なぜそこまでこだわる・・・。メルセデス・ベンツがラスベガスの路上を使用し4台の電動Gクラス「EQG」にて同時タンクターンを披露する

｜　EVとして環境的にあまり褒められた行為ではないと思うが、なぜメルセデス・ベンツがここまでタンクターンにこだわるのかは謎である　｜

タンクターンは「効率」とは真逆のところにあるように思えるが

さて、メルセデス・ベンツが「ラスベガスの路上にて、4台のEQGプロトタイプを集めてタンクターンを行なった」とアナウンス。

これらEQGはラスベガスにて開催された見本市、CESにて展示された車両たちですが、これら4台が路上で旋回する様は（画像を見ても）さぞや壮観であったと思われます。

タンクターンは実生活ではほぼ役に立たないが

なお、このタンクターンとは左右の車輪を逆方向に回転させることで文字通り「戦車のように」その場でくるくると回るというスタントであり、基本的にEV、しかもクワッドモーターを内蔵する車両でしか実現しにくい芸当です（クワッドモーター搭載でないとできないというわけではない）。

よって、メルセデス・ベンツ含むいくつかのメーカーはこのタンクターンを披露することで「クワッドモーターを内蔵している」ことをアピールすることになり、このほかだとBMWが「エレクトリックMモデル」のプロトタイプでこれを実演した他、中国のBYDが展開する高級ブランド、ヤンワンから発売されるSUV「U8」も実際にこれを披露していますね。

ちなみにメルセデス・ベンツでは、このタンクターンについて「Gターン」と表現しており、しかし「全く役に立たず、使える場面があるとすれば、他人に自分のクルマを自慢する場面だけである」とも。

タンクターンはもともとリビアンがアピールした装備だったが

なお、このタンクターンが知られるようになったのはテスラの対抗馬と目されていた米EVスタートアップ、リビアンが発売前のプロモーション動画で披露したため。

リビアンはこれによって「テスラにできない芸当ができる」ことをアピールしたわけですが、プロトタイプにこの機能を搭載したものの、実際の市販モデルには「非搭載」。

その理由は環境破壊につながりかねないというもので、たしかにこれは一理あり、どのような路面であっても意図的にそれに負担をかけ、さらにはタイヤも磨り減ることになるわけですね（電力も消費する）。

確かに狭い場所では有効かもしれませんが、路面の状況や傾斜によって「その場で360度回転」できるとは限らず（思わぬ方向に流れる可能性もある）、現実世界での使い道は限られるのかもしれません。

よって、環境に優しいはずのEVがこういった「無駄な消耗行為」を見栄のために行うことはまったくの無意味であり、この点においてリビアンは「英断を下した」と考えています。

一方、メルセデス・ベンツは今回のデモンストレーションを見ても分かる通り、このタンクターン（Gターン）をひとつの売り物にしており、よって市販バージョンのEQGからこの機能を削除することはしないものと思われますが、この点について環境活動家が言及しない（少なくともタンクターンについて抗議していない）のはちょっと不思議でもありますね。

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参照 / Photo：Mercedes Benz