| ただしタンクターンを使用すればタイヤが一発でツルツルになりそうだ |
しかしそれほどまでにドリフトに対する需要が高いとは
さて、現在多くのハイパフォーマンスカーには「ドリフトモード」が付与されていますが、これはクルマが勝手にドリフトしてくれるわけではなく、自分で「テールがスライドする状態」にまでもってゆき、その状態で車両が「スピンしないよう」一定のスリップアングルに車両のスライドをとどめておくという技術です。
最初にこれを導入したのはフォード・フォーカスRSだと記憶していますが、その後はメルセデスAMG、そしてBMWと続き、「ドリフトモードなど必要ない」と言っていたアウディにも同様の機能が内蔵されているのが現在の状況。
世の中はとにかく「ドリフト」志向に
そして驚くべきは、「スリップはタイムロスに繋がる」というモータースポーツ上の観点からドリフトできないよう(スリップできないよう)な設定を行ってきたフェラーリであっても、F8トリブート以降は公式プロモーション動画にてドリフトを積極的に見せ、ランボルギーニもウラカンEVO RWDにて同様の演出を行っていて、つまりはスーパーカーセグメントにもこの流れが広まっていること。※マクラーレンは720S発表の時点でドリフトモードを採用している
こんな具合でとにかく「ドリフトできないとハイパフォーマンスカーではない」といった風潮があるのが今の風潮なのですが、今回は「メルセデスAMGが、エレクトリック時代になってもドリフトモードを装備する」とカーメディアに語って、これを聞く範囲では、顧客の「ドリフトに対する要望」が非常に強いということがわかります。
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メルセデスAMGは「自律型ドリフト」を計画中
そして興味深いのは、現在メルセデスAMGが「ハイパフォーマンスエレクトリックカーに」与えようとしているのは、上述のような、ドライバーがクルマを追い込んだ状態にドリフトを成立させるようなシステムではなく、「クルマが勝手にドリフトする」という自律型。
つまりクルマが人の手を借りず、勝手に加速して勝手にドリフトするというものですが、メルセデス・ベンツにてグローバル車両開発を管理するヨーグ・バーテルス氏によると「自動ドリフトモード?ええ、もちろんです。クルマがどんな状況にあるのか、常に把握しているからこそできることです。私たちはあらゆるものにセンサーをつけているので、クルマが今どういった状態にあるのかわかるわけですね。ただ、トルクベクタリングのほかに、ドライブ・バイ・ワイヤが必要です。ステアリングを(ドライバーから)取り上げる必要があるかもしれませんから」。
こう聞くと荒唐無稽な技術のようにも聞こえますが、実際にトヨタはスープラでこれを実現しており(実用化となるとまた別の話ではある)、サーキットでは人の手を借りることなく自律してドリフトを行うことに成功。
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そしてメルセデス・ベンツはエレクトリックカーの利点、つまり瞬時に最大トルクを発生させることが可能となること、さらに4輪トルクベクタリング(あるいはタイヤの逆回転)が容易になることを生かし、Gクラスのエレクトリック版にて「タンクターン」を披露しており、この技術も未来のドリフトモードに役立てられることになるのかもしれません。
ヨーグ・バーテルス氏はさらに「タンクターンは実生活で役に立つ機能ではない」と認めつつも「オーナーが自分のクルマを自慢するために必要でもある」とも語っており、実際に同社のEVに搭載される可能性が高いことも認めています。
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さらにBMWはクワッドモーターを搭載したエレクトリックMカーの試作車を公開しており、こちらでも(CGIが含まれますが)やはりタンクターンを見せていて、ピュアエレクトリック時代のハイパフォーマンスカーには「ドリフトモード」に加え「タンクターン」も必須になるのかもしれませんね。
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参照:CarSales