EVへの全面的シフトは正解ではない」。
-
トヨタ「EVに全面的に取り組むことは、ビジネス上の判断として間違っているだけでなく、環境にも悪い」。ある意味ではトヨタの考え方も理解でき、もしかすると生き残るのはトヨタかも
| ただしトヨタが生き残るのは「トヨタが想定する理由」とは異なる要因からだと考える | どう考えても、普及価格帯のEVは中国製EVには勝てないだろう さて、「もっとも環境に優しくない自動車メーカー」「 ...
続きを見る
一方のBMWはガソリンエンジンの開発を継続しつつも「ハイブリッドではなくピュアエレクトリックカーの開発にも同じくらい、もしくはそれ以上に注力し、2025年には次世代EVシリーズを発売する」。
-
BMWが2025年に採用する「ノイエクラッセ」プラットフォームは最大で4モーター、1,341馬力まで対応可能。ついにBMWエンジニアの夢であるスーパーカーが実現か
| BMWのエンジニアはずっとスーパーカーを作りたいと願いつつ、いつも役員会に却下されてきた | 今度こそは様々な条件が「揃い」実現するかも さて、実現しそうで実現しないBMWのスーパーカー。BMWは ...
続きを見る
ただしBMWは少し前から「新型ガソリンエンジンをいくつか開発中」だとも伝えられており、今後ますます厳しくなる環境規制に対してガソリンエンジンにて挑む姿勢を見せています。
-
BMW「新型V6、V8ガソリンエンジンを開発中」。おそらくBMWは高コストなPHEVを嫌い、ガソリンエンジン単体で排ガス規制に挑むようだ
| 非常に困難な道のりだとは思うが、これが実現できればメルセデス・ベンツを大きく引き離すこともできそう | ただし常識的に考えると、とても将来の排ガス規制はガソリンエンジン単体で乗り切れるものではない ...
続きを見る
BMWは小排気量エンジンに興味はないと伝えられているが
そして今回報じられているのが、「BMWが2027年に新しいガソリンエンジンとその搭載車をリリースする計画を持っている」という話。
これは同社関係者からのコメントだとされ、新しいガソリンエンジンシリーズは、米国製のX3やX5などの車両で構成されるXシリーズのラインナップに搭載される予定だとされますが、(BMWの)オリバー・ツィプセCEOが「内燃機関の全面的な禁止について、自動車産業の成長を阻害する可能性がある」と語ったとおり、BMWの考え方を世に示すものだとも考えられます。
この考え方は、トヨタ同様にビジネスの観点からは理にかなっているものの、この慎重なアプローチは環境保護主義者の間では評判が良くはなく、ただしガソリンエンジン愛好者からすると歓迎すべきものであることもまた事実。
ただ、今回BMWがどういったエンジンを開発しているのかはわかりませんが、ちょっと前に出た報道だと6気筒と8気筒エンジンを開発中だと報じられており、これらに加えて3気筒や4気筒エンジンを開発しているのかもしれません(ノイエクラッセにもガソリンエンジンを積んだハイブリッドモデルを設定する可能性があると言われている)。
参考までに、BMWと同じグループにあるミニ、そしてロールス・ロイスはガソリンエンジンを捨ててピュアエレクトリック化路線を歩むという姿勢を明確に見せており、同じグループであっても戦略が異なるのは面白いところでもありますね。
合わせて読みたい、関連投稿
-
BMWはあくまでも大排気量、マルチシリンダーにこだわる!「他社が3気筒や4気筒エンジンをハイパフォーマンスカーに積んでいるのは知っているが、それは我々Mのやりかたではない」
| ここへきてBMWは完全に他社とは異なる戦略を明確に打ち出し、その排他性を見せつけている | その戦略には多くのエンスージアストが共感するはずだ さて、現在多くの自動車メーカーがそのパワートレインを ...
続きを見る
-
トヨタはこのまま斜陽に?2040年にはトヨタの販売が現在の半分以下の400万台となり、テスラが800万台を販売して世界第二位の自動車メーカーになるというレポート
| このレポートの内容は衝撃的ではあるが、ボクは「現実的であろう」とも考えている | トヨタの考え方も理解でき、そしてEV以外の未来が来るのかもしれないが さて、「2040年には、トヨタの自動車販売台 ...
続きを見る
-
BMWが「ボディやパーツの色を電気的に変更できる」iヴィジョン・ディーを発表!内外装は新世代へ、そして2025年発売の「ノイエクラッセ」からこれら技術を順次採用
| BMWはこれまでのiシリーズを見てもわかるとおり、強い「未来志向」を持つようだ | 今思えば、以前から先進的な操作系を取り入れるなど、常に新しいインターフェースを取り入れてきた さて、現在ラスベガ ...
続きを見る
参照:BMWBlog