| EQGはラダーフレーム採用ながらもサスペンションが一新されることとなるもよう |
市販時には「EQ」の名がつかないというウワサもあるようだ
さて、ここ最近メルセデス・ベンツ Gクラスにかかわる状況の変化はめまぐるしく、V12エンジンを廃止した後、今年6月には(AMGではない)V8エンジン搭載のGクラスがラインアップから姿を消し、先日は「リトルG」なるスモール版Gクラスが発表されるという噂が流れたことも。
加えてメルセデス・ベンツはGクラスを「ブランド化」する意向を示しており、今後Gクラスに関する様々な展開がなされるものと思われますが、今回メルセデス・ベンツは「量産型EQG(Gクラスのピュアエレクトリックモデル)に限りなく近いプロトタイプ」の画像を公開し、来年にワールドプレミアを行うこと、そしてその前に(おそらくオンラインで)先行公開を行うことについて言及しています。
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コンセプトEQGの発表からはやニ年
なお、この「ピュアエレクトリック版Gクラス」であるEQGは2年前のIAAモビリティ・ショーでデビューを飾っていて、しかし現在に至るまでメルセデス・ベンツはその詳細についてほとんど語っておらず、公式に言及されたのは「クワッドモーターを搭載する」ことくらい。※2012年のSLS AMGエレクトリック・ドライブがクワッドモーターを搭載しているので、EQGはメルセデス・ベンツにとって「クワッドモーターを搭載する2番めのモデル」ということに
そのほか、ウワサとして語られているのはシリコン負極を採用する新型バッテリーを市販車としてはじめて採用するであろうことですが、このバッテリーパックはエネルギー密度が(従来製品に比較して)20~40%向上し、相当なレベルの航続距離の伸長があるものと見られます。
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参考までに、新型テスラ・モデル3はバッテリーやエレクトリックモーターなど「パワートレーンに変更はなく」、しかし車体全体の空気抵抗を引き下げたことで電費を5~8%引き下げたといい、つまりそれくらい空気抵抗が航続距離に及ぼす影響が大きいという事実が示されていて、しかしこのメルセデス・ベンツEQGは見ての通りエアロダイナミクスとはほぼ無縁のボディ形状を持っているため、よほど効率に優れるバッテリーを積まない限りは実用的な航続距離を実現できないかもしれません(おまけに車体重量が3トンくらいになると見られている)。
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市販版メルセデス・ベンツEQGはラダーフレームシャシーを継続
なお、新型メルセデス・ベンツEQGは従来のガソリン版Gクラス同様にラダーフレームを採用するといい、つまりは多くのEVが採用する「スケートボード型シャシー」ではなく、ガソリン車と共通する車体を持つということに。
そして今回、メルセデス・ベンツはこのEQGのフロントにはダブルウィッシュボーン式、リアにはトレーリングアーム式のサスペンションを採用するとアナウンスしており(サスペンション形式については刷新されることになる)、バッテリーはスチール製のケースに収納されたうえでカーボンファイバー強化ポリマーで補強されることについても言及しています。
つまりは徐々にそのスペックが判明することとなっていますが、新型車の発表に先駆け、部分的に情報を公開してゆくのは最近のメルセデス・ベンツの「定番」とも言える手法ですね。
さらには通常の走行モード(エコ、コンフォート、スポーツ)のほか、トレイル、ロック、サンド、さらにあらかじめ設定された速度でオフロードを走行するクリーパーモードを持つほか、パドルシフトで左か右かを選択した後、360度タンクターン(メルセデス・ベンツは”Gターン”と呼ぶ)を行えることについても再度触れています。
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ちなみにですが、メルセデス・ベンツは今後「EQ」という文字を(EVに)与えないという報道もあり、よってEQGについても市販時には「EQ」の二文字がつかないという話もあるもよう。
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これが事実だとすれば、ピュアエレクトリック版Gクラスは「(EQブランドからの発売ではなく)Gクラスのパワートレーン違いのバリエーション」としてラインアップされることになるのかもしれませんね。
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