| もしかするとポルシェは911をピュアエレクトリック化しないかもしれない |
ただし(プロトタイプが目撃されている以上)、ハイブリッド化はありそうだ
さて、ポルシェが2023年の年次総会を開催し、そこで2022年における世界総販売台数が309,884台(2.4%増)となったことに再度触れ、同時に「今後、電動化への移行を強力に推進する」と強調。
なお、現在のポルシェCEO、オリバー・ブルーメ氏はフォルクスワーゲングループ全体のCEOも兼任しており、そしてフォルクスワーゲングループそのものが「電動化あるのみ」といった姿勢を貫いているため、(矛盾という株主からの指摘を避けねばならず)ポルシェとしてもフォルクスワーゲンと歩調をあわせ、電動化を中心とした話をしなくてはならないのかもしれません。
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ポルシェの電動化はこういったスケジュールで進められる
ポルシェは2030年までに「販売の80%をBEV(バッテリー式EV)にする」というアグレッシブな目標を立てていますが、その第一弾として登場するのが「マカンEV」。
こちらは2024年に発表されると言われ(ソフトウエア問題で発表が延期されてきた)、発売後にもガソリンエンジン搭載版マカンとの併売となるもよう。
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そして2025年に登場するのがEV版の718ケイマン/ボクスターで、こちらは既存モデルとの併売ではなく「入れ替え」だと言われています。
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さらに2026年に発売されるのが「カイエンEV」。
スロバキアのブラチスラバで組み立てられる予定だとされますが、マカンEV、718ケイマン/ボクスターEV、そしてこのカイエンEVとも、その価格は「ガソリン車の20%増し」くらいになるとされるので、つまりはかなり高価なクルマということに。
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ポルシェの「フラッグシップSUV」はこれまでのポルシェと大きく異なる
ただしポルシェの電動化における最大の目玉は新しく追加されるフラッグシップSUV。
これは「K1」として報じられているものであり、カイエンの上に位置することになるうえ、価格は「カイエンのベースモデル比で3倍くらい」になるとも言われます。
つまりは相当に高価なクルマということになりますが、この新型SUVは主に中国と米国、そして他の収益性の高い市場をターゲットにすると(今回の年次総会で)紹介されていて、"印象的なパフォーマンス "と "新しいインテリア体験 "を提供する "新しい車両コンセプト "の代表である、とも。
そのほか、高度な自動運転機能を搭載すること、3列シートを備えることについても言及されていますが、その詳細については今のところナゾのまま。
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ただ、今までになされた様々な報道を総合すると、このK1のエクステリアデザインはポルシェの過去のモデルとはまったく異なるものになるよとされ、ポルシェに近い情報筋によると「一部はセダン、一部はクロスオーバー」で、全長は5メートルオーバー。
そしてこのモデルは2020年から開発が進められており、フォルクスワーゲン・グループの将来的なスケーラブル・システムズ・プラットフォームの派生型であるSSPスポーツ・プラットフォームが採用されると言われています。
一方、オリバー・ブルーメCEOは「エレクトリック911」には触れず
そして今回の年次総会において興味深いのは、オリバー・ブルーメCEOが「ポルシェ全体の電動化に触れつつも、911の電動化プランには全く触れていない」こと。
現行(992)世代の911はもともと「フェイスリフトにてハイブリッド化される」予定であったものの、現時点ではそれもやや不確定となっており(プロトタイプは目撃されているが、以前ほど明確にその計画が示されなくなった)、少し前にはオリバー・ブルーメCEO自身が「ポルシェのラインアップで最後に電動化されるのは911」とも述べたうえ、「この10年というスパンでは、ピュアエレクトリック版の911が登場することはない」とも語っています。
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参照:Motor1