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生産わずか20台、近代のクルマでは「ウルトラレア」なメルセデス・ベンツCLK GTRが競売に登場。予想落札価格は13億円オーバー

2023/11/08

生産わずか20台、近代のクルマでは「ウルトラレア」なメルセデス・ベンツCLK GTRが競売に登場。予想落札価格は13億円オーバー

| メルセデス・ベンツCLK GTRはレア中のレア、売り物はほとんど出てこない |

これまでのオーナーはこのクルマを「定期的に運転していた」というから驚きだ

さて、「超」がつくほど希少なメルセデス・ベンツCLK GTR(1999年)の公道バージョンがF1ラスベガス・グランプリにあわせて開催されるオークションに登場予定。

マクラーレンF1やポルシェ911 GT1とともにシリーズを戦い、1997年と1998年にはFIA GT1チャンピオンシップを獲得した名車でもあり、そのため予想最高落札価格は現代のクルマとしてはそうとうに高い900万ドル(現在の為替レートだと約13億5000万円くらい)というエスティメイトが出されています。

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メルセデス・ベンツCLK GTR シュトラッセンは20台しか製造されていない

このメルセデス・ベンツCLK GTR シュトラッセン(ストリート)はクーペが20台、ロードスターが6台しか製造されておらず、当時のAMG、そしてAMG創業者の運営するレーシングファクトリー、HWAによって製造されています。

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今回競売に出品される個体は20台製造されたうちの7台で、ボディカラーはイリジウム シルバー メタリック、そしてカスタム・スポーツエキゾーストシステムとSPS オートモーティブの発注によるOZ製アルミホイールが装着され、内装だと運転席とヘッドライナーに変更が加えらている、とのこと(以前には背の高いオーナーが所有していたことがあるのかもしれない)。

現在の走行距離は4,358マイルを指しており、現オーナーはなんとこのクルマを「定期的に運転していた」と紹介されています。

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メルセデス・ベンツはわずか128日でこのCLK GTRを開発した

なお、メルセデス・ベンツはこのCLK GTRをわずか128日で開発したと言われますが、当時の(市販モデルの)CLKのパーツも流用しつつも車体構造は一新されてカーボンファイバーモノコックへ(短期間で開発したにもかかわらず選手権を2連覇するあたり、AMGとHWAが以下に優れたコンストラクターであったかがわかる)。

そしてエンジンは直接カーボンファイバー製モノコックへとマウントされるという構造を持ち、レース参戦用として設計されたといえど、「これが市販車なのか」と驚かされます。

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なお、レーシングカーのメルセデス・ベンツCLK GTRと公道走行バージョンのCLK GTR シュトラッセンとは同時に開発がなされたそうですが、CLK GTR シュトラッセンの生産が開始されたのはメルセデス・ベンツCLK GTRがチャンピオンシップを獲得した約1年後。

その間にはエアコン、アンチロック ブレーキシステム、キャビン内の断熱材、荷物用ポケットなどの改良が施されることに。

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搭載されるエンジンは623馬力を発生させる6.9リッター自然吸気V12気筒(M297)で、これはパガーニ・ゾンダ、ウアイラ、ユートピアに積まれるV12エンジンの原型となっています。

組み合わせられるトランスミッションはGT1レースカーとお同じ6速シーケンシャル。

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スパルタンな構造と外観に似合わず内装(シート)にはややファンシーなチェック柄シートが採用され、これは1955年のミッレミリアで優勝したスターリング・モス卿のドライブによる300SLR へのオマージュなのだそう。

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このメルセデス・ベンツCLK GTRはこんな経歴を持っている

このメルセデス・ベンツCLK GTRは1999年5月12日にスイスに新車で納車され、ザンクト・ガレンにて「SG 110706」として最初に登録されたのち、2010年11月まで最初のオーナーが保管することに。

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その後はドイツのオーナーの手を経て2017年にはまた別のオーナーへ、そして2021年には現在のオーナーが入手することとなり、このオーナーのもとでいくつかの改装を受けることになりますが、このオーナーは「実際に乗るためのカスタム」を施し、実際に様々なイベントに参加したりアメリア アイランド コンクール デレガンス、そしてライム ロック ヒストリックスといった展示会へと参加したことも。

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当然ながらいままでのオーナーたちもこのクルマを大切に扱っていたためにコンディションも良く、これまでの整備内容を記したドキュメントも付属するそうですが、改造の際に取り外した純正パーツも残されているといい、条件としては「悪くない」一台かもしれません。

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なにより「ほとんど」売り物が出ることなく、よってこの機会には多くのコレクターが注目することになると思われますが、予想落札価格を遥かに超えての落札といったこともあるかもしれませんね。

参考までに、メルセデス・ベンツCLK GTRの運転は非常に難しいといい、新車販売の際にはメルセデス・ベンツがディーラーを介さずに直接行ったっとされ、操作方法についてもインストラクターがついて「マンツーマンで教えた」とも語り継がれています。

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参照:RM Sotheby's

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