![最盛期の小室哲哉も所有していたものの「動かすことができなかった」メルセデス・ベンツCLK GTR](https://intensive911.com/wp-content/uploads/2021/04/Mercedes-benz-clk-gtr.png)
| 正直、ここまで操作が複雑怪奇であれば、エンジンを始動させるまでに心が折れる |
さて、メルセデス・ベンツがこれまでに市販したクルマの中で「もっともイカれているであろう」一台がこのメルセデス・ベンツCLK GTR。
これは1997年のFIA GT1クラスに参戦するためのホモロゲーション取得用として市販された「公道走行が可能なクルマ」で、当時約2億5000万円という価格にて25台が販売されています。
搭載されるエンジンは6リッターV12、出力は600馬力、トランスミッションは6速シーケンシャル、そして0−100km/h加速は4秒以下というスペックを誇ります。
基本的にメルセデス・ベンツCLK GTRはレーシングカー
基本的にはレースに出場するクルマをそのまま販売したと言っても過言ではありませんが、市販にあたってはABSやトラクションコントルールなど運転支援装備を追加した上、エアコンやオーディオと言った外的装備を追加しています。
そこで今回、DKエンジニアリングが「おそらく、世界で最も詳しい」メルセデス・ベンツCLK GTRの説明を動画にて公開しており、その内容を見てみましょう。
メルセデス・ベンツCLK GTRにはこうやって乗る
なお、CLK-GTRのドアは斜め上に開く「ディへドラルドア」。※あまり大きくは開かないようだ
これを開けて乗り込むことになりますが、上体がドアに当たらないように気をつけながら、まずは右足を入れて・・・。
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一旦サイドステップに腰掛けます。
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そのあとは左足を引き込むことになりますが、これがまた大変そう。
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ちなみにステアリングホイールは着脱式。
デザインがCLKと同じもので(当時のぼってりした)エアバッグが内蔵されており、そのファミリーカーっぽいステアリングホイールが「デタッチャブル」に改造されているところがなんともシュールです。※ちなみにぼくは以前に乗っていたフェアレディZ(Z32)のステアリングホイールをデタッチャブル式にしていた
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乗り込んだあとはステアリングホイールを接続(それほど簡単ではない)。
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ちなみにシートはこんな感じ(なぜかファンシーなチェック柄)。
シートの前後スライドは不可能であり、新車販売時にはオーナーの体格に合わせて一つづつオーダーメードにて製作されています。
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メルセデス・ベンツCLK GTRはこうやって操作する
そしてメルセデス・ベンツCLK GTRに乗り込んだ後は操作編。
ちなみにキーは当時のCLKと同じものです。
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キーを差し込んでACCまで回すと各種チェック機構が働き、この数字がゼロ、その隣のグリーンのランプが点灯した後(ニュートラルに入っていることを意味している)にようやくエンジン始動が可能となります。
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ちなみにバックギアはこれ。
球体の真ん中を押し、そこから斜め後ろに思いっきり引き上げます。
動画を見ているとメチャクチャに硬そうで、事前にこれを聞いていなければ、バックギアに入れることはまず無理という操作方法です。
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ちなみにサイドシル内のアクセスパネルを開けると何やらスイッチ類がありますが、これは自動消火システムで、自身でONにする必要があります。
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そのほか、メルセデス・ベンツCLK GTRの操作方法はこうなっている
ここまででも十分に特殊とも言えるメルセデス・ベンツCLK GTRですが、さらに特殊なのがバッテリー充電システム。
左側のCピラーにソケットが内蔵されており、このキャップを外して付属の充電器にてバッテリーをチャージすることに。
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右側には給油口とオイルフィラーキャップ。
これらはレーシングカーのものをそのまま使用しているので、通常のメルセデス・ベンツとは操作方法がまったく異なります。
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ちなみにディップスティップもここ。
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さらにレーシングカーそのまんまの油圧ジャッキも装備。
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ちなみにこちらのトランク類はメルセデス・ベンツCLK GTRの付属品。
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小さいほうを開けるとこう。
赤い取っ手がついているものは「象の足」と呼ばれているもので、油圧ジャッキが伸び切ったときに噛ませておくスペーサーなのだそう。
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ちなみに前後カウルを外すのも簡単ではなく、まずは隙間を作り、隙間に手を入れてジョイントを外して(これも簡単ではない・・・)・・・。
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大人4人でようやく取り外しが可能。
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フロントも大人4人で慎重に取り外し。
リアよりもやや取り外し、取り付けが難しそうです。
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メルセデス・ベンツCLK GTRは最盛期の小室哲哉が複数台所有していたが
なお、このメルセデス・ベンツCLK GTRは最盛期の小室哲哉が複数台所有していたもの、あまりに操作や運転が難しく「乗ることができなかった」という話も。
実際のところメルセデス・ベンツCLK GTRの新車販売時には、メルセデス・ベンツが審査を行い認めた顧客のみが、プロフェッショナルドライバーによるレクチャーを受けた後にはじめて購入を許されたといいますが、小室哲哉の場合は並行輸入だったので、そういった経緯を踏まずに購入しており、よって操作方法を学ぶ機会がなかったようですね。※小室哲哉の技術を疑う向きもあるが、当時の彼のコレクション内容からして、そのあたりのコレクターよりもずっとスーパーカーの操作に長けていると思われる
メルセデス・ベンツCLK GTRを説明する動画はこちら
参照:DK Engineering TV