| 自動車メーカーは「環境破壊者」としての批判をかわす必要がある? |
ベントレーは今年で「100周年」を迎えており、様々な限定モデルやコンセプトカーを発表するなど積極的に活動していますが、今回は「本社周辺に100本の木を植えた」と発表。
これはイギリスの「ナショナル・ツリー・ウィーク」にあわせた活動、かつ「サステイナブルな未来のための投資」だとアナウンスされており、100本の木々はオーク10本、チェリー15本のほか、メープル、ビーチ、ウォールナットなどバリエーションに富んだ内容となっているようですね。
なお、こういった木は将来的にベントレー各モデルの「ウッドパネル」に活用されることになり、ベントレーいわく「ウッドはベントレーのインテリアにおける重要な未来」だとも述べています。
つまり今後ともベントレーのインテリアにはウッドが使用されるということになり、それらウッドが「ベントレーの本社で育ったもの」ということにもなりますが、これはなかなか面白い取り組みでもありますね。
植林によってある程度は批判をかわせるか
なお、ベントレーは(レンジローバーも)けっこう早い段階からレザーなど動物由来の素材について使用をへらす方針を固め、かつ天然素材の使用を拡大する意向を持っているようで、これはおそらく欧州の知識人、そして高額所得者に配慮したものだと思われます。
欧州においては、いわゆるインテリ層になればなるほど環境意識が高いとされ、そういった人々にクルマを買ってもらうには「クルマの環境負荷を下げる」必要があるのは当然として、そういった努力を行わなければ「買ってもらえないどころか非難の対象になる」のかも。※このあたり、大衆車メーカーであれば矛先が向かないのかも
加えてベントレーは「木はCO2削減に大きな役割を果たす。加えて豊かな自然は労働環境改善にもつながる」としており、様々な面において環境や人々への配慮を行っているということになりそうです。
ちなみにベントレーと同じくフォルクスワーゲングループ傘下にあるブガッティも最近「植林を始める」を宣言したばかり。
ブガッティの場合は、これまでに販売したヴェイロンとシロンが発生するCO2を帳消しにできるだけの木を植えるということですが(オーナーの平均走行距離からCO2の量を算出)、これを「ガソリンエンジン搭載スポーツカー」を作り続けることへのエクスキューズとするようです。
ブガッティが方向転換?「2030年まではガソリンエンジンにこだわる。その代わり、ヴェイロンとシロンが出す排ガスをチャラにするだけの植林を開始する」
こういった活動を見るに、もはや環境に負荷をかける企業は何らかの形でその「償い」をしなければ世間的に許されない状況に追い込まれているようにも感じられ、各自動車メーカーが「エレクトリック化」を急ぐのにはこういった背景もあるのでしょうね(エレクトリック化を進めなければ、地球を汚す会社として社会的に排除されることになるのかも)。
VIA:Bentley