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ポルシェ重役が911、718の電動化について語る。「911ハイブリッドは2025年頃に登場」「EV版718においてサウンドはトッププライオリティではない」

2023/10/21

ポルシェ

| 驚くべきことにポルシェはBEVのサウンドについてはさほど重視しておらず、、もっとも懸念しているのは「重量」であるようだ |

加えて、いまだ新型911の電動化の内容については一切わからない

さて、先日はポルシェにて911と718のラインアップを統括するフランク・モーザー氏が「ポルシェのスポーツカーをEV化する際、もっとも大きな課題は重量である」とコメントしていますが、今回はほかのポルシェ重役を交えた将来的な電動化に対する展望、そして考え方が紹介されています。

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ポルシェはスポーツカーラインアップの電動化を推進中

現在ポルシェは合成燃料(Eフューエル)の実用化を進めていますが、これによって内燃機関搭載車をラインナップから排除しなくてもすむようになる一方、「すべての人にとっての未来」になりうるわけではないというのもまた事実。

というのも生産量はじめ流通手段、法的な問題、そして最も重要な末端価格など解決すべき問題が山積しており、これらを解決するには時間がかかるうえ、国や地域によっては「解決できない」可能性も。

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よってポルシェは「より普遍的な」未来である電動化に対応してゆかねばならないわけですが、ここでも様々な課題と向き合うこととなっています。

今回、ポルシェの取締役であるミヒャエル・シュタイナーがカーメディアに対して語ったのが「911は、間違いなく、電動化される最後の(ポルシェの)1台になるだろう」ということ。

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これについては以前にもポルシェCEO、オリバー・ブルーメCEOが同様のコメントを発しているので”間違いのない”ところだと思われますが、問題となるのは「どのような手法で、いつ電動化されるのか」。

残念ながら今回は前者については話が及ばず、しかし後者については「2025年くらいに」登場するであろうという話が出ています。

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これについてはフランク・モーザー氏が「私たちは現在、2020年代年半ばに登場する次世代モデル(992.2)に取り組んでいます。我々は911のパフォーマンス・モデルとして機能するハイブリッドを開発しており、つまり992.2世代として登場するでしょう」と述べています。※BEV版718ボクスター / ケイマンとほぼ同時期に登場するということになる

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実際のところ、992世代の911登場以前から「992の後期にはハイブリッドモデルが登場する」と公言されており、それが公約通りになると考えて良さそうですが、一方でその「ハイブリッド」の中身は幾分変わっているようで、当時は「環境性能重視型」という説もあったものの、最近では「パフォーマンス重視型」へとシフトしており、ハイブリッドモデルを911のトップレンジとして位置づけるという話もあるもよう。

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ただしここでもフランク・モーザー氏は重量について言及し、「911は重くなりすぎてはなりません。ですから、私たちはパフォーマンス志向の解決策を模索しています。私たちは、私たちの重要なアイコンを、スポーツカーとして致命的なデメリットを持つ(重量がかさむ)電気自動車に変えることはできないのです」。

ポルシェにとっての「サウンド」はトッププライオリティではない

そして今回言及されたのが「EV時代のポルシェのスポーツカーにおけるサウンド」。

フランク・モーザー氏は現在「電動化されたポルシェのスポーツカーのサウンド」について深いレベルの開発段階に入ったとコメントしていますが、これはハイブリッド化される911ではなく、ピュアエレクトリック化される718についての言及であり、驚くべきことに「サウンドは、次世代718の開発におけるトッププライオリティではない」。

なお、ポルシェは「4気筒化された」718シリーズ、とくに「GTS」モデルのサウンドにおいて厳しい市場からの意見をにさらされたことがあるものの(そしてそれに対応する意味で6気筒モデルを投入している)、それでも「サウンドはさほど重要ではない」という驚きの発言を行っているわけですね。

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さらには「EVを運転すると、基本的には何も聞こえません。電動化されたボクスターの運転席に座っていると、何も聞こえない。俊敏でまったくダイナミックなクルマに乗っているのに、何も聞こえない。それは本当にいいことだと思う」とも語っていて、サウンドを「運転する楽しみのひとつ」としない新しい方法を考えているのかも。

加えて「我々には優秀なスタッフがいて、彼らは良いサウンドトラックを開発する方法を知っています。タイカンのサウンドを聴いて、ポルシェの典型的な電動サウンドがどのようなものかわかったことと思います。それは今まではなかったものですが、やがて誰もが知ることになるでしょう。かつて誰もフラットシックスの音を知らなかったのに、今では多くのエンスージアストがフラットシックスの音を知っているのと同じです」とも。

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参照:Motortrend

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